ザ・ドリフターズから小野ヤスシやジャイアント吉田らが脱退し、高木ブーと荒井注が補充メンバーとして加入したのは1964年9月のことだが、「ミュージック・ライフ」誌の64年10月号掲載の人気投票中間発表でのロック&ウエスタンバンド部門で、ドリフは寺内タケシのブルー・ジーンズ(1位)、ダニー飯田とパラダイス・キング(2位)に次いで3位にランクインしている。当時のドリフはNTV「ホイホイミュージックスクール」にレギュラー出演しており、ジャズ喫茶界隈では既に人気バンドだったことが分かる。そんな中で、いかりや長介の「やる気がねえんならやめちまえ」という一言がきっかけとなったのちのドンキーカルテット組との分裂騒動だっただけに、いかりやは責任を感じて新メンバー集めに奔走したと思われる。
コーラス・グループ部門では1位がパラダイス・キング、2位がザ・ピーナッツ、3位に初代ジャニーズ、4位がスリー・ファンキーズで、初めてジャニーズが男性アイドルグループの先輩格のスリー・ファンキーズより上位になっている。
ちなみに、この時、日本の部で男声歌手1位が坂本九、女声歌手1位が弘田三枝子、外国の部で男声歌手1位がプレスリー、女声歌手1位がコニー・フランシス、ヴォーカル・グループ1位がビートルズ、インストルメンタル・バンド1位がベンチャーズと、錚々たる顔ぶれが名を連ねている。