三島由紀夫「潮騒」 | 西条美咲オフィシャルブログ「西条美咲の咲く色」

三島由紀夫「潮騒」





3日ほどかけて三島由紀夫「潮騒」を読み終えましたラブラブ

新潮文庫の2014年プレミアムカバーの「潮騒」が、大好きなティファニーブルーで、本屋さんで一目惚れしました音譜

三島由紀夫さんらしくない青春恋愛小説とも言われていますが、文章がとても綺麗で、本を読みながら、美しい小さな島の風景や灯台、小学校や、海、潮騒、白い砂浜に、岩の窪みには貝や海の生き物がいて、、、
「潮騒」の世界が、美しい日本語から、頭の中で景色となってどんどん浮かんで、主人公とヒロイン二人の、あまりに純粋な姿と恋に夢心地になりました。

私の祖母が、四国の内陸側の島に今も住んでいます。数時間で、島を一周できるくらいの小さな島で、人工は300人くらいだそうで、祖母も若い頃は海に潜り海女をしていたらしいです。

島には小学校が1つ、島の細い道を上がった所には、神社があって、家の前は海で、夜になると真っ暗で恐怖を感じたのを覚えています。

京都の実家からでも、電車やバスや船に乗り、一日掛かりでやっと到着できるので、私もこれまでで数えるくらいしか行けていませんが、その島の風景と重なる部分、、、閉ざされた世界の美しさ純朴さをたくさん感じました。
島の美しさというのは、宝箱のようで、未知でありながらも、小さな島は、自分の胸の中で大切にできるくらいの大きさで、大好きです。


また、主人公の新治が大きな船に乗って試練に巻き込まれる部分では、はらはらドキドキしました。
私は、大阪港から船でプサンに行ったことがあります。
夜中、甲板に出てみたら、すごく風が強い日で、立っているのもやっとで、真っ暗な海に落ちたら誰にも気付かれずに海に飲み込まれてしまうのだろうと恐ろしくなり、すぐに床を四つん這いになりながら、船内に戻ったことがあります。
その時の手に汗を握る感覚と、恐怖のあまりに息を潜ませながら、無表情で動いている自分が思い出され、新治の闘いに息をのみました。

しばらくしてから、また再び読みたい作品です★