中小企業診断士試験 過去問1次 平成30年 財務・会計 第11問 | 2019年度ストレート合格するための中小企業診断士情報

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中小企業診断士受験の合格のための支援をおこないます。
さまざまな情報や試験のための戦略、勉強の仕方などを平成29年度合格の6人で伝えていきます。

みなさん、こんにちは!
財務・会計担当のねこにきです!

関東でも寒い日が続きますが、体調管理はいかがでしょうか。
僕は正月からのどの違和感が取れません…
体調が優れないと、いろいろとやる気が出ませんよね。

継続的に学習時間を確保するためにも健康管理には気をつけてください!
 

さて、今日は第11問です。

(出典:一般社団法人中小企業診断協会)

今日のテーマは「CVP分析」です。

メルマガ特典第一弾のテーマでもありました。

CVP分析は一次・二次問わず頻出論点です。合格者は何があっても正解している

と思われるので、今年の合格者となるみなさんも確実に得点できるようにしておいてください。

それでは、簡単に整理します。

1.営業利益の求め方

CVP分析の基礎となるものです。下記2パターンがあります。

①営業利益=売上高ー売上原価ー販管費

  → 一般的な損益計算書の表示方法です。

②営業利益=売上高ー変動費ー固定費

  → CVP分析を行うための表示方法です。

  変動費…売上個数に比例して金額が「変動」する費用(ex.仕入高、運賃…)

   固定費…売上個数に関係なく金額が「固定」された費用(ex.減価償却費、人件費…)
2.CVP分析の目的
①売上高(売上個数)と費用・利益との対応関係を明らかにする
→ 売上高が変わると利益がどれだけ変わるのかがわかる

②①により、利益目標を達成するために必要な売上高目標や、

  コスト削減目標が具体的にわかる
1.①の営業利益の求め方では、売上個数が1個増えたときに費用がどれだけ増えるか

 わからないので、利益がどれだけ増えるかわかりません。

1.②の営業利益の求め方であれば、売上個数が1個増えたときに費用がどれだけ増えるか

 わかるようにしてあるので、利益がどれだけ増えるか予測できるようになっています。

 

3.CVP分析のやり方

①費用(売上原価・販管費)を変動費と固定費に分解する

②変動比率を求める

  変動比率=変動費÷売上高
        =1個あたり変動費÷販売単価
  貢献利益=売上高ー変動費

        =売上高×貢献利益率
  貢献利益率=貢献利益÷売上高
          =1-変動比率

  変動比率とは売上高に対する変動費の割合です。変動比率がわかれば、貢献利益率が
  わかるので、売上高が増減したときにどれだけ利益が増減するのかがわかることになります。

③営業利益=貢献利益ー固定費として営業利益を求める
  貢献利益(率)がわかっても、営業には固定費もかかりますから、それを含めて営業利益が
  適正に確保できているか確認しないと、本業の業績評価が正しくできません。

 

4.頻出問題

①損益分岐点となる売上高/売上個数を求める

  損益分岐点では営業利益が0となるので、営業利益=0として求めることになります。

②目標営業利益を達成するための売上高/売上個数を求める(設問1)

  営業利益=目標営業利益として求めることになります。

③単価・変動費・固定費を変化させたときの予想営業利益を求める(設問2)

  単価・変動費・固定費を変化後の値に変えて営業利益を計算します。

 

それでは本問の解説です。

まず変動比率を求めます

変動比率は全体の売上高・変動費からも求められますが、せっかく販売単価と

1個あたり変動費が与えられていますし、計算が楽なので後者で計算します。

変動費率=1個あたり変動費80円÷販売単価200円
      =0.4

 

(設問1)

5.②のパターンの問題です。

5.①の損益分岐点に関する問題も変動費率を求めた後、貢献利益率を使って

計算を進めるほうが楽になります。

変動比率=0.4より貢献利益率=0.6なので

0.6×売上高ー固定費104,000千円=目標営業利益55,000千円

となるような売上高を求めることになります。

この方程式を解くと、売上高=265,000千円となり、解答は(イ)となります。

 

 

(設問2)

5.③のパターンの問題です。

販売単価、固定費、予想販売数量と3つも変化することになるので、変動比率等を

求めずに、素直に計算します。

ここでも、貢献利益から計算していきます。

1個あたり貢献利益=販売単価190円ー1個あたり変動費80円
                =110円

予想販売数量は1,400千個(単位に注意!)なので、

貢献利益=1個当たり貢献利益110円×1,400千個
      =154,000千円

固定費は2,000千円(単位に注意!)削減するので、102,000千円となるため

営業利益=貢献利益154,000千円ー固定費102,000千円
      =52,000千円

となり、解答は(ア)となります。

 

計算問題では単位に注意してください!

今自分が計算に使っているもの、計算結果の単位はわかるようにしておきましょう。

解説のように単位だけでも計算式の脇に書いておくとミスが減ります。

慣れるまでは解説のように計算も1つずつ進めれば、わかりやすくなります。

慣れれば、下記のように一発で計算式を立てればいいんです。

(設問1)

(1-80/200)×売上高ー104,000=55,000

(設問2)

営業利益=(190-80)×1,400-(104,000-2,000)

 

きれいに解くのではなく、確実に試験時間内に正解を出すことが目的ですから、

一人一人の状況に応じて計算の仕方を選んでいってください。

 

また、漢字を書くのがめんどくさい…という方は下記のような表記を使うと楽になります笑

売上高=S、販売単価=p、販売数量=x、変動費=VC、固定費=FC、変動比率=α

利益=π

これらは経済学でも使えると思います。

 

それではまた来週~

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