星組星組公演『RRR』を見に上京した母と

4月3日(水)に
国立新美術館の『マティス 自由なフォルム』展を見ました。
母…マティスが大好きなんですよ。(私も大好きだけど)
テレビで見てチェックしていたそうで…
私もチェックしていたんだけど、すっかりうっかり忘れてしまい、
母に「RRRが15時からなら午前中はマティスに行こう」と言われて思い出しましたひらめきちゅん 
雨かもしれなかったから、映画を見ようかとか頭に入れていましたが、国立新美術館なら大して濡れずにサッと行けるし、とても良い提案カナヘイうさぎ
三菱一号館美術館が休館中だしな…とか思ってたけど、レム日比谷からなら、なんなら三菱よりもすんなり行ける国立新美術館。
母曰く
「公演は急に中止になることもあるから、予備の案を頭に入れておこうと思ってきたの」
なにそれ、偉すぎカナヘイきらきら


というわけで、開館とほぼ同時に到着。
この日は平日とはいえ、高校生無料の日だったから混むかなー…と思いましたが、さすが平日。比較的いい感じでしたつながるうさぎ
いわゆる…入口はついつい展覧会の概要とか真剣に読んじゃうから進みが悪くて混んでるけど、奥はスイスイ行けるってやつ。美術館の企画展あるあるニコ

展示の冒頭、セザンヌの影響を受けたという静物画に親近感ハート
私もセザンヌの静物画は何枚も模写したことがあるので、見るからに「ああ、これは確かにセザンヌです!」って感じました。
それから、背景にある柄や家具なども、本当にテキスタイルや家具を用意して見ながら描いていたということで…
そのテキスタイルや家具なども並んでいて、あら本当に!と、、、ついつい絵が上手い人って想像でその形を描いてしまうような感覚に、特に最近はなってしまっていて、私は物がないと描くのに苦労する人間なのでそこに引け目を感じたりしていたのですが、これまた勇気もらいますハート

そして知らなかったのは、舞台芸術や衣装を手掛けていたということ。
何枚もの習作が飾られているのが、こういう展覧会の好きなところなんですが、本当に悩ましかったんだろうなと伝わってきました。
色を変えるとものすごく雰囲気が変わるものねぇ。
お衣装は、そのお衣装を使ったバレエバレリーナ 黒鳥の舞台「ナイチンゲールの歌」の映像も上映されていましたテレビ
すごくね、私は好きなんですけどね…でも皇帝のお衣装に描かれた

龍が…ものすごく…可愛くて…恐竜くんはーと
これでいいのか?本当に!?と不安になるレベル。。。
なんか困り眉だし、目がうるうるしてるし、ヒゲもちろちろしてるし、、、可愛いんだけど…可愛くていいのか!?



肖像画とか人の顔もね…実際こんなにサラサラサラ…って感じでいいのか?と、
マティスさんに描いてもらうの!ワクワク!って思ってたらこれでいいのか?と、ドキドキ。

 

 



そして、いよいよよく知られるマティスの世界…切り絵へ。
私が今までなんとなく聞いていた切り絵に行った経緯は、
年齢を重ねて筆を持つのが辛くなってきて、それで切り絵ならできる…となった…という感じでした。
まあ、たぶんそうなんでしょうけど、
もっと色について深めたい、色を自在に操りたい的な理由が紹介されていて「私が聞いていたよりも前向きー!」と思っちゃいました。
実際はどうなんでしょうね。

(いや、展覧会で紹介されているんだから実際かてへぺろうさぎ

そして、制作方法を詳しくは知らなかったので、色紙を自分でチョキチョキしてると思っていたんですが、
色紙をそもそも弟子が塗って作って、

そしてマティスがチョキチョキした色紙を

弟子がマティスの言うように並べて、

それを…まあ、作品サイズが大きいですから、

マティスが座って眺めながら

「もうちょっと右…あ、それ青いのに変えて」的なことを言いながら、弟子が調整をして、ピンで留めていって(近くで見るとピンの穴もありました)
そして場所が決まったら、その紙の位置をトレースして記録して、

改めてキャンバスに糊で貼り付けて仕上げるという作業工程だったそうで…
マティスはトータルコーディネーター!!

アートディレクター!!
手を動かしているのは弟子たちでした。
なんかこの作業…マティスはマウスをコチコチクリック!してると考えたら、

非常にデジタルよね!!

そうしてできた「花と果実」とかテキスタイルとしても非常に美しいし、色とシンプルなフォルムがとても楽しくて…登場した時代が近しいのでその頃の流行もあったのかもだけど、とてもマリメッコを連想してしまいました。
素敵。好き。



それから、画集などの印刷物だとわからなかったけど、近づくと切り貼りした重なりやズレがよく見えて、「本当に切り絵なんだなー」とわかります。

「葦の中の浴女」

近づくと…

確かに塗りムラや、切り貼りした様子がわかります!

 

「波」

 

「ブルー・ヌードⅣ」

 

「アンフォラを持つ女」

どれも青と白のコントラストが素敵。


切り絵だけじゃなく、彩釉テラコッタを使った陶の習作もとても素敵。このタイルほしい。。。

 



そしてラストは宗教的な部分へ。
牧師が着るマント…カズラ(上祭服)や、ストラ(頚垂帯)などのマケットが並びます。

 

 

 


これがまた…カラフルで可愛いハート
龍の絵もそうでしたが、基本的にポップで可愛いハート
クライアントがそれでいいならいいんですが、

重厚感が求められるように感じるところにこの可愛さ

見ているこっちがドキドキしちゃうあんぐりうさぎ
 

中でも注目のフロアだったのは、「ヴァンスのロザリオ礼拝堂」の完全再現。

 


ステンドグラスがキレイだし、館内は朝から夜に照明が変化していって趣が変わって素敵なんですが…
信者さんたちは大丈夫なのか…な??これで。
だって、「聖ドミニクス」の絵とか壁画とか…シンプルの局地すぎて、お顔が描かれていないから…どんな表情もそこに思い描くことができるけど、ついついホラー脳が発動しちゃってちょっと怖いまであるよ??
上層部の方々が「マティスに頼もうよ!」と盛り上がって、

できたー!ってなったとして…

信者さんたちビックリしない?大丈夫?
こういう伝統とか風習とか、古くからのものを大事にしたい場所かな?と思う場所になんて斬新!
ある意味、これで行ける!最高!となった方々とは、私、上手く付き合える気がするわ。
そんな感じで、関係者にインタビューしたくなっちゃう、非常に興味深い展示でした。

ああ、やっぱり好きな画家の人生をたどるような展覧会って楽しい。
この間の奈良美智、そしてこの日のアンリ・マティス。
今年は美術面で早くも気持ちがホクホク。
これはキリコ展も行くしかないかなぁ。