前坊守門徒葬 | 奏楽山西光寺BLOG

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14日(月)午後1時より、前坊守の門徒葬が営まれました。

二日前の夕刻に行われた臨時役員会にて、葬儀運営に関して役員方より温かいお言葉をいただき、背負っていたものが一気に軽くなった住職です。

 直近で親族筋にコロナ陽性者が複数アリとの報をうけ、情報拡散はひかえめにし、親族参列者は最も近しい方のみの少数とさせていただきました。

時勢的には常識というか、致し方ありません。

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予め、葬儀規範と解説本は熟読していましたが・・・完璧にこの通りにはいかないことが判明しました。

ですので、規範はあくまで”のぞましい一例”として、あとは基本的なものがズレないように心がけました。

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今回の葬儀で実践したこだわりポイントを挙げていきます。

〔注:このようにされなかったお葬式を否定しているわけではありません〕

①■お勤め中に、座礼・立礼はしない。

☆住職コメント:勤行は仏徳讃嘆の時間です。ご尊前に背をむけたり、ウロウロしないようにし、寺族もいっしょに勤行に集中しました。

ちなみに、葬儀参拝者向けの経本はコチラが超オススメです。

 

②■止め焼香は行わない。

☆住職コメント:止め(留め)焼香をなさる風習の意味をたずねると、ひとつめには【親族間の焼香順をめぐるクレーム抑止】、ふたつめには【この家からの死人を止める】という迷信です(他にも諸説アリ)。いずれの意味もみ教えに沿うものでなくナンセンス。

喪主焼香・代表焼香以外は、完全なる随時焼香で行いました。

 

③■内陣には朱ローソク

☆住職コメント:葬儀の蝋燭の色は、正式には銀色です。銀ローソクを用意できない場合は白色でかまいません。

しかしながら今回は、生前中の母との会話「赤(朱)がええなぁ」から異例の赤色(往生めでたし)でした。

仏さまの智慧をあらわす灯ですので、蝋燭本体の色にさほどこだわらなくても良いかも知れません。

 

④■遺影と法名は左右分け

☆住職コメント:葬儀社のホールで行われる場合、遺影や法名が中央に配置されることが多いですが、基本的に遺影と法名は左右に分けて中央の阿弥陀さま(六字名号or絵像or木像)中心のお荘厳を心がけるようにしましょう。

したがって、遺影は大きすぎず左右のどちらかへ。法名は荘厳机(或いは経卓類)の遺影と反対側へ。

上の画像は見えづらいと思うので、簡略化するとコノような配置になります下矢印

中央の阿弥陀さまが、式場内から見えるように気をつけましょう。

たま~に六字名号のお軸の南無阿までしか見えないようなお荘厳にでくわすことも((+_+))

 

⑤■白木の位牌は用いない

☆住職コメント:白木の位牌を用いる場合は、木に直接”法名”を書かず、紙に書いた(印刷した)法名を巻くようにします。

白木を用いた場合の雰囲気下矢印

紙巻きにするのは、位牌として使用するのではなく、法名をかかげる台とするためです。真宗では位牌は使いません。

今回は厚紙の三つ折りにしましたので白木位牌は必要ありませんでした。

 

⑥■式中に弔電の読みあげは行わない

☆住職コメント:開式前に宗門関係からの三通をアナウンスしていただき、その他の弔電は庫裏のお内仏に御供、落ち着いてから寺族で拝見させていただきました。

弔電はある意味において遺族に対しての私信であり、必要以上にひけらかすこともありません。式中に読みあげることは、仏徳讃嘆の時間を中断させるのであまり好ましくありません。

 

⑦■達書伝達式は省略

☆住職コメント:ご門徒の葬儀と同じようにシンプルに行いたかったので、役僧さんからのアドバイスで省略させていただきました。

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院号について

母が生まれ育った吉野のお寺(光臺寺さん)の山号『楓渓山/ふうけいざん』からとって内願申請させていただいたことです。

白銀村が存在した時代に白銀音頭の作詞(レコードが現存)もしたとか・・・故郷が大好きで大切にしていた母でした。

尚、法名の尼号については当時のなされ方を尊重し、そのままにしました。

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門徒総代方々、責任役員方々、めぐみ会役員方々、仏教婦人会役員方々にはご多用の中お世話をいただき、門徒会主催にてこのようなお葬儀を営んでくださり、寺族親族一同心より感謝いたしますお願い

そして、お参りくださいました皆さま、また、参列できずとも遠隔地より思いをはせてくださった皆さまに御礼申しあげますお願い

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■収骨について■

他の自治体でもちらほらあった悪しき慣習としての・・・”違い箸”

香芝市の火葬場における収骨(お骨ひろい)でも・・・”違い箸”が用意されていました。

※違い箸とは=竹箸×白木箸を組み合わせちぐはぐなお箸にすること。そうすることにより不幸をはぐらかす(身内の死が続かないようにと)根拠のない迷信です。

☆住職コメント:親のお骨をちぐはぐな箸で拾うことは僕にはできません。担当の職員さまに丁重にお断りし「左右同じお箸でお願いします」と申し出て、白木箸のみで骨を拾いました。ご門徒の皆さまもよかったら参考になされてください。

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余談その①、この離接地(寺院駐車場)がとても有効でした。

葬儀当日はテントが張られ受付場所となっていました。

 

余談その②、会葬御礼文・・・しっかり校正したつもりが誤植アリ。

お六寺✖

お六字◎

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葬儀の翌日は、新発意の中学卒業式。

帰宅後、さっそくに奉告仏参。

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3/18『法縁廟納骨者法要』

屋外は雨模様でした。

 

同日、午後三時から一日遅れ(前日は残務に追われ汗)の初七日法要キラキラ

称名お六字

 

釋俊彰にっこり