一日の報恩講になりかけた時期に継職させていただきました。
お参りが少ないこと(特に夜座)に心がおれて、または経済的な事情で、報恩講日程を短縮する末寺が増えつつあります。
昭和~平成にかけて、二日間四座八席の報恩講を勤修され続けてきた西光寺。
せめて二日間日程は維持したいという強い思いが私にはありました。
総代方を中心とする門徒の皆さんが背中を押してくださり、平成26年度報恩講より二日目は仏教の香りがただようアーティストをお招きしてのコンサート形式で存続することに。
夜、お寺に参る習慣が薄れつつあるからこそ、夜に開催です。←ここ重要
本年は二年ぶり・・・福井県三国町が生んだ歌姫ヒナタカコさん
リハーサルから鳥肌が立つ数少ないアーティストです。
ピアニストとしての腕前は超一流、さりげない部分が凄いのです。
ライターとしてはもう言葉が見つかりません。
カバー曲のセンスの良さも圧巻です。
浄土真宗の宝物を数多く所蔵、私たちと同じ親鸞聖人を仰ぎ阿弥陀さまをよりどころとする真宗高田派(本山は津市にある専修寺)に御縁の深いヒナさんですが、真宗高田派の本当の至宝はヒナタカコさんではないかと僕は思うのです
本堂を(法要で)満堂にすることはひとつの目標ではありますが、それよりも大切なこと考えさせられることが多々あります。
実はこの二日目コンサートの裏テーマは”悲しみに寄り添う”
お寺にご縁のなかった方が、山門の敷居を勇気を振り絞って一歩またいでくださったのは、大切な人を亡くし堪えきれない哀しみ(悲しみ)や寂しさを抱えてのことかもしれません。
そんな尊いご縁・・・何らかのカタチで心に残るひと時を過ごしてもらえたら。
ヒナさんに、そんな裏テーマは伝えてなかったのですが、愛別離苦をテーマにしたカバー曲やオリジナル曲からスタートした報恩講コンサート。
彼女の包容力に満ち満ちた慈しみの歌唱に感涙する聴衆の姿を目の当たりにし、開催の意義を脇から今一度噛みしめさせていただくことができました。
音楽のもつチカラはすごいです。
ゲストで参加してくださった西川茉利奈さん(vin)・・・華やかに情感たっぷりのサポートで素晴らし過ぎました。
東京藝術大学を出て海外留学も経験された西川さんは関西を中心にクラシック界(交響楽団)でご活躍です。
お二人は学生時代からのお友達とのことですが、今回が初共演。
こんな素敵な報恩講コンサート、本当に”ありがとう”しかありません。
問題があるとすれば、レベルをあげ過ぎて後々が困るということぐらいです。苦笑
ヒナさんのチャーミングなお人柄にも、私や坊守が魅了され続けているのです。本当にいつもありがとう
尚、この10/24に『テクノ法要ヒナタカコ collabo mix』がリリースされました。
宗門で話題のテクノ法要・・・拙寺と同じ本願寺派のご住職(福井教区)がこれまたすごい方で面白いアプローチ。
テクノ自体は新しい音楽ではないですが、コラボ具合が最高で、ヒナさん書き下ろしアミダサマは勿論のこと、真宗宗歌のアレンジにはぶっ飛びます
是非チェックしてみてください
釋俊彰