Seventh World 高天原(タガマガハラ)の章


【アバター編①】

無限に広がる大宇宙

その中には、生命体が活動している世界が無数に存在する。


その一角に、突如現れた『化け物』どもは

次々と世界を侵食して行った。



一方『天帝アマテラス』により放たれた『寄生虫』により、ほぼ同程度の世界が崩壊する。

無数にあった世界は二つの勢力により駆逐されつつあった。



『高天原(タガマガハラ)』

この世界は他の世界とは違う異質な世界。


他の世界が自然発生的に生れた事とは対照的に、『高天原(タガマガハラ)』の世界は人為的に作られた世界。


かつて宇宙最大規模の勢力を誇っていた『ラ・ムーア帝国』。その初代皇帝『カール・D・アレキサンドリア』

そして、カールの意志を受け継いだ『天帝アマテラス』

強大な力を持つ二人により『高天原(タガマガハラ)』の世界は創られた。



そこは

死後の世界



『7つの大罪』と呼ばれる『化け物』どもとの戦闘を諦めたアマテラスが、『化け物』どもの力が及ばない世界を構築した。

強力な結界により守られた『高天原(タガマガハラ)』の世界には、『化け物』どもの生命エネルギーの源である『負の感情』が存在しない。

そこに住む住人は、『負の感情』を無くした者達。

怒りも

憎しみも

哀れみも存在しない。


それが『高天原(タガマガハラ)』の世界を『化け物』どもの侵略から守っているとも言える。



しかし

問題点が一つあった。

『負の感情』を持たない『高天原(タガマガハラ)』の世界の住人は戦士になる事が出来ない。

敵を倒す

敵を殺す

と言う感情がそもそも無い為に

戦士としては使い物にならなかった。



確かに『化け物』どもの侵略から守るには『負の感情』を消す方法が手っ取り早い。

しかし同時に、万が一『高天原(タガマガハラ)』の世界が襲われたら、戦士の居ない『高天原(タガマガハラ)』の世界は一溜りも無いであろう。


そこでアマテラスは、広大な『高天原(タガマガハラ)』の世界に、住人とは違う戦士を配置した。

『アバター』と言う名の戦士。

それは、『天帝アマテラス』の分身。

アマテラスは長い年月を掛けて、自らの分身である『アバター』を造り上げた。

世界各地に配置された『アバター』は、主に『アダム』の監視にあたっている。

『アダム』とは、全宇宙から集められた人間の魂を『高天原(タガマガハラ)』の世界に送る装置が設置されている施設。


夢野  可憐(ゆめの  かれん)達『聖なる加護』の戦士達が足を踏み入れた『アダム』の護衛の任務にあたっていた『アバター』の名はバロームと言った。




【アバター編②】

レイヴン・パルテノは言う。

「この『アバター』と呼ばれる戦士達には実態が無いのだ。」

「実態が………無いじゃと?」

聞き返すのは『修羅の世界』の豪傑リュウギ・アルタロス。

「そうだ。アマテラスの分身である『アバター』はアマテラスの身体の一部から創られた紛い物の人間。その数は数千人にも及ぶらしい。」

「数千人……、凄い数ですね。」

リュウギの隣で話を聞くのは『天使の一族』の生き残り夢野  可憐(ゆめの  かれん)。

「おそらく最初は、実態のある戦士であったのだろう。しかし、数が多くなりすぎた。流石のアマテラスも数千人にも及ぶ分身を維持する事は難しい。」

「それで、実態化を諦め精神エネルギーのみの存在となったのですね。私達の攻撃が当たらない訳です。」

シャルロット・ガードナーは戦闘の途中でバロームの異質性に気が付いた。シャルロットのレイピアは間違いなくバロームの身体を貫通した。しかし全く手応えが無い。

精神エネルギーのみの存在となったバロームには、どんな攻撃も当たらない。

「彼等は『監視』をするだけの存在。自ら戦う事も出来ない。戦士としては失敗作だな。」

レイヴンは自嘲ぎみに笑みを浮かべる。

「やだなぁレイヴンさん。バラさないで下さいよ。」

数ヶ月前にレイヴンとバロームは戦闘を繰り広げた。

展開は今回と全く同じ、レイヴンがいくら攻撃を仕掛けてもバロームには通じない。もっともバロームにもレイヴンを攻撃する手段は無い。

『天帝アマテラス』の分身である『アバター』の役目は『アダム』の監視。戦士としての役割は与えられていない。


「それより、レイヴン・パルテノ。あなた………。なぜ新世界ローマ教会の魔導師が、この世界に居るのですか?」

黒髪の美しい戦士 神代  麗(かみしろ  れい)が同じ世界の出身であるレイヴンに尋ねる。

「あなたは、私達の味方なのか。それとも……。」

ボワッ!

真っ赤に燃え盛る不死鳥が麗の背後に現れた。

陰陽師の守護神である霊獣『朱雀』

レイヴンを敵と判断したなら、すぐにでも襲い掛かる様相である。

「あぁ……」

レイヴンは片手を上げて降参の合図をして麗に言う。

「俺も困っているんだ。敵も何も俺はこの世界から抜け出したい。元の世界に戻りたいだけだ。」

もっとも

「!?」

「!!」

「少し手遅れだったようだがね。」

「麗!?」

「可憐!?あれは!」


シュウ……

そこに現れたのは『異空間』への入口。

いや、出口と言った方が正しいのかもしれない。


最初に現れたのは真っ黒い翼を生やした戦士。

そして、白と黒の羽を持つ妖艶な女性。

後ろからは、ピンクの衣装に身を包んだ少女が現れた。

そして、最後に現れた長髪の男がリュウギ・アルタロスを見つけて言い放つ。

「ようこそリュウギ・アルタロス。今日こそ決着を付けようではないか。」

シュウ

シュウ

真っ黒い大蛇が男の周囲を取り囲むように現れた。

「このシリュウ・トキサダ。命に変えてもお前を倒す!!」






シリュウ・トキサダ(左)

リュウギ・アルタロス(右)