イタリア総選挙で欧州金融危機は再燃するの!? | さいますみのブログは引っ越しました。こちらでUPデートしています→http://saimasumi.hatenablog.com/

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Good News and Companiesの経済アナリスト崔 真淑 / さいますみです!
経済学/経営学/金融を社会的意義あることに活かすためにどうしたらよいかを考えていきます!

崔真淑プロフィール http://about.me/saimasumi/

みなさまこんばんは
Good News and Companiesの崔真淑/さいますみです
私的に、今週のマーケットで注目しているのは、米住宅着工件数、ウォルマート決算、イタリア総選挙…等です。今回は、イタリア総選挙について考えてみます。

*イタリア総選挙の構造
ザックリいうと、イタリア総選挙では中道右派と中道左派(含む民主党、現首相モンティ氏率いる中道連合とは総選挙後に連立するよう)のバトルな!?構図になっているようです。どちらが勢力を支配できるかは、今後の財政再建のキーになりそうです。

今回は、イタリアの上院/下院どちらも同時に改選されます。そのため、
上院/下院で過半数をとる政党が異なることになれば、いわゆる「ねじれ」の状況になります。その場合、スムーズに法案が通らずにイタリア財政再建が滞るかも!?という懸念が出るでしょう。(こちらの構造については、とてもわかりやすい記事がありました)

*何が問題なのか?
中道右派が支持を伸ばつつあります。彼らは付加価値税の引き上げ凍結やモンティ政権が復活させた不動産税の廃止、地方の事業税減税などを打ち出しています。中道右派が勢いをませば、緊縮財政や改革が頓挫するとの思惑もあるようです。マーケットではイタリア国債が売られ、一方でリスク回避のために独国債がかわれています。(投資家は有事になると、キャッシュに変えやすく、流動性の高い資産に資金を変えようとするため)

*本当にマーケットは動くのか?
日米欧どこでも、ねじれになればマーケットは、国のグランドデザインが滞るとみて、マーケットは影響をうけることがあります。特に、業種でいえば、イタリアなどに貸し付けを行っているとされる金融株などに影響が大きいと推測されます。では、実際に大手金融機関はどれぐらいエクスポージャーをおこなっているのでしょうか?

*欧米金融機関の実際のエクスポージャー
金融株でもっとも注目されるのは欧米金融株。彼らがどれぐらいのエクスポージャーをもっているかを把握することが、マーケットと対話するうえで重要かとおもいます。そして、実際に見てみると意外に影響は薄いかも!?と感じました。

ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガルに対して、JPモルガン、バンカメ、モルガンスタンレー、シティーばどの超大手米金融機関のエクスポージャーはTIER1(銀行経営にとって必要な資本)に占める割合は10%にもみたないようです。(出所:大和総研)

理論的には、もしも上記5か国がでデフォルトしても、損失リスクは各金融機関で吸収可能な水準にはあるようです。もしも、そんなことになれば金融システム不安が起こり、世界経済への影響はとんでもないことになるでしょうが…
ですが、こうした数字をみることで、もマーケットを適正にみるために重要かともいます。

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崔真淑/さいますみ