主な法要(報恩講や永代経)にて懇ろなる志をあげていただいた方に、
ささやかなお品をお渡ししておりますが、本年の報恩講は畳紙に包まれた天人香(焼くお香)にさせていただきました。
こういった記念のお品を考えるのは実はけっこう難しい。
予算のなかで出来るだけ有意義なものを(^_^;)・・・
まだお仏壇をお迎えでないご家庭の方にとっては、
こういった”焼くお香”はあまり必要でないと思われるかも知れないので、少しご説明を。。。
もともと”香”は塗る香、つまり、”塗香(ずこう)”であったらしいのですが、
この塗香は報恩講などにおいて、登禮盤されるご導師の作法のなかに今も残っていますネ。
”五体投地”の名残りなんかも登禮盤作法の三拝で感じることができるのではないでしょうか?
見逃した方は来年の報恩講、最前列にお座りくださいませ!笑
で、焼くお香にもどりますが、色んな種類のものがあります。
粉状ではなく、平べったく板状に固めてあって隅っこに火をつける物も。高価なものは・・・数千円どころか数万円
ちなみに”天人香”はリーズナブルなラインナップの中では最も良質なものであります。
使い方ですが・・・法事などを営まれるときに。
まず連想される焼くお香はコレでしょうね。
しかしなにも使用するのは自宅に限ったことではありません。
お通夜や葬儀のとき、焼香の列に並んでいるお寺さん(お坊さん)にご注目ください。
懐から・・・取り出したる物体
布香合・・・僕は布香合を愛用していますが、木製の香合を持ち歩いているお坊さんも居ます。
中身は・・・ホラ
凝り性のお坊さんは自分で調合したマイ香なんかだったり
こういった仏事のマナーはなにも僧侶にかぎったことではなく、ご門徒も布香合(本山の門前町でたくさん売られています、色とりどり)を持っていただくこと・・・好ましいと僕は思います。
仏教徒として・・・とても丁寧であり、心のこもったお焼香です。
葬儀会館セレモニーホールやお寺では、お焼香の”香”が用意されているのが当たり前になっていますが、
もともとはそうではなかったという話も聞いたことがあります。
お焼香をして十円玉や百円玉を置くような風習のある地域がありますが、きっとお香を使わせていただいた代金を置いて帰る意味から起こった習慣ではないでしょうか?
さて、天人香を開けてみると・・・
上記の使い方にご縁がなさそうな方におすすめしたいのは、
(お香のにおいが嫌いではなかったら)開封せずにこのまんま箪笥の虫除けとしてお使いください。
それ専用の商品も販売されていますが、香は虫が避ける傾向にあるそうです。
残り香あって、虫を殺さず、良いことずくめ
着物など和装には勿論の事、洋服や下着にも◎ではないでしょうか?
釋俊彰