かつて獣医業界には

トリブリッセン注という

サルファ剤とトリメトプリムの合剤の抗生物質注射がありました。

 

私はほかの病院があんまり使ってない点や

最初に勤めた動物病院でよく使ってたので使い慣れてる点

脂溶性が高くて普段届きにくいところにも届く素晴らしい抗生物質なのに

結構有効範囲が広い

副作用は色々いわれてるけど遭遇したことがない

ウサギにも安全に使える

(ウサギは抗生物質を間違えると腸内細菌がおかしくなって死にます。)

などなどの点から

 

開業してからも結構使ってたんす。

特に、他院であまり使われてないから

場所によりますが、感染症とかでセカンドオピニオンで来た時なんかに

このサルファ剤合剤を出すと結構効いたりしてました。

 

注射剤が生産中止になってから、

内服は人用のものが今でもあるからそれは使ってるんだけど

注射剤がない。

 

ちなみにトリブリッセン注は非常に痛い。

注射すると結構痛がる。

 

でもね、

冷蔵して注射すると、大分痛みが軽減することを知ってからは

冷蔵して注射するときに使ってたんだ。

 

(セレニアっていう注射剤も冷蔵すると大分痛みが減ります)

 

(*'▽') でもねー

一昨年あたりに生産中止。

 

( ;∀;) えーー肝臓とか胆嚢炎とか腸炎とかそこらへんでよく使ってたのに

何を使おうかしらーー

 

って思って

仕方がないので

代わりにエンロフロキサシンという汎用性の高い、

そして獣医業界でいっぱい使われてて

耐性菌が問題になってる薬を使わざるを得なくなった。

 

エンロフロキサシンやトリブリッセンは

1日1回で効くんです。

 

一方ペニシリンとかそこらへんの薬は1日2回注射しないとだめ。

 

入院治療だったら別に1日2回でもいいんだけど、

通院で注射するときなんかは1日効果があったほうがいいので

注射薬がなくなった昨年秋から

エンロフロキサシンを使う事が必然的に多くなってきました。

 

今のところ使い始めだし耐性菌で困ることはないけれども、

いずれは困ることになりそうで怖いです。

 

と、いうわけで。

 

うちにある抗生物質の注射薬は

アンピシリン、セファゾリン、エンロフロキサシンの3種類だけになって

あとは内服がいくつも種類があります。

 

 

でね?

 

先日。

 

引っ越してきた方が居まして

わんこさんに腸炎や肝臓の炎症でこのサルファ剤合剤を注射してた人がきたの。

 

紹介状を見ると「トリオプリン」

という注射剤がそれだとわかったので

さっそくウキウキしながらググったらね。

 

 

あったわ。

 

豚用。

 

犬猫用は売れなさ過ぎてなのか、なくなったけれども

 

豚用は売ってるみたいねー。

 

(*'▽') というわけで、レッツ注文!

 

届きましたー。

 

ちなみに冷蔵庫に眠っているトリブリッセン注の空き瓶(記念に残しておいたんよね)と

比べてみましょう。

 

大きさはちょっと違うけど

容量はおなじく100ml

 

期限がだいたい2年くらいだから多分使い切るサイズ。

 

トリブリッセン注はもともと50mlの規格があったのよね。

 

 

トリオプリンはまだ使ってないけど

こちらのいいところは、

 

トリブリッセンが懸濁液なのに対して

トリオプリンは混ぜなくても使えそうな液体。

ただ、ちょっと粘稠性があるかも。

 

(*'▽') ちなみに

最近フェイスブックで話題になってたんだけど

粘稠性って読める?

 

「ね ん ち ょ う せ い」

 

( ゚Д゚) はーーい残念!不正解。

ねんちょうせいではありません。

「 ね ん ち ゅ う せ い 」です。

 

ちゅうなのよね。

 

ねんちょうって読むよね。

 

私も読んでました。

多分大学かなにかの授業でねんちゅうって聞いた気がするけど

覚えてなかったなぁ~~。

 

 

ひとつ賢くなったね。