段取り8割。

段取りさえ終わっていれば、もうその事柄の8割は終わっている。

 

段取りとは、物事を行う順序や手順。また、その準備。

だから仕事はもとより、生活の全てのスピードや正確性に多大な影響を与える。

 

段取りのスタートラインは、今から行う事の想像。

これをしなければならない、あれをしなければならないと、その事柄の全体像を想像するところからスタートする。

段取りが下手な人は、この想像力が乏しいので、全体を把握するのが下手。

だから段取りをしたつもりでも、段取りが出来ていないことが多発して、余計に時間が掛かったりミスが起きたりする。

 

段取りのコツは、まずはやるべきことに必要な項目を列記すること。

その列記した事柄を、順序や手順に合わせて並び替える。

やるべき項目という点と点を繋ぎ合わせて線にすると、やるべきことが円滑に進むようになる。

 

この時に気を付けた方が良いことが、やるべき項目の際に、誰かの手や知識を借りなければ分からない項目。

これは、自分のリズム外になってしまうので、列記した時点で、線にする前に、どんどん知っている人や聞くべき人に、先に投げ掛けておくこと。

これを先にやらないと、この部分は想像できていない部分があるかも知れないので、後回しすると、全体の順序や手順に変更が生じる可能性がある。

段取りが下手な人が陥るパターンが、このパターン。

すごく時間を掛けていたのに、投げ掛けるのが遅かったせいで、時間を掛けた段取りすら成立しなくなる。

だから、今まで何をやってたの?という話になってしまう。

 

そのミッションを成立させるために、あれが必要、これが必要と想像すること、それを社会では考えろと言っていることが多い。

少しは考えろよ、考えたら分かっていただろう、こんなことを言っている時は大抵、この想像力の話をしていると思う。

 

段取りが下手な人は、この想像することと、順序や手順に並び替えるのが下手。

だから上手く、早く事が進まない。

 

これを教えることが教育であり、コーチングなんだと思う。

実力のある人は、それが面倒だから、自分でやった方が早いから、その想像する部分と順序や手順を自分で考え、それを従わせるようにしてやらせてしまう。

それにより、やったことがあることが増えたので、それが相手にとっての経験値になり、成長に繋がっていると勘違いをしてしまう。

 

でも、そうはならない。

理由は、肝となる部分を経験させてないので、どう考えればいいか?どういう順番で考えればいいか?のコツは経験させてあげられていない。

これが、プレイヤーとして優秀だった人が、マネージャーや管理職になると成果をあげれない人のパターン。

 

では何をすることが、正しいのか。

やっぱり、自分がすでに分かっていることであっても、一緒に考えること、一緒に想像する時間を設けることだろう。

自分がすでに分かっていることを、その人の口から言わせる、そう導くことだろう。

それにより、考えるべきことや、それをどう並び替えて行くかを体験することができるようになる。

ここまでやることが、経験を積むという事になる。

 

社内の飲み会や、接待の段取りが上手い人に、仕事が出来ない人がいない理由もここにある。

 

サイテキ 石山龍二