「鶴屋吉信」の「落し文」 2024.05.30 | 京都 de 茶の湯 / 西方庵

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京都・嵐山近くで、四季の移ろいを愛でながら茶の湯を楽しんでいる侘び茶人・ 笹峯宗桓のブログです。400年以上の歴史を持つ鹿児島示現流兵法の門友として、鍛練に励んでもおります。

今日のお菓子は、京都の老舗・京菓子司「鶴屋吉信」

さんの「落とし文(おとし ぶみ)」です。

赤楽茶碗(桂窯)で、柳桜園さんの薄茶「常盤の昔」を

点てて、数服いただきました。

例年の「落し文」の説明を引用しますと、

 

「落し文」とはもともと、人目をはばかる手紙や恋文など

を直接手渡しせず、渡したい人のそばに、そっと落として

拾ってもらうというものだったそうです。

 

その目立たないよう丸めて落とされた手紙の形が、

オトシブミという昆虫が、葉っぱを巻いて中に卵を産み、

落した葉の形に似ていることから、付けられた名前です。

白い玉は昆虫の卵に倣ったものです。

 

「落し文」は初夏の季語とされています。

(了)