MARIONETTE- シンドウ
【Cブロック開幕①】
西暦2060年10月16日
Cブロック
日本国防衛軍代表
夢 香織(ゆめ かおり)
坂田 めい(さかた めい)
白峰 和真(しらみね かずま)
黒川 由利(くろかわ ゆり)
上杉 ケンシン(うえすぎ けんしん)
「よっしっあ!行って来るぜ!」
防衛軍に最年少で代表に選ばれた上杉 ケンシンは、将来有望な機動兵士である。武蔵学園最終ランキングで1位となり、そのまま防衛軍に加入。装甲には日輪と三日月の装飾が施されており、戦国時代マニアとしても有名な機動兵士だ。
「やる気があるのは良い事だ。期待してるぞ。」
そこに声を掛けたのは第二歩兵部隊の副隊長である白峰 和真(しらみね かずま)である。白いマリオネットが印象的な長身の機動兵士。白雪色の光学槍(ランス)を操る技量は隊長達と比べても遜色は無い。
「黒川隊員、緊張しているのですか?」
朝から無言の黒川に声を掛けたのは、第二歩兵部隊の隊長である坂田 めいである。
「えぇ、伊集院統括隊長ですら予選を突破出来ない大会ですから、私なんかが代表になっても戦力になれないんじゃないかと。」
「レベル高いわよね、この大会。」
「はい。」
「でもさ、命を取られる訳ではないし気楽なものよ。」
「坂田隊長………。」
「先のヨーロッパ戦線では千人単位の死者が出ているわ。機動兵士が戦争の主体となってからは最大の犠牲者よ。」
「それは…………。」
「シーザー・クレシェフが言った、マリオネットが未来からの贈り物の話が本当だったとしても、私は良かったと思っています。旧兵器による大量殺戮の戦争の時代は終わったのですから。」
「確かに、そうですが。」
「ましてや、この大会は命のやり取りを禁止しています。アレクサンダー将軍は健全な形で戦争を終わらせようとしています。それは素晴らしい事だと、私は思ってますよ。」
坂田は、にこりと微笑んで黒川の背中を押した。
「時間よ、行きましょ。」
予選Cブロックのバトルフィールドは、全体が荒野の平坦な土地である。防衛軍が配置されたのは北側のバトルフィールドで未だ敵の位置は分からない。
「昨日の2回の予選では、いずれも4人の機動兵士になるまで戦闘が繰り広げられた。時間切れによる逃げ切りは無いと思った方が良い。」
「そうですね、しかしポイントは早目に稼いだ方が良いわ。まずは近くの機動兵士を倒してから戦況を見極めます。」
どの国がどこに配置されるのかは遭遇するまで分からないため、運の要素が強い。
「『マリオネット!』オン!」
ギュイーン!
「「「「『マリオネット!』オン!」」」」
ギュイーン!ギュイーン!
ギュイーン!ギュイーン!
現在のところ、ドイツとフランスの機動兵士は予選を突破出来ていない。中華人民共和国は1人が突破したが、やはり強敵はアメリカとロシアである。その2カ国と当たらなければ予選突破の確率は上がる。
ビビッ!
『バトルフィールド中央付近に機動兵士1名。』
『1名…………、Bブロックのアメリカと同じね。アメリカかしら?』
『その可能性は高いと思うわ。おそらく将軍職の機動兵士、避けた方が良さそうね。』
白峰 和真の言葉に反応したのは香織とめいの2人の隊長である。2人の意見は一致しており中央の敵は無視する事になる。
『問題は東西どちらの敵と戦うのか。東の機動兵士はこちらへ向かって来る。西の機動兵士は………、バラバラに動き出したぞ?』
予選は基本的にチーム戦が想定されており、バラバラで行動するメリットは無いと思われる。
『Bブロックのロシア軍も二手に分かれていたわね。』
『チームワークが取れていないのか?』
『わかりませんが、そこも放置しましょう。私達の最初の敵は東の機動兵士よ。』
どのみち相手から向かって来るのだから戦闘は避けられない。ロシア軍でない事を祈るだけだ。
試合開始から五分が経過し、敵との距離は2000メートルまで接近している。
『アメリカとロシア以外なら各自個別撃破します。損傷率が50%を下回った時点で近くの仲間のところまで逃避。数的有利を作ります。』
『ラジャ!』『ラジャ!』『ラジャ!』『ラジャ!』
ババッ!
ザッ!
香織の指示により5人の機動兵士はそれぞれの目標へ向かって走り出した。
ビビッ!
『距離300メートル!』
『どこの国か分かりますか?』
シュバッ!
『!』
ガキィーン!
ビリビリ
『ドイツです!』
ブワッ!
『クロスソード!』
黒川 由利(くろかわ ゆり)の光学剣(ソード)は十字の形をした特別仕様であり、敵の攻撃を受けると同時に攻撃が可能である。
ズバッ!
ビビッ!
『損傷率22%』
『くそ!うりゃあ!』
ビュン!
ガキィーン!
(動きが遅い…………。)
黒川が他国の機動兵士と戦闘をするのは、今回が初めてであるが、明らかに日本の機動兵士よりも遅く感じる。
(ドイツは、機動兵士後進国………、勝てる。)
ズバッ!
ビビッ!
『損傷率48%』
『うわぁあぁぁ!』
ザザッ!
力量の差を感じたのか、相対するドイツ軍の兵士が一目散に逃げ出した。
『え……………。ちょっと。』
これは、全くの拍子抜けである。ヨーロッパ戦線でダメージを受けたドイツ軍の機動兵士は予想よりも遥かに弱い。
(逃げるスピードも速くない。黒い弾丸の異名を取る私から逃げられるとでも…………。)
次の瞬間、黒川の黒い装甲が加速する。直線のスピード速度であれば統括隊長にも匹敵する黒川は瞬時にドイツの機動兵士に追い付いた。
『う!』
『悪いけど、片付けさせて貰うわ。』
『!』
『クロスソード!十字剣!!』
ズバッ!
バシュッ!
『ぐわぁ!』
バチバチバチバチバチバチ!
ドッガーン!
その頃、南西800メートル地点。
『我が名は上杉 ケンシン!尋常に勝負しろ!』
『なに?この日本人…………。』
『安心しろ、痛みは与えない。一瞬で倒してやる。』
『……………機動兵器を装着しているから、もともと痛みは無いんですが、まぁ、反射的に声をあげたりするけど。』
『極楽と地獄、どちらへ行きたい?』
『だから死なないって。この大会、殺しは禁止されてるから。』
『ふん。言いたい事はそれだけか?』
『ええと、戦闘はしないのでしょうか?もしかして、怖いの?』
『!?無礼な奴め!』
ザッ!
『とりゃあぁぁぁ!』
『!』
ガキィーン!
ビリビリ
『ケンシン流奥義!正面斬り!』
『うぉっと!』
ガキィーン!
ビリビリ
『……………。』
『やるな!』
『どこが奥義なんですか?』
『ふむ。俺の技は全てが奥義だ。』
『馬鹿なの?』
『うるせぇ!』
バシュッ!
ズバッ!
『うぉ!?』
ビビッ!
『損傷率48%』
『極楽も 地獄も先は 有明の、 月の心に 懸かる雲なし』
『もはや、何を言ってるのか分からん…………。』
ビビッ!
『ケンシン!何をしている!遊んでいる暇は無いぞ!』
『白峰さん!』
マイクロエコーから白峰 和真の声が届く。
『南から敵が接近して来る!早く片付けろ!』
『ラジャ!』
白峰 和真(しらみね かずま)は、ドイツ軍の機動兵士を瞬殺した後に、白雪色の光学槍(ランス)を構えて敵の接近を待っていた。
(敵は1人……………。中央付近に配置された機動兵士。)
Bブロックの予選では、アメリカ合衆国の機動兵士が1人で参戦し予選を勝ち抜いている。
(おそらく、アメリカの機動兵士。そして、予想が正しければ…………。)
ザッ!
ザッ!
ザッ!
『あら?格好いい機動兵士。日本人かしら?』
(アメリカ合衆国の将軍職!)
白峰の前に現れたのは、アメリカ合衆国の将軍の1人、クリストファー・カレンである。身長はかなり高く長身の白峰よりも更に高い。赤み掛かった長髪は腰まであり、赤い装甲と相まって独特の雰囲気を醸し出している。
『1人で参戦とは、舐めていますね。日本国防衛軍、第二歩兵部隊副隊長、白峰 和真が相手をしよう。』
【Cブロック開幕②】
中央西エリア
『剣技!ハリケーン!』
グルグルグルグルグル!
ズバババババッ!!
『ぐわぁ!』『きゃあ!!』
バチバチバチバチバチ!
ドッガーン!ドッガーン!
シャキィーン!
その男が持つ光学槍(ランス)は、前と後ろに光学兵器の刃が装備されており、その得物を回転させる事により、同時に2人の機動兵士を叩き伏せた。
『これで3人……………。』
深い赤みを帯びた『マリオネチカ』を装着する機動兵士の名はレッドデイヴィス。殺人犯のような鋭い目つきと短髪が特徴的なロシア軍の機動兵士だ。
『次は誰だ?』
『ひぃ!』
『ここはダメだ!逃げるぞ!』
逃げ出したのは中華人民共和国の機動兵士である。5対1で戦闘を挑むも力の差は歴然としており全く相手にならない。
『機動兵士が敵に背を向けてどうする。背中は機動兵士の弱点だ。』
シュバッ!
『!』
グサッ!
『ぐわっ!』
ビビッ!
『損傷率47%』
『雑魚はさっさと消えろ!』
ザクザクザクッ!
『ちょっと!止めろぉ!』
バチバチバチバチバチ!
ドッガーン!
『あと1人…………。』
ザザッ!
『うぉぉ!来るなぁ!』
逃げる中華人民共和国の機動兵士に対して、レッドデイヴィスのスピードは明らかに速い。そして戦意を失った機動兵士など相手にならない。
『剣技!アトミックボム!』
ブワッ!
次の瞬間、レッドデイヴィスの光学槍(ランス)が大きく膨れ上がり巨大な光を放つ。
ビカッ!
バシュッ!!
ドバッ!!
バチバチバチバチバチ!
ドッガーン!
『これで5人………。』
圧倒的な強さで、中華人民共和国の機動兵士5人を倒したレッドデイヴィスは改めてモニターを確認する。
(予選開始から17分経過、少し時間がかかり過ぎた。)
そして、次に目にしたのは、ロシア軍の機動兵士の状況である。
(あぁ?2人倒されている。レッドスコッチの野郎は何をやっているんだ。フランス、ドイツにはロシアに対抗出来る機動兵士はいない。となると対戦相手はイギリスか日本ってところか。)
イギリス連邦共和国レスター隊のレスター・シルビアに対するのは、ロシア連邦共和国の機動兵士だ。
『くそっ!どこから来る!』
シュバッ!
(!)
『ちっ!後ろか!』
シュバッ!
ブルン!
振り向きざまに放ったロシア兵士の光学剣(ソード)は空振りをして。逆にレスターの光学剣(ソード)がロシア兵士に突き刺さる。
ズボッ!
『ぐはっ!』
バチバチバチバチバチバチ!
ドッガーン!
『ふぅ………………。』
すると、そこに金髪の美しい女性シルビアが現れた。
『これは驚きましたぞ。』
クレムリン親衛隊のNo3であるレッドスコッチは予想外の展開に目を丸くした。
『まさか、こんな伏兵がイギリス連邦にいたとは驚きですぞ。レスター・シルビア…………、初めて聞く名前ですな。』
別行動のレッドデイヴィスを除けば、この場にいるロシア軍の機動兵士はレッドスコッチただ1人となり、レスター・シルビアと一騎討ちの様相となる。
(この女の装甲は実に厄介ぞ…………。)
レッドスコッチの武器はステルス性能のある光学鎌(ギロチン)である。高度なステルス技術によりレッドスコッチの攻撃は非常に見えづらい。しかし、驚く事に、レスター・シルビアの装甲はレッドスコッチの武器と同じくステルス性能を備えている。ロシアの機動兵士3人は、見えない敵の攻撃により為す術もなく倒された。
『モード!カメレオン!』
ギュイーン!
第二形態へ移行したレスターの身体が、再びイスラエルの大地に溶け込んで行き、景色と区別が付かない。
(ふむ…………。またしても、消えたか…………。)
今までステルス性の武器で、敵を倒して来たレッドスコッチには、その脅威が手に取るように分かる。
(何らかの対策を考えないと、レスターには勝てないですぞ。)
ザッ!
今のレッドスコッチには対抗策が思い浮かばない。ならば、ここは逃げるに限る。予選を勝ち抜ける機動兵士は4人であり、無理に戦う必要は無い。
(予選の映像を分析すれば、レスターへの対抗手段は見つける事が可能ですな。純粋な戦闘能力であれば私が負けるはずも無い。)
あとはスピード勝負となる。レッドスコッチの『マリオネチカ』は汎用型であるが、クレムリン親衛隊のトップファイブまで上り詰めたレッドスコッチの基礎能力は高い。
ビビッ!
モニターに映るレスターとの距離は、次第に遠くなり追って来る様子は見られない。
(スピード型では無い……………。やはり、スピードは私が上ですぞ。)
ザッ
ザッ
ビビッ!
前方距離500メートルに違う機動兵士の反応が見える。レッドスコッチが向かった方向はバトルフィールドの北側であり、片方の機動兵士がもう片方の国の機動兵士を全滅させた所である。
(さて、勝ったのはどの国の機動兵士であるか。)
ザッ
ザッ
ビビッ!
(あれは確か……………。)
黒髪に薄い桃色の装甲に身を包んだ機動兵士は、日本国防衛軍の機動兵士であり、防衛軍の最高戦力と言われる統括隊長、夢 香織(ゆめ かおり)である。
ビビッ!
『あなたはクレムリン親衛隊のトップファイブの1人…………。』
『私の事を知っているのか?』
『当然です。クレムリン親衛隊は今大会の優勝候補に名を連ねていますから。』
シーザー・クレシェフの片腕にして現在のクレムリン親衛隊のNo3であるレッドスコッチは、過去にアメリカ軍の将軍を倒した経歴を持つ。
ザッ!
ザッ!
夢 香織(ゆめ かおり)……………。
(確か純粋な戦闘能力で戦う機動兵士ですな。)
レッドスコッチが注意する敵は異能の力を持つ機動兵士だ。同じロシア軍のレッドマジシャン、アメリカ合衆国ならクリストファー・カレン、先のイギリス軍の兵士もステルス性能を持つ『マリオネチカ』を装着している点では異能の能力者とも言える。
(日本国防衛軍には注意すべき異能の能力者はいない。私が負ける要素は無いですぞ。)
シャキィーン!
『戦闘開始ですな。』
『望むところです。』
【Cブロック開幕③】
バトルフィールド南エリア
フランス共和国聖戦騎士団のアラン・トルーパーは、モニターにて現時点での戦況を確認していた。
北部に展開していた戦闘は一方が圧倒的な強さで勝利し5人が残っている。そこに中央付近から上昇した2カ国の機動兵士が接近し、これから戦闘になるだろう。中央付近では、どこかの国の機動兵士が全滅し2カ国の2人が勝ち残った。現時点で生き残っている他国の機動兵士は9人。それに対してフランス共和国の機動兵士は5人全員が生き残っている。
(恐ろしいほど順調に経過しているな。)
昨日の予選よりも兵士の減り具合が早く時間切れになる可能性は低い。このまま行けば、他国の機動兵士同士が潰し合いフランス軍の機動兵士は複数名が予選を突破出来る。
(マリア………。まさか、ここまで見抜いていたのか?)
ビビッ!
『アラン、聞こえますか?』
『マリアか…………。』
『1人そちらへ敵の機動兵士が接近中です。敵はイギリス軍の機動兵士です。』
『イギリス?』
(なぜ、わかる…………。)
ビビッ!
『ミーシャ、聞こえますか?アランに一番近い機動兵士は貴女です。至急、応援に駆け付けて下さい。』
『はい!了解です!』
ビビッ!
『ポルフス様、そちらに接近中の機動兵士はロシア軍の兵士です。注意して下さい。彼は1人で中国の機動兵士を撃破しました。相当な手練れです。』
『そうか…………。お前の預言では俺とその機動兵士のどちらが勝つんだ?』
ポルフスの質問にマリアは苦笑いをする。
『そこまでの啓示は有りませんが、念の為にレオンが応援に駆け付けて下さい。数的有利を作りましょう。』
『うむ。世界三大英傑である俺1人では不安か。』
『いえ、そういう訳では………。』
『わかっている。お前の事は信用している。マリア、これからも指示を頼む。』
『ポルフス様…………。ありがとうございます。』
その頃、バトルフィールド北エリア
『白雪の舞!』
シュバババババッ!!
白峰 和真(しらみね かずま)の剣技は、儚くも美しい。流れるような光学槍(ランス)の突きがクリストファー・カレンへと放たれた。
シュバッ!
ガキガキィーン!
ブワッ!
その攻撃を光学剣(ソード)で受け止めたカレンであったが、全てを防ぐ事は出来ずに後方へと飛び跳ねた。
(チャンス!)
『ブリザード!!』
シュバッ!
『!』
バシュッ!
ビビッ!
『損傷率22%』
追い打ちをかける和真の光学剣(ランス)が、ついにはカレンの装甲を捉える事に成功する。
ザザッ!
『今の攻撃は見事です。』
『……………。』
『日本国防衛軍の機動兵士の力量は素晴らしいですね。無名の貴方でさえ、これほどの実力がある。』
『黙っていろ。』
『あら?連れないのね。褒めているのよ。』
『くっ!』
ザッ!
そして、和真は前方へと大きく踏み込み、一気にカレンとの距離を縮める。
す──────
と同時にカレンは左手を広げて和真へと向けた。光学兵器を持っていない、ジャンケンで言えばパーの形を作ったカレンは、そのまま和真の方へと走り出す。
(くそっ!)
『ブリザードォ!!』
それは高速の突きだ。白峰 和真が引き出せる最高速度の突きがカレンに突き刺さろうとした時、白峰 和真の動きがスローモーションのように減速する。
『!?』
和真の攻撃はいとも簡単に避けられ、カレンのカウンター攻撃が炸裂する。
ズバッ!
ビビッ!
『損傷率76%』
(またか!)
『惜しかったわね。もう少しだったのに。』
嘲笑うかのようなカレンの声が聞こえて来た。
(これで3度目だ……………。攻撃を仕掛けた瞬間に動きが減速したような感覚に陥る。いや、本当に減速しているのか…………。)
カラクリが全くわからない─────
ビビッ!
『あら?お仲間が来るようね。面倒なのでそろそろ終わりにしましょうか。』
ビビッ!
『和真!逃げなさい!』
『めい様!』
『その損傷率では、これ以上は無理です!あとは私達に任せなさい!』
『くっ!』
悔しいが、めい様の言う通りだ。
クリストファー・カレンに勝てる展望が見えない。
しかし──────
『めい様!ケンシン!逃げろ!クリストファーとは戦うな!』
『!』『!?』
『俺が足止めしている間に早く!!』
ズバッ!
『ぐほっ!』
ビビッ!
『損傷率!リミット・オーバー!』
『逃げ………………ろ…………。』
バチバチバチバチバチ!
ドッガーン!
『和真!』
ザザッ!
ズサッ!
日本国防衛軍第二歩兵部隊
坂田 めい
上杉 ケンシン
『てめぇ!よくも副隊長を!!』
『持ちなさいケンシン!』
『隊長…………しかし!』
『和真が倒されたのです。貴方1人では勝てません。』
『うっ………。』
アメリカ合衆国将軍
クリストファー・カレン──────
『相手はアメリカ合衆国の将軍です。ケンシン………、2人掛かりで行きましょう。』
夢 香織
坂田 めい
黒川 由利
上杉 ケンシン
ロシア連邦共和国
レッドスコッチ
レッドデイヴイス
フランス共和国
サン・ルヴィエ・ポルフス
マリア・ローラ
アラン・トルーパー
レオン・マックス
ミーシャ・ロザリア