能登半島地震 派遣報告 その3 | 走る! 救命救急センター

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さいたま赤十字病院 高度救命救急センターのブログです。
ドクターカーによる病院前診療、救急外来の初期診療、 集中治療、外傷センターとしての手術、血管内治療(IVR)
日赤・災害基幹病院としての災害対応など 幅広い活動をしております。

この度の能登半島地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます

 

1月15日から21日まで日赤災害コーディネーターとして坪井医師が埼玉県支部合同チームで珠洲市へ入った

東日本大震災における災害関連死、在宅避難の危険性を訴えている坪井先生には適した時期の派遣となった

 

 

地域の保健医療福祉が大きくダメージを受けた上に道路アクセス不良からまだまだフェーズが進まない災害です

しかし、派遣された期間は地域レベル、避難所レベルで大きく人の動きがあった1週間でした

 

地域レベルでは今週から学校や商業施設(スーパー、薬局、ガソリンスタンドなど)の再開に伴い人の動きが増加

避難所レベルでは小中学校の避難所は各教室から体育館への移動があり、寒い体育館より損壊のある自宅に戻る在宅避難者も増加

そのため、数少ない地元保健師と要支援者リストが地域として存在しない観点から全容を把握することは困難を極めました

加えて1.5次・2次避難など多様化する避難形態は他団体、異なるセクターと協働する重要性が更に増したフェーズでした

 

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沢山の課題を残してしまいましたが、一方で、避難所対応における他団体との協力の重要性を考え本部レイアウトの変更を提案

赤十字の島を共同する保健師チーム島の隣になるように移動させたことは一つの成果であったと考えます

また、避難所巡回に関わる団体で定例のミーティング時間を作り、別々に活動をしていたピースウィンズ・HuMA・自衛隊・保健師チーム・DPATなどを纏め同じ目的を共有し意見を言い合える環境を作れたことも成果でした

 

 

市役所会議に出席した際は、支援物資をいち早く被災者に届けて頂くためのシステムを提案して反映させて頂きました

 

 

まだまだ、「急性期から亜急性期の要素」と「慢性期の要素」が混在したフェーズです

今後も継続した支援活動を行っていきたいと思います