学校英語がツールに変わる!『最高の英語学習法』
その2は、英文の読解スピードと、リスニングの理解度が劇的に上がる、
「スラッシュリーディング」のやり方についてです。
まず、スラッシュリーディングとは何か、簡単に説明しますね。
みなさんは、英文を読む時「後ろから前」に返り読みをする習慣はありませんか?
会話文以外の、評論、論説文など、
書かれている内容が比較的難解で、
じっくりと和訳して考える必要があるものは、特にその読み方になります。
しっかりと文の構造を理解し、綺麗な日本語を作ろうとする意識は
私たち日本人の性質から来ているのかもしれません。
それ自体には問題はないのですが、
心理学的な「文章理解の鉄則」を覚えておきたいもの。
それは、「文を頭から理解していくことが基本」ということです。
学校で「一生懸命に読んで訳す」を繰り返していくうちに、
この鉄則を忘れてしまいがちなのです。
語彙が難しくても、文の構造が複雑でも、
基本は「読み返さずに、頭から順に理解していく」ことです。
初歩の学習者の場合、
例えば「関係詞」の後ろに続く文は前の名詞を修飾するので、必然的に「後ろから前に訳す」ことになります。
「先行詞」+「関係詞」+「説明語句・節」のパターンはよく見かけますね。
そこで、なるべく読み返りしなくても理解しやすいように
文を短く切っていく方法が、スラッシュリーディングです。
下はトランプ大統領の就任演説の冒頭の部分ですが、
このように「意味のまとまりごとに文を斜線で切り、文を理解しやすくする」わけです。
>We, the citizens of America, / are now joined in a great national effort/
to rebuild our country / and restore its promise/ for all of our people. /
Together, / we will determine the course / of America and the world /
for many, many years to come. /
どこで切ればいいのかというと、
「主語や修飾語句などのまとまり」
「前置詞とか接続詞の前」などです。
ただ、「S・V・O・C」からなる5文型とある程度の文法知識がある方ならば
難しくはないと思いますが、
現在学習中の方は難しく感じるかもしれません。
しかし、僕のやり方は「文法から入る」ものではありません。
僕も、文法にこだわった勉強は嫌いですから。
もっと自然に、離し手の気持ちに沿いながらフレーズで区切る方法があります。
それは、元の文の「音声を聞く」ことです。
話し手は、意味がまとまった一節一節を切りながら読みます。
ということは、
音声を聞いていれば、「どこで意味が切れるのか」がわかる
ことになります。
最近は本当に便利になったもので、
Webからは有名スピーチの原稿と映像が簡単に閲覧できます。
さらに、YouTubeなどの動画配信サービスは、
字幕や翻訳の機能も備わっています。
原稿をできればプリントアウトして、
聴きながらスラッシュを入れていくのです。
もし、『少し早いな・・』と感じたら、youtubeは速度をゆっくりにもできます。
人が実際に話している言葉を、表情を、文字を見ながら感じ取れる!
これは、昔はできなかったことです。
「関係詞がここにあるから・・」
「前置詞で始まる句はどこまで・・?」
文法で悩むのは後でいいのです。
一気に言い切っている「まとまり」は、
そこでいったん意味が切れるはずですから。
「短く切りながら、頭から文を理解していく」ことに
慣れることによって、
あなたの英文読解スピードはぐんぐん上がっていきます。
そしてこれが、話を一度で聞いて理解するためには欠かせない練習なのです。
次回は、「スラッシュリーディングで読解スピードを上げる方法」についてお話しします。