「国語は毎日日本語を使っているから、なんとなく大丈夫だろう」と思っていたのに、模試や実力テストの点数を見ると「思ったより取れていない…」という声を、深谷市の保護者の方からよく伺います。
特に中学受験を控えた小6生と、高校入試が現実味を帯びてきた中3生にとって、2026年度の入試でどんな文章が出るのかは、とても気になるところだと思います。
入試の国語には、「よく出る作家」「よく出るテーマ」が存在し、同じ本や同じ著者の作品が、複数の学校・複数の都道府県で繰り返し使われるのが大きな特徴です。
つまり、出典の「傾向」を早めにつかみ、冬休み前から意識して本に触れておくことで、お子さまの読解力と本番での安心感は大きく変わってきます。
小6生向け:2026年中学受験で読んでおきたい4冊
中学入試の国語では、ここ数年「家族」「友人関係」「学校での居場所」など、子どもたちの等身大の悩みを描いた作品が繰り返し出題されています。 2025年度までの出題実績や分析から、2026年度も同じ流れが続くことが予想されており、特に次の4作品は「中学入試レベルの読解力」を育てるうえで非常におすすめです。
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早見和真『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』…家族それぞれの立場や本音が丁寧に描かれ、「幸せとは何か」を考えさせる物語です。 登場人物の心の揺れを追いかける力や、「問いに対して自分なりの答えを考える力」を養うのにぴったりで、中学入試の物語文で問われやすい読解力そのものを伸ばしてくれます。
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早見和真『アルプス席の母』
…スポーツ観戦を通して、親子の距離感や成長が描かれた物語です。 応援する側・される側それぞれの気持ちを読み取ることで、「複数の視点で読む」練習になり、登場人物の心情把握や記述問題にもつながりやすい作品です。
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佐藤いつ子『透明なルール』
…クラスや学校の中にある「なんとなく守らなければいけない空気」や、目に見えないルールに疑問を持つ主人公の姿が描かれています。 同調圧力やブラック校則といった現代的なテーマは中学入試で頻出であり、実際に多くの学校で出題されていることから、2026年度も採用が続くと予想されています。
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いとうみく『真実の口』…「本当のことを言う」「言えない」というテーマを通して、人との関係や自分の気持ちとの折り合いを描く物語です。 文章の構造がわかりやすく、心情の変化や場面ごとのポイントを追う練習に適しており、国語がやや苦手な子にも手に取りやすい作品です。
これらの本は、いずれも現代の子どもたちのリアルな悩みを扱っており、「自分ごと」として読みやすい点が大きな強みです。 冬休みの読書として楽しみながら、入試レベルの物語文を読む力を無理なく鍛えることができます。
読むときの「チェックポイント」(小6・中3共通)
どの本を読むときにも共通する大事なポイントは、「なんとなく読み終わりにしない」ことです。 保護者の方が声をかける際には、次のような質問を一緒に確認してあげると、入試につながる読み方になります。
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主人公(あるいは筆者)は、最初どんな悩みや問題意識を持っていたか。
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どんな出来事・出会いをきっかけに、考えがどう揺れ動いたか。
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最後には、どのように気持ちや考え方が変化したか。
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段落ごとに「何について書いているか」を一言で説明できるか。
この4つを意識するだけでも、「ストーリーを追うだけの読み」から、「入試で点数が取れる読み」へと変わっていきます。
中3生向け:2026年高校入試で読んでおきたい4冊
高校入試の国語(公立入試)では、人の生き方や家族、仕事観、他者理解といったテーマを扱う現代文が、毎年のように出題されています。 全国の出典ランキングや予想リストを見ても、そうしたテーマの作品が複数県で採用される傾向が強く、2026年度も同じ流れが続くと考えられます。
その流れを踏まえ、彩北進学塾では次の4作品を「高校入試で出題されてもおかしくない本」であり、「出る・出ないにかかわらずぜひ読んでほしい本」として推薦しています。
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高田郁『星の教室』
夜間中学を舞台に、「学ぶこと」の意味や、文字を読めることのありがたさが描かれた物語です。 学ぶ権利や家族・仕事との両立など、多くの公立入試で好まれる社会性の高いテーマが凝縮されており、「人物の背景を踏まえて心情を読む力」を鍛えるのに最適です。 -
青山美智子『チョコレート・ピース』
「やさしさ」「分断」「小さな一歩」といったキーワードがちりばめられた連作短編集で、人と人とのつながりを考えさせられる内容です。 複数の視点で語られる構成は、登場人物それぞれの立場や価値観を整理する練習になり、高校入試の記述問題にもつながりやすいタイプの物語です。 -
瀬尾まいこ『ありか』
家族や居場所、過去の出来事と向き合いながら、自分の「在りか(居場所)」を見つめ直していく物語です。 温かい文体の中に、家族観や自己肯定感といった入試で頻出のテーマが盛り込まれており、「静かながら、読み進めるほど味わいが深くなる」作品で、丁寧に読むほど読解の土台が育ちます。 -
伊与原新『翠雨の人』
科学的なモチーフや自然描写を背景に、人と人との出会いと心の変化が描かれた作品です。 科学・環境など理系的要素を含む物語は、公立入試でも好まれる傾向にあり、「説明的な情報」と「登場人物の心情」を同時に追う練習ができるため、現代文と説明文の橋渡しにもなります。
「予想は予想」それでも読む価値がある
もちろん、ここで挙げた本が2026年度の入試に実際に出るかどうかは分かりませんし、予想が外れる可能性も十分にあります。 しかし、大切なのは「この本がピンポイントで出るかどうか」ではなく、「入試で好まれるテーマ・文章構造に事前に慣れておくこと」です。
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上記の作品は、人物の心情変化や考え方の揺れを丁寧に追う必要があり、設問になりやすい場面が豊富に含まれています。
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中学受験・高校入試で頻出の「家族・友人関係・学び・居場所・他者理解」といったテーマが自然に身につき、「初見の文章」に対しても考え方を応用しやすくなります。
つまり、「当たるかどうかに関係なく、読んでおくことで得をする本」として、自信を持っておすすめできるラインナップです。
深谷市の小6・中3と保護者の方へ:彩北進学塾でできること
深谷市の小学生・中学生は、部活や習い事、送迎の事情などで、「ゆっくり読書の時間をとる」のが意外と難しいご家庭も多いはずです。だからこそ、「何でもかんでも読む」のではなく、「入試に出やすいタイプの本」を絞ってあげることが、保護者にできる大きなサポートになります。
彩北進学塾では、今回ご紹介したような実際の作品や、ちくまプリマー新書をはじめとした新書系の本を参考にしながら、次のような国語指導を行うことができます。
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小6生には、『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』『アルプス席の母』『透明なルール』『真実の口』などを題材に、「心情の読み取り」「記述の書き方」をていねいに指導。
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中3生には、『星の教室』『チョコレート・ピース』『ありか』『翠雨の人』など、高校入試レベルのテーマと文体を持つ作品を取り上げながら、公立入試レベルの設問演習をセットで実施。
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ちくまプリマー新書など、入試で好まれる説明文・論説文の系統を意識した読解トレーニング。
「うちの子にはどの本から勧めればいい?」「読書が苦手だけれど、入試のために何をさせればいい?」といったご相談も含め、個別の状況に合わせた読書計画・国語対策をご提案します。
2026年度の中学受験・高校入試に向けて、この冬の読書と国語対策について気になる方は、ぜひ彩北進学塾までお気軽にお問い合わせください。