MARIONETTE- シンドウ


【プロローグ①】


西暦2060年5月10日.ヨーロッパ大陸と日本およびエルサレムで勃発した連合国とロシア連邦共和国および中華人民共和国との戦争は一時的に停戦となり、機動兵士達はしばしの休息を取る。


アメリカ合衆国の機動兵士を統率するアレクサンダー・ルーカス将軍が提唱した機動兵士による世界大会の結果によっては更なる戦火が勃発する可能性は否定出来ないが、それでも世界各国が停戦に応じたのには理由があった。


──────マリオネット『シンドウ』


現存する機動兵器(パワードスーツ)の性能を遥かに凌駕すると言われる未来最先端のパワードスーツ。西側諸国では『マリオネット』、ロシアでは『マリオネチカ』、中華人民共和国では『傀儡人形』と呼ばれる最新兵器は、それほど魅力のある代物でる。



アメリカ合衆国 ペンタゴン


ヨーロッパ戦線から帰国したマイケル・ゲイリー将軍が足を運んだのは、同じ将軍であるアレクサンダー・ルーカス将軍の個室である。


「おい!ルーカス!いるか?」


ドアのノックもせずに、ゲイリーはルーカスの部屋へと入り込んだ。簡素なソファーと机が置かれただけの執務室である。


「ゲイリー、よく無事で戻って来たな。」 


「そんな事はどうでも良い!世界大会とは何の事だ!」 


「…………何を怒っている。」


アメリカ合衆国の狙いはエルサレムの奪還であり、それは成功したと言える。これにより世界の主導権はロシア連邦共和国からアメリカ合衆国へと移行した。


「最強のパワードスーツだと?合衆国の兵士がシンクロ出来ないなら、そんなものは壊してしまえ!」 


「あぁ、その事か。」


ルーカスは飲みかけの紅茶に再び口を付ける。


「世界大会など馬鹿馬鹿しい。仮に他国に『シンドウ』が奪われたらどうするつもりだ。」


「映像でも言ったはずだ。『シンドウ』には触れる事すら出来ない。どういう仕組みかは分からないが、世界最強の機動兵士のみが『シンドウ』を装着する権利が得られる。そのための世界大会だよ。」


「あんなホログラムの言う事を信じるのか?」


「止むを得ないだろう。それ以外に『シンドウ』を手に入れる方法が思い付かない。」


「ちっ…………。」


ゲイリーはドスンとソファーに腰を掛けルーカスと向き合った。


「ヨーロッパ戦線では、多くの機動兵士に出会ったが、お前が思うほど世界は甘く無いぞ。」


「ほぉ…………。それは興味深い。」


「特にロシア軍のトップクラスの実力は計り知れない。フランスの皇帝ポルフスでさえ苦戦するくらいだ。合衆国に勝算はあるのか?」


「ゲイリー。」


「む?」


「この俺を誰だと思っている。将軍職の中でも最強の地位にある俺に勝てる機動兵士が存在すると思うか?」


アレクサンダー・ルーカス将軍


三大英傑の1人シリウス・ベルガー将軍を1対1の戦闘で破った者はいないとされているが、おそらく、それは間違いだ。アメリカ合衆国の将軍を任命していたのは初代将軍であるシリウス・ベルガーであるが、将軍になるには試験に合格する必要がある。試験内容は、シリウス・ベルガーと1対1の戦闘をして善戦する事である。


バシュッ!


ガキィーン!


『ビッグバン・アタック!』 


『!』


ドガッ!!


『ぐほっ!』


ビビッ!


『損傷率78%』


(強い………………。)


将軍職認定試験を受けるゲイリーが全く相手にならない。


「ほぉ、今の一撃でも耐久値が残っているか。宜しい合格としよう。」


「は?」


意味が分からない。


「シリウス将軍、何を言っている。俺は手も足も出なかった。こんなので合格なのか?」


「マイケル、君には素質がある。それだけで十分だ。」


ゲイリーは愕然とした。これで将軍になったとしても、シリウス・ベルガーとの差は歴然であり、同格の地位についたとは到底思えない。今までに3人の機動兵士が将軍職に就任したが、おそらくシリウスには敵わない。


「降参です、シリウス将軍。やはり貴方は世界最強の機動兵士。貴方に勝てる機動兵士など、世界には存在しない。」


「マイケル、そうでも無いさ。」


「え?」


「この将軍職就任試験でも俺を倒した機動兵士は1人いる。」


「な…………。」


「これで私も心置きなく前線に行けると言うものだ。」


アレクサンダー・ルーカス将軍


(おそらくルーカスはシリウス将軍に勝っている。)


「それともう一つ、我々には切り札がある。」


ルーカスは楽しそうに笑みを浮かべる。


「切り札………だと?」


「入りたまえ。」


「?」


ウィーン


「失礼します。」


「君は……………。」


栗色の長髪をした美しい風貌の女性には見覚えがある。ゲイリー将軍配下の機動兵士であるプロトワンと瓜二つの機動兵士。


「オリジナル・アリス!!」


女性はにこりと微笑みソファーに腰を掛けた。


「サウジアラビア紛争で亡くなったと思っていたが、生きていたのか。」


桜坂 神楽────


シリウス隊の隊員であり、10億人に1人のマリオネット適正遺伝子を持つ女性。


「この度、正式に合衆国の国籍を取りました。今回の世界大会はアメリカ合衆国の代表として参戦予定です。」




【プロローグ②】


中華人民共和国

李 王偉(リ・ワンウ)はモニターに映し出された未来のホログラムを何度も見返していた。


「シンドウか…………。」


滅びたはずの未来の世界で王として君臨する男を見て王偉は違和感を感じずには要られない。


(全く生気が感じられない。こいつ、本当に人間か?)


未来から贈られて来る情報は限られており、その全てを信用するのは危険である。そもそも未来の王であるシンドウが、過去の機動兵士達を戦わせる理由に皆目見当がつかない。シンドウの目的が分からない。


「また、見ているのか王偉。」


「師匠…………。」


王偉に声を掛けたのは、中華人民共和国陸軍の実質的なトップに君臨する機動兵士、張 翔飛(チャン・ツァンフェイ)大将である。


「今回は合衆国にしてやられたな。我々、中華人民共和国の強みは数による人海戦術。世界大会のような戦闘では分が悪い。」


「それは仕方が有りません。我々の「傀儡人形」の歴史は浅い。ロシアやアメリカと比較すれば、兵士としての質が落ちるのは止むを得ない。」


「今回の大会に参加出来る機動兵士は1カ国20名までと決まっている。我が軍の機動兵士の殆どは予選で脱落するだろう。」


「…………そうですね。」


「しかし、優勝を諦めた訳では無い。」


「それは………。」


「お前達がいる。シュリング・カナム師匠の武術は最強だ。シリウス達が亡くなった今となっては、シュリング師匠の教えを受け継いだ機動兵士は、お前達だけだ。」


「師匠………、師匠は参加しないのか?」


「俺はもう歳だからな。現役の機動兵士には勝てないさ。」


機動兵器(パワードスーツ)とは、装着した本人の能力に応じて威力が増幅する戦闘兵器である。つまり、本人の自己鍛錬により強くなる事が出来る。


伝説的な武闘家であったシュリング・カナムに認められた最高の地位を与えられた弟子は4人いた。シリウス、ベガ、アンドロメダ、そして、張 翔飛(チャン・ツァンフェイ)の4人である。他の弟子達が『機動兵器』の開発に夢中になってた頃、翔飛(ツァンフェイ)は、シュリング師匠の武術を自分の弟子達に教え込んだ。


その中でも、シュリング流の武術を極めた3人の弟子達の強さは尋常ではない。


李 王偉(リ・ワンウ)

李 雪麗(リ・シュェリー)

周 劉偉(シュウ リュウエイ)


あとは、機動兵器『傀儡人形』の性能と、それを使いこなす事が出来るかどうか。


「機動兵器の戦闘技術は一通り学んださ。」


サウジアラビア紛争以後、機動兵器先進国であるアメリカと日本で戦闘技術を磨いた桜坂 神楽(さくらざか かぐら)により、徹底的に指導を受けた。


「今回の大会には神楽さんも出るんだろ?楽しみだな。」


李 王偉(リ・ワンウ)の目的の一つは、決勝トーナメントで桜坂 神楽を倒す事にある。


「俺も楽しみだよ王偉(ワンウ)、シュリング流の武術がどこまで通用するか。」


──────お前達なら優勝を狙える



ビビッ!


『シンクロ率100%』


クンッ!


くるくる!


バシュッバシュッバシュッ!!!


『ぐわぁ!』『うぉ!』『どわっ!』


バチバチバチバチバチバチバチバチ!!


ドッガーン!ドッガーン!ドッガーン!


『ふぅ…………。』


中華人民共和国北部出身の李 雪麗(リ・シュェリー)は、年齢が17歳の小柄な兵士である。彼女の特徴はヌンチャクを模した独特の光学兵器、光学双節棍(ヌンチャク)にある。


「さすがだな、雪麗(シュェリー)、3人相手でも瞬殺とは恐れ入る。」


劉偉(リュウエイ)、見てたのですか。」


「気持ちが高ぶるのは分かるが、ほどほどにしておけ。明日には出発するぞ。」


「明日………、大会まであと3日ですね。」


「マリオネット大国のロシアにアメリカ、世界中から強力な機動兵士が集まる。俺達にとっては未知の世界だが………。」


「見せてあげましょう。中華人民共和国の機動兵士の実力を!」



【プロローグ③】


イギリス ロンドン


ロシア軍に領土の大半を占領されたフランス共和国とドイツ連邦共和国の機動兵士達は、イギリスのロンドンに避難していた。中でもフランス軍の損害は大きく、無事にロンドンへ辿り着いた機動兵士の数は37名と戦前の1/10にまで減少し、多くの機動兵士が戦死をするかロシア軍に投降していた。


(酷いものだな…………。)


エドワード・ルイ四世は、ぐるりと仲間の機動兵士達を見回し嘆息する。残された機動兵士の中で精鋭部隊と呼べるのは聖騎士団の3人くらいで、他は平均レベルの一般兵ばかりだ。アメリカ合衆国の提案による停戦協定が結ばれなければ、現状はもっと悲惨であっただろう。


(しかし、20人の機動兵士か……………。)


現在のフランス軍には、世界大会に参戦する機動兵士を揃えるのも難しい。雑兵ばかりの軍隊では予選を突破する事すら叶わない。決勝トーナメントに勝ち残れる機動兵士など………。


「浮かない顔ですね。エドワード副司令官。」


「マリア…………。」


皇帝ポルフスが作り上げた聖騎士団の副団長であるマリア・ローラは、フランス共和国にとって唯一の希望と言える。非力ながら、卓越した動体視力と反射神経で国内大会では無敗を堅持。アイドルさながらの可愛らしい容姿も相まってフランス国民の人気も高い。しかし、マリア1人では予選を通過する事は出来ない。今回の世界大会の予選は、4つのブロックに分かれたサバイバル戦だ。予選では自国の兵士が協力してのチーム戦になる。


「この戦力ではフランスは勝ち抜く事は難しい。大会の辞退も考えている。」


「それは、困ります。」


エドワードの提案をマリア・ローラは即座に否定した。


「これは神が私達に与えたチャンスですのよ。」


「チャンス?」


「ふふ、そうでしょう?あのまま戦争を継続していたらフランス共和国は降伏していました。それは、つまり、ノーチャンスです。」


それは、確かに最もな意見である。しかし、今の状態がチャンスと思えるほどエドワードは楽観主義者ではない。


「勝てる見込みがあるとでも言うのか。」


思わずエドワードはマリアに質問したが、フランス軍のトップが口にする言葉ではない。


「もともとフランスは『マリオネット』後進国です。総力戦ならノーチャンス。フランス共和国にとってチャンスがあるとしたら、それは………。」


─────個人戦です。


まるでゲームでも始めるかのように、楽しそうにマリアは微笑んだ。


「今回の大会の本戦は個人戦によるトーナメント方式ですのよ。1対1の戦闘ならポルフス団長は負けませんわ。」


「ポルフスだと?」


「もちろん私にもチャンスはある。勝利の女神は気まぐれなんですよ。」


この緊張感の無い笑顔は、とても敗戦した国の兵士とは思えない。どうすれば、今のフランス軍に希望など見出す事が出来ると言うのか。


「ポルフスは昏睡状態だ。3日後の大会には間に合わない。」


エドワードは現実主義者であり、マリアの言葉を否定する。


「そうでしょうか?」


「なに?」


「知っていますかエドワード副司令官。『マリオネット』には精神力を増幅する機能があるのです。」


「精神力?」


そんな事は百も承知だが、それが何だと言うのか。


「神に祈るのですよ。シンクロ状態で神に祈ればポルフス団長は必ず目覚めます。」


「何を馬鹿げた事を…………。」


「奇跡とは偶然に起きるものでは有りません。神が私達を見捨てる事は有りませんよ。」


「マリア…………お前…………。」


救国の戦士、ジャンヌ・ダルクは農家の娘にすぎなかった。しかし、彼女の言葉には不思議な力があり、実現不可能な奇跡を次々と起こし、ついにはフランスを救ったと言われている。


「最後に勝つのは、神に祝福された者でしょう。」


そして、マリアは預言する。


「ポルフス団長を選手登録して下さいね。団長が目覚めるのは大会の前日です。これは神の啓示ですわ。」



【プロローグ④】


フランス共和国の機動兵士が宿泊する施設の隣には、同じくヨーロッパ大陸から逃げ延びたドイツ連邦共和国の機動兵士達が待機していた。


「余計な口を出すなハンプティ!正規の軍隊を追われたお前に出る幕は無い!」


怒声を浴びせたのは、ドイツ連邦共和国陸軍のジャーマン・ベクター少将である。ロンドンへ逃げ延びた機動兵士の中ではもっとも位の高い機動兵士だ。


「ベクター少将、貴方は祖国の現状を分かっていないようだ。」


「なんだと?」


「今回の大会で優勝を逃せば、ドイツはロシアの領土になるぞ。お前達の中で大会を勝ち抜ける機動兵士がいると思うのか。」


「貴様ぁ…………。我々の軍隊を愚弄するか!」


ロンドンへ逃れた機動兵士の人数は88名。フランス共和国よりはマシではあるが、それでも大きく戦力を消耗したのには変わりない。


「ふん。目の前で戦わねば分からないか。」


「なに?」


「機動兵士の戦闘は実力が全てだ。模擬戦で決着をつけよう。」


「くっ!ガルシアはいるか!」


ベクター少将が呼んだのは、ドイツ連邦共和国の機動兵士であるガルシア・オットー中尉である。階級は低いが、先のヨーロッパ戦線では3人のロシア軍兵士を葬った成長株で、ロンドンに避難した機動兵士の中では実力上位の機動兵士だ。


「『グリム』行けるか?」


「ちっ!俺かよ…………。」


グリムは不満そうに舌を鳴らした。


ハンプティ・ダンプティの要求は『アリス細胞』被験者である3人の機動兵士を大会に出場させる事だ。10億人に1人と言われる『機動兵士』に適した細胞を持つ3人の被験者達。シャルロッテ・ファナシス、グレーテ・カイザー、グリム・パトスが出場すれば優勝を狙えると主張する。


(まぁ、シャルロッテもグレーテも、俺よりは歳上で『アリス細胞』適合者としては先輩にあたるからなぁ………。仕方がねぇか。)


グリムは赤毛のボサボサ頭を掻きながらガルシアの前に躍り出た。


「子供……………子供だと?」


年齢的には15歳程度で身長も低い。身体を鍛えている様子も見られない。


「ベクター少将…………、こんな子供と戦えと言うのか?」


「俺に言うな。さっさと終わらせろ!」


ドイツ連邦共和国の機動兵士同士の戦いは、1対1の模擬戦闘スタイル。先に相手の装甲の耐久値を削り取った方が勝ちとなる。


「『マリオネット』、オン!」


「『マリオネット』、オン!」


ギュィーン!ギュィーン!


かつて、ハンプティ・ダンプティはドイツ連邦共和国軍の中でも最高の科学者として高い地位を与えられていた。しかし、育てた機動兵士の中にロシア軍のスパイであるヨハン・ボルチノが潜入していた事が発覚し責任を問われ正規軍から追放された。


『小僧…………。掛かって来い。』


『アリス細胞』の研究には莫大な金が掛かる。資金源が絶たれ、細々と研究を続けていた時期に出会った少年がパトスと名乗る少年であった。


『良いのか?隙だらけだぞ。』


『なに?』


戦争孤児として早くに両親を失ったパトスは生きる為に大人達の顔色を伺う事を覚えた。相手が何を考えているのか。何を望んでいるのか。次にどう行動するのか。


機動兵器『マリオネット』には、その人間が持つ能力を増幅させる機能が備わっている。特に人間の心情や些細な動きに敏感な能力を持つ機動兵士は、少し先の未来が見えると言われている。


ビュン!


無造作に振り上げられたグリムの光学剣(ソード)を、ガルシアは自らの光学剣(ソード)で防御するが、グリムの剣は相手の剣の軌道をするりと潜り抜けた。


バシュッ!


ビビッ!


『損傷率22%』


『ぐ…………。』


洞察力に優れた機動兵士は、実は他にも確認されている。3年前、シャルロッテ・ファナシスが参加した日本の高校の大会にも洞察力特化の機動兵士は参加していた。


『どうした?まだ本気を出していないぜ?』


『貴様……………。』


しかし、洞察力に優れた機動兵士の殆どは機動兵士としては大成しない。理由は簡単で、そもそも機動兵士としての能力が欠落しているからだ。


シンクロ率が上がらない。運動神経が劣っている。反射神経が鈍い。理由は様々であるが天賦の才能を1人の人間が複数持つ事は稀である。


しかし例外は存在する。


ビュン!


バシュッ!


『ぐっ!』


ビビッ!


『損傷率42%』


『くそっ!ガキがぁああ!!』


シュバババ!!


ガルシア・オットーの反撃が始まった。生き残ったドイツ連邦共和国軍の機動兵士の中では、若くて素質もあり、実力もかなり高い。しかし、グリム・パトスにガルシアの攻撃が当たる事は無い。


(相手の攻撃の軌道が、手に取るように分かる。)


ビュン!


シュバッ!


ガキィーン!


『あんた………本気でやってる?』


『なんだと!?』


ハンプティ・ダンプティがグリム・パトスに語った事がある。


「グリム、お前の能力は天性のものだ。そして『アリス細胞』の適合者でもある。」


「急にどうしたんだ?」


「機動兵士としてのポテンシャルは、世界最高レベルだろう。お前が私の前に現れたのは奇跡とさえ思える。」


「あ?照れるから止めろ。」


「しかし、今のお前ではキティには勝てない。お前に必要なのは経験だ。経験さえ積めば、お前は世界最強の機動兵士になる素質がある。」



『うぉおぉぉお!!』


ガルシアの攻撃をグリムは軽くいなし


ズバッ!


カウンターの一撃を打ち込んだ。


ビビッ!


『損傷率85%』


『ハンプティさんよ。これが経験になるのか?』


シュバッ!


『ぐわっ!』


バチバチバチバチバチバチバチバチ!


ドッガーン!


シャルロッテ・ファナシス

グリム・パトス

そして、グレーテ・カイザー


世界でも十指に入る才能を持つ機動兵士を3人も手に入れた。マリオネット大国であるアメリカ合衆国やロシア連邦共和国とも互角に渡り合える逸材だ。


「ベクター少将…………。」


「ハンプティ。」


「今回の世界大会、ドイツ連邦共和国が、、」



───────世界を取るチャンスだ