さて、昨日の日記の続きです。

昨日は日本人がいかに塩分をとりすぎているかわかったでしょうか?
塩分とりすぎでおこる害はググってください。

今日は脱水と塩分の関係をお話しましょう。

なんで脱水すると塩分が必要なのか?
について書きます。

簡単にいうと、
主に体の細胞の外+血管の中の水分を保つ働きをするのが主にナトリウムなんですよ。
(ちなみに細胞の中の水分を保つ働きをするのが主にカリウムです)

細胞の外とは、細胞の間にある空間と、血管のことですな。
水分のいるスペースは
 1、細胞の中
 2、細胞の外
 3、血管の中
の3つに大きくわけられます。

それで、話はモトにもどるけれども
脱水を血液の中のナトリウムで分けると
 ①、ナトリウムが少なくなる脱水:低張性脱水
 ②、ナトリウムは変わらない脱水:等張性脱水
 ③、ナトリウムは体にいっぱいある脱水:高張性脱水

と3つにわけられます。
と、いうわけで。
ナトリウムがいっぱいある脱水の時に塩をいっぱい補給したって意味は無いわけですし、
場合により悪化させます。

塩を補いたいのは①
次に②です。

ただ、①の状態になるのは
・下痢しまくり
・嘔吐しまくり
などなど基本的には病的な状態でしか起こりません。
無論、点滴では塩分を十分に補います。

②は、汗をかきまくる、などで起こる一般的な脱水
③は、熱中症とか特殊な条件じゃないと起こらない脱水です。

①のように塩分がなくなる脱水=血管の中に"保てる"水分が少なくなる
=血液のめぐりがすごい悪い
ということになります。

これは緊急状態です。
血液がドロドロして、全身の血液のめぐりが悪くなり
体の水分交換・補給などがうまくできなくなります。

治療は、
①、血管の中に水分を補給しようと思ったら塩分が濃いもの
②、血管の外かつ細胞の外に水分を補給しようと思ったら塩分がやや低めなもの
③、細胞の中に水分を補給しようと思ったら、塩分がすごい低いもの、または無いものかカリウムの多いものを補給します。

ですから、なんでもかんでも脱水だったら塩分を補給すればいいってもんじゃないんです。
水分が足りないのはどこか??

ですから、
相当な状態じゃなければ、
軽度の脱水?というか水分不足に対しては水を飲んでればいいわけなんですね。
普段の食事で塩分を取っているからナトリウムは十分にあるはず。

無論、激しい運動したりして起こった脱水や軽度ではない脱水は塩分必要だと思います。

今回は書きませんが、点滴の目的は水分補給だけではなく、
血液の酸性度を調整したり、何かを補ったり、などなど
色々と目的があるわけです。

ですから、
ちゃんとした知識があって点滴治療ができるわけです。


だから、
脱水=塩分補給!
殆どの場合はまちがってないですが
近年の塩分補給ブーム。
不必要に補ってないですかねぇ??

血液型性格判断やらマイナスイオンやらゲルマニウムブレスレットやらファミコンをするとバカになる、
など根拠のないエセ科学みたく
変な偏った知識ばかりに騙されたくないものです。
(でも、個人的には血液型性格判断は面白いから好きです)

無論、
ちゃんと勉強してない獣医さんは
とりあえず脱水だったら塩分を補給すればいいや!
って思ってるとんも獣医さんだっていてもおかしくはありません(*^▽^*)