仕事で葉山へ行ってきました
初めての逗子!
初めての葉山!
取材という名目がなかったら、行くことはそうそうなかったであろう葉山!
いいお天気に恵まれて、とてもいいお話を伺えて、幸せでした。
そして・・・
取材が終わったら、その足で神奈川県立近代美術館葉山へ!
取材先から徒歩圏に美術館があると知り、
目的の半分が美術館になったような気もしますが・・・
開催中の特別展は
『ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ』
ブルーノ・ムナーリは知りませんでしたが、
「こどもの心」というのが響きました。
しかも、ちょうどj-waveで紹介されていたので、おお!これは!という気分で出かけました。
逗子駅でランチは食べましたが、
取材後、少々空腹だったので、まずは美術館のカフェでお茶。
海の見えるテラス席で!
オシャレ!
分不相応にオシャレ!
コーヒー味のシフォンケーキとホットコーヒー!
コーヒーにコーヒー!!
でも、まあ、ゆっくりしているヒマはないので、小腹を満たしたらさっさと展示ルームへ。
閉館まで1時間ちょっと時間があったんですが、、、全然足りなかった!
いや、
まあ、一応すべての展示は見られたんで、ギリギリ足りたといえば足りたんですが、もっとじっくりゆっくり見たかった!
本当に素晴らしい展覧会でした
ブルーノ・ムナーリ
雑誌のアートディレクションや、絵本の挿絵なんかも手掛けていた芸術家で、
自分の子供に与えたい絵本がない!と絵本を作ったりもしたそう。
子供を相手に、アートのワークショップも行ったり、
芸術は複製可能で、いつでも楽しめて、誰でも作れる!というのがコンセプトにあったようです。
さらに、コピー機を使ったり、スタンプを使ったり、工業デザインも手がけたりと、実に幅広いんですが、ものすごーく遊び心と優しさにあふれていました。
最初のコーナーの目玉は
「役に立たない機械」
一見するとモビールなんですが、あくまで空間に色や線を飛ばした“絵”であり、モビールとは異なり“機械”なところがポイントらしいです。
“絵”としての表現だと思って見ると、くるくる回りながらパーツの違う組み合わせが見えてくるのが面白くて・・・
そして、それが次の展示につながるコンセプトだったとは、その時は知りませんでしたが、やっぱりモビールではなく、空間を使った“絵”なんだなと感じました。
次のコーナーにあった「読めない本」
これは、様々な形にカットした色紙が本のように綴じられているもの。
ページをめくるたびに、色や形の違う組み合わせが楽しめるのです。
展示物はめくれなかったけど、、、めくりたい。
きっと一番好きな組み合わせにどこかで出会えるはず。
ここには、ほかにも楽しい絵本やカードおもちゃがありました。
たとえば、
トレーシングペーパーを重ねた「ミラノの霧の中で」や「きりのなかのサーカス」という絵本。
トレーシングペーパーが霧になっていて、
めくるたび・・・霧が晴れるたびに、様々な風景が見えてくるという。。。なんて素敵な絵本
「闇の夜に」も同様に、穴が開いたりしている黒いページをめくると、様々なものが見えてくる仕掛けです。
ほかにも、ページの形を様々にした絵本がいろいろ。
谷川俊太郎さん訳で日本でも出版されているようです。
カードおもちゃも、これまた子供に与えたい!度が相当高いです。
「プラス・マイナス」
プラスチックの板に絵を描き・・・
セル画を重ねていく感覚なんですが、
建物、木々、車や人、お天気など、様々な絵が描かれた板を重ねていくことで、たくさんのパターンの絵ができていくという趣向。
たくさんの物語を紡げそうです。
「ABCを組み立てよう」というパズルも、とても素晴らしい発想でした。
それから
「旅行のための彫刻」
紙でできた・・・要するに折り紙なんですが、
その折り紙を旅行に気軽に持って行き、
旅先で広げることで、どこでも自分だけの文化的空間が広がる・・・これぞ芸術!という趣向だそうです。
本当にユニーク。
コピー機の上で物を動かすことで、動きのある印刷物を作り、
それを使って「きいろずきんちゃん」という、都会を歩くきいろずきんちゃんの絵本を作ったり、
葉っぱのスタンプを作り、
それをペタペタすることで背景を描いた「みどりずきんちゃん」という絵本を作ったり。
木というものは、どんな種類の木であれ、
太い幹、そこから枝、枝がさらに枝分かれすることでできているということから作られた「木をかこう」という書籍も。
みんなでやろうよ!簡単だよ!難しく考えないで!という気持ちが伝わってきます。
ちなみに
「木々」という作品では、日本語の“木”という漢字を使っていました。
芸術家の心をくすぐるのは、よくわかります。
で、
たくさんの楽しく心が豊かになる作品群の中で、私が一番感動したのは
「陰と陽」です。
それまでの絵画では、対象物を目立たせるために天や土、、、背景があったけれど、
ブルーノ・ムナーリは、
すべての色や線を対等に扱うというコンセプトで「陰と陽」を制作したそうです。
何色かの色が、
ぶつかりあうような色もありながら、
大きな面積だったり、小さな面積だったりするのですが、
すべてが対等。
こちらの色を目立たせるためのあちらの色でも、
あちらの色を引き立てるためのこちらの色でもない。
すべてがそのまま、その色としてそこにあり、
そして決して、1mmも混じり合わず、濁らず、
ケンカせず、卑屈にならず、
自分は自分として、相手は相手として、すべてが凛としてそこにある感じ。
なんかもう、ガーンとやられて、涙が出そうになりました。
仕事というきっかけがあって出かけた展示でしたが、
本当に本当に見られて良かった