【西条昇の昭和芸能史研究】北野劇場「ハイティーン・カーニバル ロカビリー」のパンフ | 西条昇教授の芸能史研究

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エンタメ評論家で江戸川大学マスコミ学科教授の西条昇のエンタメな日々。浅草芸能コレクション、喜劇、ジャニーズ舞台、アイドル、お笑い、昭和レトロ、ブラジリアンダンスのランバダなどなど。

大阪・北野劇場で昭和33年2月18日から開催された「ハイティーン・カーニバル  ロカビリー」のパンフ。
この10日前の2月8日から東京で第1回 日劇ウエスタン・カーニバルが開催され、10代の少女たちが〈ロカビリー三人男〉(平尾昌晃、山下敬二郎、ミッキー・カーチス)のステージに熱狂する様子が社会的事件として全国的に報じられたばかりだった。
出演は平尾、山下ほかで、ミッキーは来ていない。
また、当時、北野劇場の専属コメディアンだった佐々十郎、大村崑や藤田まことらが出演し、ショーの何ヵ所かでコントを演じる構成になっている。 
平尾や山下が暴れ回った後で観客の少女たちを前にコントを演じるのはさぞ大変だったに違いないと思い、先ほど大村崑さんに電話して当時のことを伺ってみた。
「いや、コントなんか出来ない。見ないもん。ロカビリーの彼らがエプロンステージに行くとお客さんが引りずりおろそうとするんで、僕は彼らが下に落ちないように引っ張ってガードしてましたよ。代わりに落っこちてボコボコにされたり。何だかお祭りに参加してるような感じで、楽屋に帰ってもクタクタでした」とのこと。
同年4月29日から北野劇場で「ロカビリー旋風」と題したショーが開催され、ロカビリー三人男が揃って出演したが、この雰囲気ではコントは無理と判断されたのか、コメディアンたちは出ていない。