やけに仕事が忙しくて、ありがたいのですが、いつも言っていますが、もっとスケジュールが分散してくれてもいいんですよ、、、と思いつつ
でもちゃんと宝塚は観てきました。
これがないと、もはや働く意味がないっっ
花組公演『邪馬台国の風/Santé!!』
8月19日(土)午前11時開演の阪急貸切公演B席と
8月22日(火)午後6時半開演のe+貸切公演1階S席。
B席で全体を観て、そして1階S席で没頭する。複数回の観劇としては最高の流れですね
次回、月組もその流れで楽しめそうです
・・・S席が1階なら(まだ座席がわからないのですよね~)
ただ!
B席の時はちょっとお隣が、、、スタッフさんに言わせると「ご事情のあるお客様」で、、、不意に声を出したり椅子を思いっきり揺らしたりと大変でした
似たような位置に空席がいくつかあったので、スタッフさんに移動できるかお願いしたのですが、全席指定なのでダメとのことでした。残念。
そしてS席の時はお隣が、、、奥様に連れてこられたらしき中年男性だったのですが、幕間休憩中に大きな声で宝塚の悪口ばかり言うので、ちょっとこの場でそれはどうなんスか・・・という感じでした
でもまあ、気を取り直して。。。
今回は2回分まとめて思ったことを。
まずは、とにかく評判の悪い『邪馬台国の風』。
いろいろと感想を見てみました。
曰く、演出が古い。心情表現が浅い。突っ込みどころが多い。唐突な展開すぎる。暗転が多い。暗転に入る前にジャジャジャーンは今どきない。などなど。
で、観終わって思ったこと。
そんなに言うほど酷いかなあ?
暗転前に確かにジャジャジャーン!は意識して観ると結構多いです。
1回目は意識しなかったので気にならなかったけど、2回目はこれか!と思っちゃったので多かったかもです。
でも、まあ、ベルばらに比べれば、、、ねぇ
(処刑前に白い服で静かに座るヒミコと、「ヒミコさま、何かお召し上がりになりませんと」なイヨなんて完全にベルばらですね)
逆にこれぞ宝塚というか。これ!これ!と思う人もいそうというか。
宝塚ってそもそも、新しいことをやったとしても新しいばかりじゃなくて、ちゃんとお約束や懐かしいものや昔からのというのを踏まえてるから、こんなもんかなぁと思いました。
ほら、
セリフを言うだけ言ってダッシュで逃げるとかもさ、宝塚にはありがちじゃん
まあ、なんていうか、逃げる人がやけに多かったけど
それ以外は別に。。。脚本については、そこまで浅くも突っ込むところもなかったと思うけど。
例えば、ちなつ(鳳月杏)演じるアシラ。
マナがヒミコになって現われて、タケヒコが「マナ!あれはマナ!」となった時にアシラが「マナ?」と言うのに、結構突っ込んでる人が多いんですよね。マナが邪馬台国に来る時に会ったじゃん!忘れてるの!?って。
でもね、邪馬台国には巫女がたくさんいて、きっと神の声が聞こえるという少女を見つけては連れてきているんですよ。そんな巫女たちのひとりがマナ。
アシラにとっては、巫女は巫女であって、個人ではないのよね。
でも、タケヒコにとっては巫女であってもたった一人の女性なんだってことだと思いました。うん。
あと、華優希ちゃんの少年タケヒコから、みりおちゃん(明日海りお)の大人タケヒコになった後で師匠サオタさん(高翔みず希)が言う
「あっという間に大きくなったなぁ!」
笑うセリフじゃないのに面白おかしくしてる!という指摘を見ましたが、これは笑わせるセリフだと思うから、全然アリ
私がメタ的なネタ好きというのもあるけど、みりおちゃんも笑ってたし、笑うところだよ、うん。
ただし!
確かに演出面で残念なところもありました。
まずは、
もっと舞台を広く使えばいいのに
これはガチで気になった!もったいない!
邪馬台国のシーン、
ほとんど幕前状態やん!!
あんな大きな柵を、あんなにも手前に出しちゃって。その意味は??
後ろでセット転換する必要あるの?(あった?)
盆回りを使えばいいじゃない。
全国ツアー仕様かよ!と思うほど、いやそれ以上に小さな空間でお芝居を続ける面々。
あれは、、、確かにどうかと思った。
あともうひとつ。
最後の戦は全軍vs全軍です。
それをアリモノ(と思しき)SEで済ませるなよ・・・と
結局戦の話ではないんだよってことなんだろうけど、それにしても「ワー!ワー!」って、、、あれ、マジの男性ボイスのSEでしょ。
それなら、もう少しあちこち削って、全軍ぶつかる大勢口の踊りを数分入れた方が良かったような気がするよ。。。
その2点だけ気になったかな。
結構大きいじゃないかっっ!!と感じだけど
でも脚本には特に文句ありません。
別にいつも「最高!やばい!今年一番!」を求めているわけでもないし。
もちろん、大劇場と東京で変更点がかなりあったらしいとは聞いているので、大劇場版を見たらビックリするのかもしれないけど。
とりあえず、ル・サンクを読んだ限りはそこまでじゃないかな。
ラストシーンはね、大きく変えたみたいで、確かにル・サンクに書かれてるラストと全然違ってて、そして正解だったと思います。
決意を胸に、キッと未来を見据えるような目をして歌いながら銀橋を渡るみりおちゃん。
そして、舞台上に残りそっと後ろを向くゆきちゃん(仙名彩世)。
うん、このラストは良かった。
でも、二人が踊るラストもそれはそれで見てみたい。。。
さてさて。
とりあえず卑弥呼好き、邪馬台国好き、遺跡好き(古墳時代や縄文も好き。旧石器の遺物も好き)の私には、後ろに銅鐸や鏡が吊ってあるだけでムヒムヒな今作。
そして、とにかく衣装が美しく、、、とりあえずトップコンビが織姫と彦星に見えちゃう今作(特に前回ゆきちゃんは織姫だったし)。
日食のシーンでは、宇宙とつながっちゃうギャラクシーな演出があるので、余計に七夕感がすごいです。
あのシーン、キレイだったなぁ
太陽の光の強さもいい感じだったなぁ
で、
トップコンビふたりが、タケヒコとヒミコが、愛し合いながらも自分自身の役目を一番に考えて最後には離れていくという展開に、
まるでどちらか片方だけが退団するみたいと思いつつも、
この二人は甘え合うことなく、自立した二人として尊重し合ってやっていくんだなという姿勢が見えたような気がしました。
唯一心を許しているタケヒコに弱音を吐くヒミコ。
そんなヒミコを支えたいけど、あまりにも寄り添いすぎるとそれこそがヒミコのためにならないとわかっているタケヒコ。
そして、いよいよ神意が聞こえなくなり処刑されることになったヒミコを、マナとして連れ出そうとするタケヒコと、一緒に逃げようとするヒミコ。
その瞬間に神意が聞こえて、、、タケヒコはまた厳しさをもって身を引くことに。
いのちの瞬きの間になすべきことをなせ
この歌詞にはいちいち胸が詰まりました
すごい歌だなぁ。
そして「もうマナには戻れない」と、ひとりつぶやくヒミコ。
ここにも涙
女王となったヒミコと、トップ娘役になったゆきちゃんの心が重なったような気がしました
それに、
ムラで勾玉がどの程度の扱いだったかはわかりませんが、少なくとも東京ではちゃんと意味を持っていたように思います
もらった勾玉を見てはマナを思い出していたタケヒコ。
そしてラストシーン。
「邪馬台国に風が吹く時、それは私があなたを思っている時だ」と告げて、タケヒコは一人旅立つ。
そして、銀橋でキリッと決意する目をして、前を見据えて歩いて行く。
ヒミコはヒミコで自分の道を行く。
そしてタケヒコが勾玉を握り締めて歩くと、
風がヒュオーーーっっと吹いて終わるのでした。
鳥肌感動
あ!
ラストシーンが違うから、
さてはムラだと勾玉の意味が薄くなるのか!?
このラストはやっぱりとても良かったってことですね。
踊りながら終わったら、勾玉の意味も風の意味も薄くなっちゃう。。。
ああ、なるほどなるほど
とりあえず私としては、
黒いお衣装でシャープな目をしたキキちゃん(芹香斗亜)を楽しめ、
抑えたトーンで渋いマギー(星条海斗)を楽しめ、
大変良い動きと、最後の
「立てーっっ!!(立つんだジョー!)」で泣かせてくれたマイティー(水美舞斗)を楽しめ、
タケヒコとイサカが仲良く話してるのを見て「はぁっっ!!」とヒヨっちゃったけど、その後せっせと弓を作って「気に入ってくれるかな?」とソワソワしているラブリーれいちゃん(柚香光)を楽しめ、
そして比較的わかりやすいながらも、それなりにグッとくる物語を楽しめたので、満足です
あ!そうそう。
みりおちゃんの滑舌が随分改善されていて、今回は何を言ったかよくわからない!というセリフがありませんでした。わーい