2月8日(水)に行ってきました

星星組公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~/JAGUAR BEAT-ジャガービート-』


今回はこれ1回限りの観劇です。

東京宝塚劇場は公演10,000回達成記念だとか。

 

スマホで飾りをつけた写真も撮れますよー…ってやってたんですが、テキトーに撮って、次回ちゃんと撮ろうと思っているうちに期間が終わってしまった。。。

 

あと、小林一三先生の生誕150年ということで、

胸像が前の方に移動されていました。


そもそも宙『MAKAZE IZM』のチケットがいつどこで手に入ってもいいように、その日程は一切申し込まず、、、でも、あれこれハズレまくって、友の会でゲットしたこの1枚。


なんということでしょう!
前から2列目の一番下手!!

 

左を見たら花道の奥まで見えちゃう!!!

 

いやいやいやいや!
普通ならすごく嬉しい席なんですが、それは複数回観劇をする時で…1回だけの観劇でこのお席では絶対に何も頭に入ってこない!
案の定…
『ディミトリ』はストーリーがあるからまだしも、『JAGUAR BEAT』は(こちらも一応ストーリーがあるらしいけど)よくわからないままにウワーっと通り過ぎていきました走る走る走る


まずは『ディミトリ』。
お衣装がとっても好みハート
この手のくすんだパステルカラーがとても好きなので、非常に良きでしたハート
それから最初に登場した

リラの花の精たちのお衣装!最高でした!
実家にライラックの木があった私。ライラック(リラ)は大好きなお花です。
手が隠れるようにヒラヒラしたお袖がとってもライラックハート
そして、彼女たちのフォーメーションがとってもライラックハート
すごく素敵でしたハート

人質となっている王子ディミトリこっちゃん(礼真琴)&そんな彼を家族として、そして一人の男性として愛するお姫様ルスダンひっとん(舞空瞳)
その設定は萌え萌えなんですが、
ひっとんの笑顔が最初だけで、頼りにしていたお兄様であるギオルギあかちゃん(綺城ひか理)が亡くなって王位を継ぐ頑張ると心を決めてからはずーっと眉間にシワが寄って苦しい顔をしていて、結構しんどかったですが~んが~んが~ん
「お兄様!私は無理よ!…でも…私がやるしかない!」と覚悟を決める姿には胃が痛くなるようだったしが~ん
大好きな兄の死を悲しむ暇もなく膨大な書類に目を通す姿も辛かったしが~ん
でも、もちろんこういう必死な人に国を考えてほしいなと思ったのも事実ではありますが(`-ω-´)
逃げたいのに逃げられない女王の立場というのを、全然美しくなく描いていて、

そんなリアルにしないでー…泣いちゃうー…

という気持ちでしたが~ん
ひっとん…笑っておくれよえーーーん

そして、それをサポートするこっちゃんディミトリ。
ディミトリという名前は人質になり改宗したときにルスダンが付けてくれたお名前なので、ルーム・セルジュークでは違う名前だったとか。
でも物語の中では「ルーム・セルジュークの王子」とか言われるばかりで、本名は一度も出てこないのよね…

さては…月組『ELPIDIO』じゃないけど、「希望」という名前だな!?アマルとか…なんて思ったりしてニコ



こっちゃんとひっとんって、、、こっちゃんが愛らしいせいか(ひっとんもそれに増して愛らしいけど、でも下級生のあかちゃんの方がきちんと大人に見えるくらい愛らしい…)
俺についてこい!よりも、君についていくよ!な関係性が目立つように思います。
前を向いてグイグイ歩いていくひっとんが、こっちゃんを振り回したり、戸惑わせたりしながらも、でもこっちゃんがとにかく強い愛でついていくし、全力で支える!って感じ。
(思い返すと、そもそも二人が最初に組んだ『GOD OF STARS -食聖-』からしてそんな関係でしたしうんうん
今回は特に
♪たとえ遠く離れていても…(君は)(私は)ひとりじゃない

という歌があり、結構に衝撃でした。
普段なら男役さんが「君はひとりじゃない」と歌えば、娘役さんが「あなたはひとりじゃない」と歌うところ。
それがまさかの

「私はひとりじゃない」
それを自分で歌うとは…ルスダン…さすが生粋の王女様ですおうかん

というわけで、人質だったとはいえ王子様なのに、まるで奴隷だったかのように全身全霊を捧げるディミトリ。
ありちゃんアヴァク(暁千星)に目で威圧ドヤされまくるディミトリ。
あ、このありちゃんの目の芝居は、ものすごーく近くで堪能できて最高でした!
黒目の動かし方、眉間のシワの入れ具合など…本当に素晴らしかった!!
子供の頃からこういう立場にいると王子様の自覚なんてなくなっちゃうよね…教育大事うなずく☆

そばで支えるよ!と言って、
でも周りから良くない声が上がると、自分が表にいなければいいのかとスッと身を引いて、あくまでプライベートな支えにまわるのは…ディミトリってば、さすがスマートだなぁラブ
もちろん、その前にギオルギが「王」という立場を、そしてギオルギに見初められて身分違いの結婚をしたバテシバが彼の「王」という立場を守るために別れを選んだ…というのを見ているからではあるし、別れるよりは彼らにとって幸せな選択ではあるんだけれども。
宝塚で男性が身を引くという役割を負うのがとても新鮮な印象でした。
エリザベス女王の夫のフィリップ殿下って、私は人前に女王が出るときに一歩下がってそばにいる姿しか知らないんだけど、言ってみればこんな感じのポジションだったのかしら。


私たちはそんなディミトリの優しく控えめでスマートな姿ばかり見ているから「ルスダン!信じてあげて!」っても思うけど、
人を信じられなくなるくらい辛い立場にルスダンがいたこと、そのくらい追い詰められていたこともわかるから、疑心暗鬼になって間違いを犯してしまうこともわからなくもないという…
もう!!
雪組『蒼穹の昴』もそうだったけど、

コミュニケーション大事!!!
疑いの気持ちを持ったら、どんなことでも思い切って聞くこと!!!
ですね。
宝塚の…宝塚に限らないけれど、特に宝塚の悲しい話って、言葉の不足で生じがち!!!
だと思う。最近とみに。
両方の立場を見ているこっちは辛すぎるよ。。。

それに『蒼穹の昴』でも思っていたことだけど、
身近な人があきれたようなため息をつくことというのは、ほぼほぼ良くないですねうなずく☆
気の毒なくらいずっと追い詰められているルスダンが、アヴァクに無茶な話を強引に通すときのアヴァクの嫌そうな目をしたため息…、そしてアヴァクがルスダンに話を押し通したときの、アヴァク父(ひろ香祐)の「やれやれ」といったため息…。
そういうのに本当は気がつければいいんだけど、それぞれ必死すぎて視野が狭くなってしまっているので、まず無理なんですよね。あぁぁガクリ

でも、
「自分はギオルギ様に仕えていたのであって、国に仕えていたわけではない」と、若者の狭い視野全開だったアヴァクが
なんやかんや不満がありつつもルスダンの頑張る姿を一番近くで見続けて、
ちゃんと彼女を認めて終わるのはとても清々しくて素敵だったなほのぼの
本当にアヴァクって猛烈に真っ直ぐ!
アヴァクが「国に仕える」という宣言をしたときのパパの晴れ晴れした表情も素敵でしたほのぼの
ちょっと頑なすぎではあったけど、本当にいい息子さんですことほのぼの
ニュースでザッとダイジェストを見ていた時には、ありちゃんがすごく鋭い目をしているから悪役かと思っていたんですが、

全然悪い人ではありませんでした!
でも、全然悪くない人の、仕方ない心の動きをここまで巧みに描いたありちゃん…本当に素晴らしかったですパチパチパチパチパチパチ

ありちゃんもですが、今回はひとりひとりの気持ちの揺れ動きを本当に繊細に丁寧に描いていたと思います。
奴隷の極美慎ミヘイルは本当に短い時間しか登場しないけど、キラキラ美しくてぴかぴか(新しい) 奴隷云々の前に“人種の違い”を感じる雰囲気がありハッとしました。
そこから、タマラちゃんとの交流では、奴隷だけど割りと最近奴隷になったのかな?と思うような、自分を卑下しすぎない芯のある感じが伝わってきて、ただの奴隷じゃないなって思えたし、、、
そこからルスダンを悲しませるディミトリへの恨みとルスダンへの慈しみ…
そういえば彼は『アルジェの男』のアンドレが素晴らしかったな!と思い出したりして。
ちょうど似た立場にあるかもしれない。


あかちゃんも出番は少ないけれど、ものすごーく大きなお役で…

専科さんか!という役割を果たしていたと思います。
本当に貫禄と説得力、そして安定感がお見事ぴかぴか(新しい)
奥様と別れる時の断腸の思いが伝わってきました。
ところで亡くなったのは一応ギオルギだけだと思うんですが、ディミトリの心の中には元夫婦が揃って登場するのがとても好きにこっ
ディミトリの
愛する人のために身を引く
愛する人たちのために別れる
愛する国のために死ぬ

の、ベースにある方だものね…マジ専科さんレベル。
「自分だけが自由というわけには」という、自制心しかないセリフも…切なさと覚悟がにじんでいてとても素敵でした。


というわけで、
ジョージアンダンスの場面も終わり、舞台がホッカホカを通り越してアッツアツまで温まった頃…ふと思いました。
「せお(瀬央ゆりあ)

まだ出てきてない…

どうするの??」
すると!

なんと!
銀橋のセンターからババーン!と登場するではないですか!
そして1曲始まっちゃうじゃないですか!
ここまで盛り上がったところで登場するんだから、インパクト出すぜ!って感じで、これまたせおっちによく似合ってて良かったです。
ジャラルッディーンせお。
まったく食えない男ねぇ。
いいヤツ(いい人ではなく、いいヤツ)であることは間違いないんだけど、パワーで押し切っていく感じで、

登場から最後までずっとインパクトっっ!!
もともと目ヂカラウインクが強いこともあって、ギラギラがすごくて、キャラ濃すぎて…ヤバいヤツ感も拭えないニコ
イケメン好きだし、本音がつかめないし、ずっと何かたくらんでいそうだし、それでいて実際真っ直ぐだし、最後のディミトリが裏切ったか…というときにも、ディミトリの気持ちを何も言わずに受け止めて「まあ、いいじゃないか」と収めようとしていて、ものすごーく男気あふれてるし。
まさに大人物!!
これはついていきますわ恋の矢

そして、ピッタリくっついてるぴーすけ(天華えま)が、これまた品良く、でもすっとぼけていて最高でした。
こいつも食えないニコ
うっかり裏切っても不思議じゃない飄々とした感じもあるけど、
ジャラルッディーンのそばに急にやってきたディミトリに嫉妬しないのかな?と思わせる主従を超えた愛情も感じるし、
実はジャラルッディーンを転がしているのはアン=ナサウィーですと言われても疑わないし。
そんなジャラルッディーン&ナサウィーなんで、正直ずっと安心できない、ちょっとドキドキが続く目が離せない面白さがありましたニヤリ


ラスト。

ギオルギを尊敬していたからこそ、

愛する人を愛される王にするために、自分は遠くから見守ることに決めたディミトリ。
だからこそ、内通者になってしまうのは納得なんですが、
裏切り者がいるのか!と、周りがワタワタウロウロそわそわするなか、

すごく静かな表情でグラスワインに飲み物を注いでいたのが気になっていたんですよね。
そしたら、告白する前に一気飲みしたので…

おや…これは…つまり…と思ったら、案の定。
仕草としては案の定だけど、物語としてはまさかの服毒自殺!!
自殺を選んだのは、セリフにあったようにジャラルッディーンに恩義を感じてもいたからなんだろうな。
ルスダンへの愛とジャラルッディーンへの恩義に挟まれて、本当に自分を脇へ追いやってしまう方。

そういう育ちをしてきたとはいえ、ルスダンもジャラルッディーンも、もっと自信を持って前に出てもいいんだとディミトリに言い続けていた気もするから寂しいなうっ・・
そして見た瞬間は
服毒自殺!?とビックリしたんですが、
よく考えたらこっちゃんはロミオに続き、

2年ぶり2度目の服毒自殺でした。
こんなに服毒自殺するトップスターいる!?と思うけど、
そこがグイグイ前に進む周囲から一歩引いて、振り回されたり、我慢したり、サポートに回ったりすることが地味に多い男役・礼真琴なのかもしれません。


ディミトリの死…というか、もう会えないということを「死んだ」と聞かずとも受け止めなくてはいけないルスダン。
タマラと…下の子のこともディミトリに会わせることができて、一瞬でも家族4人だけの時間が持てたのはせめてもの救いうるうるJH
それでいて

「もし帰ってきたら議会に出ることを認めてくれますか」と、毅然とした態度でアヴァクに尋ねる姿が美しかったです。
そして、、、
伴侶の死は本当に後を追いたくなるくらい辛い出来事だと思うけど、
いつか自分が亡くなった時には

「よく生き抜いたと抱きしめて」という、そのセリフには涙がこぼれました感動。
本当に強くて美しい女性!
キャッチコピーの「勇気とは、何か」

ディミトリではなく、
尊敬する兄の死を受け止めて、

覚悟をして大きすぎると思える任務に立ち向かい、
愛する夫の死を受け止めて、

それでもなお真っ直ぐと前を見て国民のために生き抜いていく…
そんなルスダンの姿にかかっているように思いました。
さすが、本来のタイトルロール。

笑顔がほとんどないのは寂しかったし辛かったけど、奥歯を噛み締めてスッと立つ姿は紛れもなく美しかったですぴかぴか(新しい)

終演後、しばらく緞帳を下ろさずに、紗幕の向こうにあるリラの木を見せてくれた演出も、余韻たっぷりで最高でした(=´;ω;`=)


ちなみに。
左真横に花道があったお席なもので、お二人の結婚式の場面は槍(?)を掲げた兵士たちに阻まれて全然見えませんでしたあはは…
でも、花道から男役がザッザッザッと出てくると「うわ!大きいきらきら」と感動。
それから銀橋で気持ちを爆発させるアヴァクありちゃんのお衣装の袖がブン!ブン!となるのを近くで感じて、このお衣装の袖の部分…気持ちを伝えるのに非常にいいなぁとグッときたりハート
そして
花道からせり上がってくるくらっち(有沙瞳)!!
あまりの美しさに、陶器人形がせり上がってるのかと思いました。ふぅ!素敵キラキラ