義父母が、
娘の小学校入学祝いと、息子の誕生日祝いを買ってくれるということで、
大きなおもちゃ売場へ。
大喜びでおもちゃを選ぶ子どもたちを
眺めていると、
「さいこさんには、よければリカちゃん人形を買ってあげましょうか?」
と、お義母さん。
「えっ、わ、私にですか?」
(↑今年42歳)
冗談かとお義母さんを見ると、
ふんわりと笑みを浮かべつつ、明らかに本気の眼差し。
「ほら、子どもの頃、お母さんに欲しいと言えなかったって言ってたでしょう?」
そう。
私、幼い頃、控えめで自己主張が苦手な性格だったんです。
私の1つ上の姉が、
私と真逆の、しっかり者でハッキリ物を言う性格で、
しかも、女の子らしい物に全く関心がなかったため、
姉の
「リカちゃんとか、ぜんぜんほしくない」
という言葉に引きずられ、
「う、うん、リカちゃんとかいらないよね」
(ホントはめっちゃ欲しい)
と、同意してしまっていたというね。
当然、親は、
「うちの子って、2人とも女の子らしい物が好きじゃないのね」
と思うこととなり、
リカちゃん人形をはじめ、シルバニアファミリーや、魔法のステッキといった、
いわゆる女の子向け玩具は、
ほぼ買ってもらわない幼少期を過ごしたわけです。
義父母に出会ったばかりの8年くらい前に、
そんな幼少期のことを、ネタとして話した気がするのですが、
お義母さんは、真剣に受け止め、気にかけてくれていたようなのです。
リカちゃん大丈夫です!もう大人になりましたし!
と、笑って答えましたが、
不覚にも涙が出そうになりました。
私の心に30年以上、眠っていた
リカちゃん人形を欲しいと言うことができなかったという、
ひそかな寂しさが、
お義母さんの優しさで癒された気がします。
どんな些細な思いも蔑ろにせず、掬い上げるような、お義母さんの真心のある人柄は、
確実に我が夫に引き継がれ、
そして子どもたちにも遺伝しているな、と改めて感じました。
さて、
子どもたちは欲しかったおもちゃを買ってもらって、
海遊館でお目当てのジンベエザメを見て
夜はケーキまで食べて、
幸せいっぱいの充実した1日を過ごしました。
ちなみに、リカちゃん人形ですが、
まわりの友達がとっくにリカちゃんを卒業した年になっても、変わらず欲しくて、
だいぶ大きくなってから、お小遣いで買い、
ベッドの下に入れて、一人で愛でておりました 笑
そして親には、女の子向け玩具の代わりに、
たくさんの習い事、そしてさまざまな場所に連れていってもらいました。
かけがえのない体験をさせてくれたことを、
今でも感謝しています。