MARIONETTE- シンドウ


【Aブロック開幕①】


日本、アメリカ、ロシア、イギリス、ドイツ、フランス、中華人民共和国の7カ国が選手登録をした機動兵士の数は総勢140名。予選はABCDの4つのブロックに分かれて開催される。


1つのブロックには各国5名づつの合計35名が参戦し、バトルロイヤル形式で戦闘が行われ、最後に残った4名が決勝トーナメントに進出出来る。


予選の制限時間は2時間であり、仮に2時間の間に5名以上の機動兵士が残っていた場合は、それまでに敵国の機動兵士を倒した人数の多い国の機動兵士が優先的に決勝トーナメントへ進出出来る。つまり、逃げ回っているだけでは時間切れで予選敗退となる。


Aブロック

日本国防衛軍代表


神坂 義経(かみさか よしつね)

大和 幸一(やまと こういち)

鬼塚 弥勒(おにづか みろく)

御鏡 釈迦(みかがみ しゃか)

木下 阿弥陀丸(きのした あみだまる)


「いよいよ始まりますね。」


「そうですね……。」


羽生 明日香の隣で試合を観戦するのは第四統括隊長の七瀬 怜である。


日本国防衛軍が待機する部屋には、他の国の機動兵士は入る事が出来ない。Aブロックに参加した他の国の機動兵士が誰なのかは、試合に参加している選手が相手国の機動兵士と遭遇するまでは分からない。つまり、現時点では対戦相手が誰なのかは全く不明である。


「『マリオネット』、オン!」


ギュィーン!


「「「「『マリオネット』、オン!」」」」


ギュィーン!ギュィーン!

ギュィーン!ギュィーン!


神坂統括隊長に続き4人の機動兵士が次々と『マリオネット』にシンクロをして行く。


ビビッ!


面前にあるモニターには、同じく敵国の機動兵士の表示が点灯するが、誰がどの国の機動兵士なのかは分からない仕様だ。


『どうするんだ?神坂隊長。』


質問するのは最古参の機動兵士である鬼塚 弥勒(おにづか みろく)である。


『近くの敵から潰すだけだな。』


『ふん…………。同意見だ。』


時間制限がある以上、1人でも多くの敵兵を倒した方が優位に事を進められる。日本の機動兵士達ともっとも近い距離にいる敵は西側の5人だ。


ザッ!


ビビッ!


距離にして37km、予想以上にフィールドが広い。神坂は移動しながら他の国の兵士の動きを確認する。


(やはり、近くの機動兵士同士での戦闘になりそうだな。)  


参戦している国は7カ国であり、一カ国は余る計算だが北西にいる機動兵士だけはスタート地点から動く気配が無い。


(温存作戦か………。おそらく戦闘に自信の無い弱小国、次の獲物は決まったな。) 


ビビッ!


『そろそろ接触する。戦闘は自由で良いんだな?』


『早い者勝ちだ。』


『ふむ。』


鬼塚 弥勒(おにづか みろく)は巨大な光学剣(ソード)を前方に構え、一気にスピードを上げた。


ビュン!


ビビッ!


『目視出来る距離に敵の機動兵士を発見!中華人民共和国の機動兵士だ!』


『ビンゴ!』


グン!


更に加速した鬼塚が光学剣(ソード)を振り上げた。


『うわぁあぁ!?』


慌てた中国の機動兵士も光学剣(ソード)を構えるが既に遅い。


ズバッ!


『ぐほっ!』


(やはり、この程度か…………。)


7カ国の中では中華人民共和国の実力が最も低いと予想していた。他の国が十数年掛けて育成して来た人材も、改良を加えて来た機動兵器の性能も中国には無い。


バシュッ!


ズバッ!


日本国防衛軍、第一歩兵部隊の隊長、鬼塚 弥勒の相手としては未熟すぎる。


ズバァアァッ!


バチバチバチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


『波動剣を使うまでもない。』



ザザッ!


鬼塚に続き、敵と接触したのは同じ第一歩兵部隊の木下 阿弥陀丸だ。 


シュバババババ!


『阿弥陀突き!!』


阿弥陀丸の得意とする光学槍(ランス)による連続攻撃は、一瞬にして装甲の耐久値を削り取る。


『ひぇ!』


バチバチバチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!



日本国防衛軍控室


「今のところ順調ですね。」


「初遭遇の相手が中国なのは運が良かったわね。あの5人なら負ける事は無いもの。」


2人の統括隊長は当然として、第一歩兵部隊の実力は相当に高い。


「七瀬隊長、他の国にも動きがあります。」


明日香が示したのは巨大スクリーンの右側にあるモニターである。ここには機動兵士に装備されているモニターと同じく機動兵士の位置が点灯表示されていた。


(中央付近にある黄色の点灯が次々と消滅して行くのに対し、青い点灯は無傷。かなり一方的な戦闘になっている。)


「ロシア………、もしくはアメリカでしょうか?」


「分かりませんが強敵には違い有りません。中央の敵との戦闘は避けた方が良さそうね。」



【Aブロック②】


バトルフィールド中央付近


『くっ!なんだこいつは!?』


フランス軍の機動兵士が光学剣(ソード)を構えるも、その黒いマリオネットはお構い無しに突っ込んで来る。


『モード!アルマジロ!』


グワン!


ドガッ!


『ぐわぁ!』


ビビッ!


『損傷率73%』


『くそっ!手に負えない!どんな仕組みだ!?』


身体を丸め全身を黒い装甲で覆う姿は、機動兵士の戦い方ではない。光学剣で斬りつけても、手応えが無いどころか逆に吹き飛ばされて損傷を負う羽目になる。


『ふっ!俺の『マリオネット』は全身を黒い装甲で覆う事が出来る特別製だ。』


ゆらりと立ち上がった、マーティン・ロイドが不敵に笑う。


『光学盾(シールド)か?しかし、それでなぜ攻撃出来る!』 


『ああん?お前は馬鹿なのか?光学盾(シールド)は光学兵器だ。ダメージを与えられるのは当然だ。』


『なんだと?』


防御型の『マリオネット』の特徴は光学盾(シールド)と呼ばれる盾を使用するのが特徴である。耐久性に優れている代わりに攻撃力とスピードに劣る欠点がある。


しかし、イギリス軍の科学者は攻撃に必要なエネルギーを攻撃盾(シールド)に振り分ける事により欠点の1つを克服した。


『俺は攻撃兵器は持たない。この全身を覆う鎧が攻防一体の武器となる。鎧の耐久値は平均的な機動兵士の装甲の5倍以上だ。1対1の戦闘なら負けねぇよ。』


『そんな無茶苦茶な…………。』


『モード!アルマジロ!』


ビカッ!


マーティンの身体が黒い装甲に覆われて行く。


『行くぞ!』


ザッ!


マーティン・ロイドの2m近い巨体がフランスの兵士を目掛けて走り出した。


『ちょっ!待て!』


あとは突進あるのみ。非常に単純な戦い方ではあるが、先のロシアとの戦争時には、このやり方でロシア軍兵士を10人以上葬って来た。


ドガッ!


『ぐわぁ!』


バチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


ズサッ!


『こんなものか。』


ビビッ!


『遅かったなロイド。』


『あ?』


ロイドに話し掛けたのは、エレノア隊の副隊長、エドガー・ブランザムだ。


『これでフランス軍の兵士は全滅だ。次へ行くぞ!』


イギリス軍の戦略は、もっとも強い機動兵士をAブロックに集中させて、予選を勝ち抜く事にある。他のブロックの戦力が落ちる分、Aブロックからは出来るだけ多くの兵士を決勝トーナメントへ進めさせたい。


つまり、時間内に全ての敵を倒す事が、エレノア隊の目標となる。


『ブランザム、次はどっちへ行くの?』


そう尋ねるのはエレノア・ランスロット、この部隊の隊長になる。


『西側の戦闘は一方的な展開だ。強敵と見て間違い無い。東側の戦闘は互角の展開か?』


モニターには国名は映らないが、西側では日本の防衛軍と中華人民共和国の機動兵士が戦闘をしている。東側の戦闘は、互いに戦力を消耗し、残された機動兵士は2人と3人。


(行くなら東側だな…………。)


『エリー、次は東へ行く。それで良いか?』


『了解!お任せデス!』


(これでは、どっちが隊長か分からんな…………。)


ブランザムはそう思いながらも、エレノア隊を率いて東側の戦闘エリアへ侵入した。




バチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


『5人目!』


『大和、これで中国の機動兵士は全滅だ!』


神坂は味方の装甲の耐久値を確認する。


(全員損傷率ゼロか、流石だな。)


ビビッ!


『中央の敵は東へ流れた様子。我々は予定通り北へ行くで宜しいか?』


細長い光学槍(ランス)を手に阿弥陀丸が質問をする。


『それが無難だな。』


『戦闘をせずに生き残ろうなど考えが甘い。俺も同意する。』


北の5人を葬った時には東の戦闘も終わっているだろう。おそらく、その国がAブロックでは最大の敵になる。戦闘が開始してから30分が経過したが、残り時間は1時間半もあり、時間切れになる可能性も低い。


『よし!行くぞ!』 


ザッ!


予選Aブロックの戦闘は、西側エリアで中国軍を撃破した日本国と中央エリアでフランス軍を撃破したイギリス連邦が優位に事を進めている。


そして、東側のエリアでは、ドイツ連邦共和国のエースであるジャーマン・ベクター少将が孤軍奮闘をしていた。


『流星撃!!』


ズバッ!


『ぐわぁ!』


バチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


『大丈夫か!ガルシア!』


ベクター少将に助けられたガルシア・オットー中尉が立ち上がり自らの耐久値を確認する。


(損傷率59%……………。)


『少将………、助かりました。』


『油断するな!まだ戦闘は終わっていない!』


先の戦争で大損害を被ったドイツ連邦共和国ではあったが、ベクターは残された機動兵士の中で精鋭と呼べる兵士を集めた。戦略としてはイギリス連邦と同じく、Aブロックに精鋭を集めて勝ち抜けする戦法である。


「お前達の中で大会を勝ち抜ける機動兵士がいると思うのか。」


ベクターの脳裏を過ぎったのは昨日のハンプティ・ダンプティの言葉だ。いくら精鋭を集めたとて、現在のドイツ軍では他国の機動兵士には歯が立たない。


『くそっ!ハンプティめ!』


ベクター少将の活躍で敵の機動兵士を2人倒したが、その間にドイツの機動兵士が3人倒された。残りはベクターとガルシアの2名のみ。


それにしても、相手が悪すぎる────


よりによって、最初に遭遇した敵がロシア連邦共和国、しかも、その中にはクレムリン親衛隊のエースがいる。



────エレナ・クレシェフ



その銀髪の少女は無言でドイツ軍の兵士3人を葬った。


『なんだ、この化物は……………。』


まだ10代前半のガキが、強すぎる。


『少将………、なんですかアレは?両手両足が光ってるぜ…………。』


『あれが奴の光学兵器だ。』


『いや、まさか………。』


『奴は自らの四肢を光学兵器として戦闘をする殺人兵器。ロシア軍が産み出した『化物』だ。』


全局面戦闘白兵戦特化型『マリオネチカ』

────通称『システマ』────


クレムリン親衛隊の中でのランキングは総司令官のテレイサ・トルスタヤに継ぐ2位ではあるが、実質的にはナンバーワンとも言われている。


『今回の大会の優勝候補の大本命だ。全くついていない。』


ビュン!


ビカッ!


エレナの両腕が光り輝き、ガルシア・オットーの懐に潜り込む。


『な!速い!』


バシュッバシュッバシュッ!


光学剣(ソード)も光学槍(ランス)も使わない素手での戦闘に慣れていない多くの機動兵士は、エレナへの対処方法が分からないまま耐久値を削られる。


『少将………すまない…………。』


バチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


『ガルシア!この野郎!』


目の前でガルシアを倒されたベクターは、すかさず光学剣(ソード)を構え必殺の一撃を繰り出した。


『流星撃!!』


これでもベクターはドイツ連邦共和国軍の中では優秀な機動兵士である。スピード型の『マリオネット』から繰り出す一撃で、何度も敵の機動兵士を倒して来た。


バシッ!


『!?』


しかし、エレナはその攻撃を素手で掴む。


『そんな………反則だろう…………。』


クンッ!


超接近戦闘になった時点で、ベクターに勝ち目は無い。


バババッ!バシュッ!


無言で連打を繰り出すエレナの表情には人間らしい感情は見られず、ただ事務的な作業をしているが如く、相手の装甲の耐久値を削り取る。


『化物が……………。』


バチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


そしてエレナは何事も無かったかのように呟く。


『…………………問題無い。』



ビビッ!


『マジか………………。』


エレノア隊の副隊長を務めるエドガー・ブランザムも、その戦闘を見てさすがにドン引きしていた。


『どうするんだ?ブランザム、アレと戦う気か?』


ホワイト・A・チェスターは、エレノア隊の中ではジム・ベスタの27歳に次ぐ24歳のベテランの機動兵士であり、騎士道を重んじる兵士だ。元フェンシングの世界チャンピオンと言う実績を持ち、突きでの攻撃を得意とする。


『他の親衛隊のメンバーが見当たらないな。ロシアは戦力を分散して来たか。』


ブランザムの読みは当たった。


アメリカ、ロシアのような『マリオネット』強国は戦力を分散させて予選に挑んで来る。その方が決勝トーナメントに多くの機動兵士を残せる確率が上がるからだ。


逆にドイツやフランス、中国は戦力を集中させるしか方法が無い。総合力で劣る国が戦力を分散させれば全滅の可能性が高くなる。


イギリスは後者を選んだ。

例えアメリカやロシアの屈強な機動兵士と遭遇しても多人数戦闘なら負けない。エレナ・クレシェフ1人だけなら、エレノア隊の5人で倒す事が出来る。


『行くぞ!俺達ならエレナ・クレシェフを倒す事が出来るはずだ。』




【Aブロック開幕③】


バトルフィールド北エリア


ビビッ!


(南から接近して来る機動兵士が5人………。)


それ以前に5人の敵国の機動兵士を瞬殺した実力から見て、相当の実力者である事が分かる。


アメリカ合衆国の将軍であるアレクサンダー・ルーカスは、黄金の光学剣(ソード)をスラリと構えた。


シリウス・ベルガーにも劣らない高身長に筋肉質な体格と、ハリウッド俳優顔負けの精悍な顔つきは、まさにアメリカン・ヒーローを彷彿させる容貌だ。


(ロシアか…………、或いは日本か。)


ビビッ!


距離にして1km、もうすぐ目視で確認出来る距離だ。


ギン!


(日本国防衛軍…………。右から来るのは、木下 阿弥陀丸と御鏡 釈迦、中央に神坂 義経、大和 幸一の2人の統括隊長、そして左からは鬼塚 弥勒。)


アレクサンダーは大会に参加している全ての兵士を記憶している。名前だけではなく、その戦闘方法や得意とする技、弱点までも把握している。


『厄介な相手だな………。』


(想定していた敵よりもずっと強い強敵だ。一番、厄介な敵は………………。)


そして、アレクサンダーは1人の機動兵士に狙いを定めた。


ビビッ!


『俺は一番左の敵を倒しに行く。他の奴等は頼んだぞ。』


『イエッサ!』『イエッサ!』『イエッサ!』

『イエッサ!』 


『それでは、戦闘開始と行こうか。』


ブワッ!


辺りの土を巻き上げて、アレクサンダーは一直線に鬼塚 弥勒の元へと走り出す。


ビビッ!


『む!』


『ビッグバン・アタック!!』


ズバァ!


ドッガーン!!


アレクサンダーが最初に放った一撃は、シリウス・ベルガーが得意としていた遠距離攻撃であった。


『ぐっ!何が!』


『損傷率33%』


ズサッ!


『貴様ァ!』


『お前が鬼塚 弥勒か、噂には聞いている。』


シャキィーン!


黄金の光学剣(ソード)を鬼塚に向けてアレキサンダーは構えた。


『剣を交えると、相手の動きを封じる波動剣か。なるほど厄介な剣技だな。』  


『なに?』


『他の機動兵士では荷が重い。この俺様が直々に相手をしてやろう。』


『アレクサンダー・ルーカス…………。』


ゴクリ…………。


北のエリアで静観していた国がアメリカ合衆国であったとは予想外だ。しかもアレクサンダー将軍は合衆国の中でもトップの機動兵士。


『お前、1人か?』


鬼塚は周りの様子を見渡してアメリカ軍の兵士を確認する。


『将軍職はお前1人かと聞いている。悪いが日本国防衛軍の選手層は厚い。いくらお前が強くても俺達5人相手に勝つつもりか?』


『なるほど、もっともな意見だ。』


確かに日本国の機動兵士は強い。それはアレクサンダーも認める所だ。


『しかし、合衆国を舐めて貰っては困る。神坂統括隊長、大和統括隊長、お前達の機動兵士にも劣らないメンバーは揃えている。』


『なんだと?』


『合衆国の科学力を侮るな!』




大和 幸一が光学剣(ソード)を振り上げ、敵の攻撃を迎え撃つ。


シュバッ!


『!』


しかし、相手の機動兵士の方が一瞬早く幸一の装甲を捉えた。


ビビッ!


『損傷率18%』


その刹那、金髪が美しい女性兵士の顔がチラリと見えた。


(桜坂 神楽!?)


ズバッ!


『くっ!』


ビビッ!


『損傷率37%』


(速い!このスピードは!)



鬼塚はアレクサンダーの言葉に反応する。


『科学力………だと?』


『ふむ。合衆国の科学力は既に桜坂 神楽(さくらざか かぐら)のクローンの生成に成功している。』


『クローン!?』


『10億人に1人と言われる『マリオネット』適性遺伝子を持つ桜坂 神楽。』


───いや、オリジナル・アリス───


『お前達の相手はアリスなのだよ。生半可な実力では勝てぬぞ。覚悟して挑むが良い!』


『馬鹿な………………。』


アメリカ合衆国が莫大な資金を投入して進める『ALICE PROJECT』による量産型『アリス』。アメリカ合衆国は戦力を分散する必要すら無い。大会に参加している機動兵士は全てエース級の実力を持つ。


アレクサンダーにとって、唯一の懸念は相手の動きを封じる鬼塚の『波動剣』であった。いかにアリスのクローンが強くても、動きを封じられては勝てない。


だからこそ、最初に倒すべきは、鬼塚 弥勒。


『ビッグバン・アタック!!』


シュバババ!!!


『ぐっ!』


ビビッ!


『損傷率63%』


『剣さえ交えなければ、お前は無力だ。シリウスの遠距離攻撃を会得した俺には『波動剣』は通じない。』