カウンセラーとして活動していた頃、

私は「聴くこと」が一番大切だと思っていました。

相手を否定しない。

最後まで話を聴く。

安心できる場所をつくる。

実際、それで救われる方もたくさんいます。

だから私は今でも、

傾聴そのものを否定するつもりはありません。

でも、

現場で経験を重ねるうちに、

どうしても説明できないケースがありました。

時間をかけて話を聴いても、

次のセッションではまた同じ悩み。

涙を流して、

「スッキリしました。」

と言って帰られる。

でも数日後には、

また同じ苦しさに戻ってしまう。

最初は、

私の関わり方が足りないんだと思っていました。

もっと質問を工夫しよう。

もっと心理を学ぼう。

もっと寄り添えるようになろう。

そうやって勉強を続けました。

その後、

コーチやカウンセラーの方をサポートする仕事をするようになっても、

同じ場面を何度も見ました。

支援する側は一生懸命。

クライアントも本気。

それなのに、

現実は変わらない。

その理由をずっと考えていました。

そして、

あることに気づいたんです。

もしかすると、

話を聴く前に整えるものがあるんじゃないか。

ということでした。

例えば、

睡眠不足が続いている。

食事を抜くことが当たり前。

疲れて甘いものばかり食べてしまう。

そんな状態では、

身体は常に余裕がありません。

余裕がない身体は、

危険を避けようとします。

新しい行動も、

新しい挑戦も、

「今はやめておこう。」

という方向へ自然と働きます。

その状態で、

どれだけ前向きな言葉をかけても、

身体の反応までは変えられないことがあります。

私はこの視点を知ってから、

支援の順番が変わりました。

まずは身体。

その上で心。

もちろん、

すべてが身体だけで解決するとは思っていません。

でも、

身体という土台が整うことで、

同じ言葉でも届き方が変わる人を何人も見てきました。

だから今、

コーチやカウンセラーの方にもお伝えしています。

「話を聴くこと」はとても大切です。

でも、

もし何年も同じ悩みを繰り返している方がいるなら、

心だけではなく、

身体にも目を向けてみてください。

そこに、

今まで見えていなかった答えがあるかもしれません。

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