とあるツアーの「古地図片手に街歩き」というテーマで東京の日本橋界隈をあるいていたときのこと。

 

創業○○年、と冠のつく老舗がゴロゴロあるんですねぇ・・山本海苔店、だしのニンベン、フルーツの千疋屋、極めつけは三越百貨店。

 

恥ずかしながらわたくし、老舗とは・・たまたま世襲がうまくいったケース、という認識しかなかったのでございますよ。

 

『創業者ご夫婦に、ちゃんと長男が生まれて~

 

その子が反抗期を迎え、親の商売を継ぐのなんてまっぴらごめん~と家出する・・こともなく~(笑)、

 

めでたく結婚をして~

 

これまた運良く嫡男が授かり~

 

(と、ここでよくあるのが、ボンボンの没落定番トラップ・・オンナかギャンプルに注ぎ込んで家業が傾く・・・甘やかされた若旦那あるあるですよね・・)

 

というありがちな悲劇も見事回避したら~~~

 

お見事!

 

三代も続けば老舗が出来上がり~🎶

 

奇跡的に廃業というコースを辿らなかった稀有なお家柄。

 

いったいどんな産み分けと教育方針でお育てになったのかしらん・・極意があったら知りたいわん。

 

そんな能天気なイメージしかもっていませんでした。

思い込みってすごいですよねぇ・・。

じぶんがこう!と思ってしまったイメージは、無意識のうちに定着してしまい、もうそのことについて疑いもしない。

そこから先を考えるという思考をストップしフリーズさせてしまうんですよね。

 

固定観念は怖い怖い…。

 

 

 

その固定観念をくつがえしてくれたきっかけがあるんです。

それは・・

 

 

ツアーのガイド氏が老舗巡りをしながら、こんなクイズをだしたんです。

 

 

「江戸時代からつづく、老舗といわれるようになったお店はどこもそれぞれに、その当時にしては画期的なサービスをしているのです。さて、それはなにか?皆さんも良く知ってることですよ」

 

 

 

 

なんだと思います?

 

 

 

 

独占シェア?新商品の開発?女将の細腕繁盛記?

 

 

 

 

 

いえ、ちがいます。じつは…

 

 

 

ドライブスルー、

商品券、

果物屋さん、

店舗販売、

 

 

 

 

ん?

それのなにが老舗と関係あるの?ってかんじでしょうか?

それほど、今や当たり前に目にするものです。

 

 

 

山本海苔店といえば山本陽子さんがイメージキャラクターで知られています。創業170年!

当時、近隣の商店はどこも店じまいが早かった。

夜の会合時など遅い時間にお客様にお渡しできる手土産を入手したい!となった時に急遽駆け込めるお店がないという声。

そこに目をつけた山本海苔店の凄さは、ただ遅くまで営業時間をのばすだけではないところ。

 

お客様はきっと急いでる・・ならば車に乗ったままお買い上げいただいたら、さらにスピードアップすると気づいたことです。

 

なんと日本初のドライブスルーを設置したんです。

 

車で立ち寄れて、雨天でも乗ったまま購入できる便利さが重宝され昼夜問わず大繁盛となった。

ドライブスルーってマクドナルドが発祥だと思ってませんでした?私は思ってましたよ。。

 

ちなみに同店は正月以外年中無休で20時まで営業したという。その徹底した顧客側に立ったサービスは当時としては常識破り。あっぱれ。

 

 

 

 

だしのニンベンは世界で初めて商品券にあたるものを発行。銀の薄板でできた商品券をお店にもっていけば鰹節とかえてくれるサービスを江戸時代に発案。

 

江戸時代ですよ?江戸時代にお金の代わりに使えて好きな時に鰹節が買えると多くの町民に喜ばれたそのサービス「商品券」は、いまや誰もが知っているシステムとなった。

 

 

 

 

千疋屋はもともと青物・果物商を営み、三代目代次郎の時に我が国初の果物専門店にし、四代目が日本初のフルーツパーラーを始めるなど、外国産の果物のみならず種子の輸入、栽培、更なる品種改良を続ける。

 

なぜあえてフルーツの専門店?

青物も取り扱う方が経営的に安心と思うのが普通ですよね。だって毎日食べるじゃないですか。野菜は。

 

それを贅沢品、しかも食べたことのない外来の果物、人々にまだなじみがなく値段も高い果物だけを取り扱うなんて暴挙にもほどがあります。

日本初のフルーツパーラーまで作っちゃうなんて、よっぽど果物が食べたかったのか・・代次郎さんってば(笑)

 

 

 

 

呉服の越後屋(のちの三越百貨店)は世界初となる定価制(現金掛け値なし)を始める。

 

当時呉服商は反物を持ち込んでの直接売り、集金は年2回後払いというスタイルが定石、それを定価での店前売りと現金払いに切り替えたのです。

 

店が客をみて値段を決める時代に、どの客にも同じ値段で売る商いのやり方は業界のタブーとも言われ誰も取り組もうとしなかった。それこそ時代の英断。

 

また反物ではなく切り売りをして庶民に大いに喜ばれた、この発想も大胆。

 

資金の回転を早めたこのやり方で大繁盛、のちに銀行や百貨店、世界初のホールディングカンパニー誕生へとつながって行くのです。

 

 

 

これらの老舗が取り組んだことには共通点があります。

それは・・

 

「当時あたりまえではなかったことを、あたりまえにした」

ということなんです。

 

 

よーく考えてもみてください。

 

今でこそあたりまえのようにドライブスルーや商品券があり、それを利用したことがない人のほうが少ないんじゃないでしょうか?

 

ですが当時はまだそんなことをやったお店はどこにもないわけです。

 

今までのやり方と違う新しいことを取り入れたり、その業界での先駆者になるのは、実はものすごく決断力と勇気がいります。

 

だって前例がないのですから、大コケしてしてしまうかもしれない。

 

失敗したら恥ずかしい。

かっこ悪い。

社員にも業界にもです。

世の中に受け入れてもらえないかもしれない。

バッシングにあうかも。

社内でももちろん賛否両論でしょう。

まず社員を納得させないと進まない。

 

 

今、まさに会社経営真っ最中の私にはその大変さが手に取るようにわかるだけに…

 

 

 

喉をグッと掴まれたような、勇気を振り絞る時のなんとも言えない重苦しい気持ちを思い出して「うわぁ…ッ…すごいな…ぐぐぐ。」

 

 

 

老舗店の前に立って、しばし絶句でした。。

 

 

 

 

 

そういえば。

私と夫が、15年ほど前に初めてインターネットオークションでの古美術・骨董品の売買を始めた頃の周りの反応を思い出しました。

 

「え?骨董品をインターネットで売ってる?なにそれ?買うヒトいるの?実際に手にとって目で見ない?画像だけ見て買うヒトなんかいるわけないやん。絶対無理無理無理…」

ほぼみんながそういう反応でした。

 

 

そんな声にくじけてトライせずにいたら・・

 

なかなか売行きが伸びないからといって、少しやってみただけでくじけてネットオークションへの出品をやめていたら…

 

 

いまの我が社は影も形もなかったことでしょう。

 

昨今誰もがインターネットで買い物をする時代になりました。それが当たり前になってきていますよね。

 

もちろん骨董業界にもその波が。

ネット上で売買にトライする業者がものすごく増えたんです~。

ほんの15年前には考えられなかった。

 

 

いまや百貨店までもがインターネットに進出しています。

販売の形態が大きく様変わりしている激動の時代。

 

 

でもまさか私たちも15年前にこうなると予測していた訳じゃありません。

ただお店でお客さんを待つスタイルだけではダメだと思ったのです。

たくさんの人に骨董品(掛軸)を見てもらうには?と思ったのがきっかけでネットオークションに踏み出しました。

 

 

骨董業界ではまだ当たり前ではないことを当たり前にした、という意味では私たちがやったこともそうでした。

 

 

時代を牽引した優秀な老舗企業さんの末席に、図らずしもウチもほんのちょこっとだけ 加えさせていただいていると思ってもいいんじゃない??なーんて思ったりして。

 

 

 

あの時 やって本当によかったなぁ…。

 

 

 

言うは易し行うは難し。

 

それを乗り越えて来た先人たちの気持ちに共感した私は、物凄く励まされ、エールを送ってもらった気持ちになりました。

 

老舗店舗前で立ち尽くしていたワタシ、

ちょっと涙目になってたと思います。

いやぁ…胸を突かれるとはこのことか…。

 

 

ヒトって年を重ねるといろんな感情を味わえるようになるもんですねぇ。まだまだ人生は奥深い(笑)

 

 

とはいえ

私達夫婦が、一歩前に踏み出す勇気を振り絞った時にはまだ社員はおろか、会社もなかった頃。

失うような信用も人脈も金銭も今から思えば微々たるもの。

二人の心さえ決まればGO!と前に進めた。

 

会社ができ、大きくなるにつれて「あたりまえではないことをあたりまえにする」ってことは容易ではなくなり、組織になればなるほど、皆の意見をまとめることはさらに困難になっていきます。

 

 

 

でもね。

 

ワタシすこーし気づいたことがあるのです。

くだんの老舗を引っ張った偉大なる先人たちに共通することって、

 

「お客様の困りごとを解決する」

 

ここから視点を外さなかったということなんです。

 

 

「他が誰もやっていないこと、こうだったら便利なんだけどなぁ~、そんなことしていいの??わ~発想の転換~!」

 

という

 

「ここにしかない・あったら便利な・新しい経験」

 

ができるサービスをやり抜いた

という姿勢に頭が下がります。

 

 

 

そういう姿勢を芯に持っていたら、骨董業界も・・いや我が社も・・まだまだ色んなことが見えてくるはず。

 

 

 

 

それにしても、すごい~~

 

老舗。

 

 

進化し続けることで生き残ってきたんだわ。

チャレンジャーがいたからこそ、会社が ン100年も続いたんだとわかって「老舗」のイメージがガラッと変わったな・・。

 

老舗ってただ古臭いお店のことだと思ってました。

 

 

すみません。

 

ここは一本取られたぁ・・

固定観念のちゃぶ台返し、見事に決められたなぁ。

 

これはかけられて気持ちのいい技!でした。

 

 

 

 

 

この道35年のベテランバイヤーであるオットと全くの素人である嫁。

くすっと笑える二人の落差から垣間見える、骨董をめぐる発見とは?

 

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生家が代々続く骨董屋だったわけでもなく、短大卒業後の仕事は保育士、もちろんのこと骨董品のことはほとんど知らず鑑定なんかできません。

 

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