第一部

MARIONETTE-怜

パワードスーツ、ロシア軍が開発したとされる超兵器。西暦2047年のゴラン高原の戦場にて初めて実践投入されたパワードスーツはそれまでの戦争の常識を一変させた。迫撃砲から爆撃機の爆弾、ミサイルによる攻撃まで、あらゆる物理兵器の威力を無効化するパワードスーツは近代戦闘に於いて抜群の威力を発揮しロシア軍は世界の戦場で破竹の快進撃を続けていた。対する西側諸国は奇跡的に入手したパワードスーツを分析し模倣する事に成功する。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツがパワードスーツの開発に成功し、日本もまたパワードスーツの製造を開始した。

通称『マリオネチカ』、英語名『マリオネット』、それが次世代兵器と言われる機動兵器の呼び名として定着してから数年。日本では『マリオネット』を装着する兵士の育成の為に2つの特殊学校を設立する。『大和学園』と『武蔵学園』、高等教育として国家予算にも匹敵する莫大な資金を投入して創られた2つの学園には日本全国から選ばれた兵士候補生が通う事となる。

時に西暦2057年、武蔵学園2年A組に所属する七瀬  怜(ななせ れい)は学園歴代最高記録となる模擬戦でのAI.26機を撃破し一躍脚光を浴びる。怜の活躍により、それまで学年別に行われていたクラス対抗戦は全学年合同で開催される事になり、怜の所属する2年A組は3学年を含む全学級からマークされる事となる。クラス対抗戦は、その年の個人戦で優勝した神坂  義経(かみさか よしつね)が率いる3年C組、優勝候補筆頭とされる最強軍団の3年A組、2年生ながら女王と称される東峰  静香(とうみね しずか)の2年C組を始め、多くの生徒達が激戦を繰り広げ戦闘は続いて行く。しかし、その影には防衛軍の幹部に繋がる武蔵学園経営側の陰謀が渦巻いていた。

純白の花嫁と称される白い『マリオネット』を操る七瀬  怜(ななせ れい)は果たして勝ち残る事が出来るのか。そして、陰謀の行く末はどうなるのか。MARIONETTEシリーズ第一弾、怜と武蔵学園の生徒達によって紡がれる最初の物語。ここから伝説が始まる。




【登場人物①七瀬 怜(ななせ れい)】

武蔵学園に通う女子高生。元イスラエルの大使であった父親がロシア軍のエルサレム侵攻の際に新兵器であるパワードスーツを装着したロシア軍兵士に殺された過去がある。世界の平和を願う怜は自ら『マリオネット』を装着して戦う道を選んだ。折れてしまいそうな華奢な身体と長い黒髪が特徴的な女子高生であるが『マリオネット』を装着すると驚異的な強さを発揮する。純白の花嫁と呼ばれる怜の『マリオネット』はシンクロ率と怜の感情に応じて真っ赤な曲線が浮かび上がり、限界を突破すると深紅色に染まる。攻撃力の低いフルーレと呼ばれる二本の光学剣(ソード)を武器とし、速く正確な攻撃で敵を倒して行くのが特徴。模擬戦に於ける無人戦闘機(AI機)26機撃破は武蔵学園歴代最高記録である。怜が高校2年生の時にクラス対抗戦が全学年対象となったのは怜が強過ぎたからだと言われており、実際の大会でも怜が所属する2年A組は決勝戦まで勝ち進んだ。学校関係者のみならず防衛軍の幹部からも一目置かれており、武蔵学園に所属した歴代生徒の中でもトップクラスの実力者と言われている。


【登場人物②東海林 正人(しょうじ まさと)】

本名、神崎 マサト、双子の兄弟である神埼 ヒロトは防衛軍の『強制シンクロ実験』による脳への負荷に耐えられず死亡したが、父親である神崎 秀人はその実験を正人に強制的に引き継がせた。正人が装着するマリオネットは蒼い装甲の流線型と呼ばれる特別仕様で強制シンクロ装置が内蔵されている。シンクロが発動した時の正人は鬼の如き強さを発揮するが脳への負担から長時間の活動は出来ず、本人は極力シンクロを避けるよう努めている。転校して配属されたクラスは2年A組で神崎 ヒロトが在籍していてクラスでもある。


【登場人物③高岡  咲(たかおか さき)】

怜と同じクラスに在籍する女子高生で怜の親友でもある。明るい性格で、スピード型のマリオネットを操れば学年でも上位の速さを誇る。怜と共に戦ったクラス対抗戦で急成長し、最終的な学年ランキングでは上位に位置するまでとなった。


【登場人物④進藤 守(しんどう まもる)】

2年生当時、学年ランキング3位の実力者で2年A組のリーダー的存在でもある。実力者としては珍しく耐久型のマリオネットを装着し、ガードフレイムと呼ばれるシールドを駆使しながら戦うのが特徴。


【登場人物⑥紫電 隼人(しでん はやと)】

最速最強を豪語する3年A組の実力者。3年時の個人戦では決勝で破れ準優勝に終わるが、クラス対抗戦ではクラスのエースとして活躍し優勝に貢献した。スピードに特化した独特の戦闘スタイルは他に比類するものがなく、隼人のスピードに付いて行ける兵士は防衛軍にも殆ど居ないと言われている。黒いマリオネットに刻まれたナンバリングは『2』。


【登場人物⑦金剛  仁(こんごう じん)】

3年A組のキャプテンにして、最強軍団を統率する実力者。巨大なクレイモアと呼ばれる光学剣(ソード)は全ての武器の中でも最高レベルの威力を誇る。巨漢から繰り出される攻撃は圧巻で風力だけで相手を吹き飛ばす事もある。仲間からの信頼も厚くチーム戦に於ける作戦の指示は殆ど金剛が行い頭脳も明晰である。マリオネットに刻まれたナンバリングは『1』。


【登場人物⑧東堂  綾(とうどう あや)】

黒いマリオネットを操る最強軍団のNo3。スピード型のマリオネットを操り先制攻撃を仕掛ける実力者。黒い軍団の紅一点でもある。3番手と言っても実力は相当なもので、紫電 隼人との連携攻撃を防げる者は少ない。刻まれたナンバリングは『3』。


【登場人物⑨神坂  義経(かみさか よしつね)

深緑兵士(ダークグリーンソルジャー)の異名を持つ最強の兵士。対人戦全勝無敗を誇り3年時の個人戦では紫電を倒して優勝している。甘いマスクと琥珀色の髪を持つ美青年であるが、戦闘となれば天賦の才を発揮して、抜群の身体能力と反射神経で相手を薙ぎ倒して行く。自他共に認める天才機動兵士である。所属は3年C 組。


【登場人物⑩東峰  静香(とうみね しずか)

武蔵学園副理事長の娘であり、2年C組に所属する女子高生。クラスメイトからは女王と呼ばれ静香を敬愛する親衛隊まで存在する。実力も相当に高く怜とは学年ランキング首位を争う間柄。クイーンズ・ナイトと呼ばれるピンクサファイアの『マリオネット』は中世の騎士を彷彿させる外観であり、その大きさとバックパックから繰り出されるレーザー光線は他の『マリオネット』とは一線を画す。


【登場人物⑪遠藤 剣(えんどう けん)】

対人戦闘に絶対の自信を持つ3年E組の生徒。その『マリオネット』は見るものを魅了する白銀竜騎兵(シルバードラグーン)と呼ばれる白銀色のマリオネットで、光学槍(ドラゴン・ランス)を武器に戦闘を行う。同じ3年生の神坂とは親友で互いに実力を認め合うライバルでもある。


【登場人物⑫エレノア・ランスロット】

イギリス連邦からの留学生で『マリオネット』先進国であるイギリスのジュニア大会で2連覇を果たした実績がある。若干13歳で有りながら武蔵学園のトップランカーと肩を並べる実力者、愛用する『マリオネット』はイギリス本国から送られた最新鋭のモデル『一角獣(ユニコーン)』であり驚く事に短時間の空中飛行が可能である。なぜか怜に懐いている。


【登場人物⑬吉良   光介(きら こうすけ)】

防衛軍の幹部を父に持つ3年A組の生徒。イギリスハイスクールのトップランカーを相手に対人戦で勝利を収めるなど実力は相当に高いと思われるが高校ではその実力を隠している。『化物』とも『救世主』とも言われる異名から普通では無い事は確かであるが、本作品ではその能力は語られていない。




第二部

MARIONETTE-アリス

西暦2052年、ドイツ連邦で発見された10億人に1人の遺伝子を持つ少女『アリス』が行方不明となった。『アリス』の『マリオネット』に対する適性は他の追随を許さず、『マリオネット』初心者であるにも関わらず百戦錬磨のロシア軍の『マリオネチカ』を撃退した記録が残っている。都市伝説とも言われる『アリス』の存在、『アリス』は生存しているのか。それが第ニ部の主要テーマとなる。

西暦2057年日本。日本の機動兵士養成学校である大和学園に、一人の天才が現れた。栗色の髪をした少女、桜坂 神楽(さくらざかかぐら)は大和学園の生徒達の中でも群を抜いた実力者で光学鞭(ウィップ)と呼ばれる独特の武器で他の生徒達を圧倒する。その実力に目を付けたのがドイツ連邦共和国の特殊部隊であった。コードネーム『ハンプティダンプティ』を名乗る男は部下である2人の兵士を引き連れて大和学園のクラス対抗戦に名乗りを上げた。

一方、同時代の2年生は大和学園最強世代とも言われる実力者揃いで、特に北条 帝(ほうじょう みかど)、須澄ありす(すすみ ありす)、大和 幸一(やまと こういち)を擁する2年B組は学年ランキングトップを独占するほどの実力者揃いであった。自称最強を自負する6人は妥当桜坂を目指してクラス対抗戦に殴り込み、その実力を遺憾なく発揮し次々と他クラスの兵士達を倒して行く。そんな中、2年B組の主力メンバーの一人、須澄  ありすと桜坂 神楽が学校の校庭ですれ違った時に事件が起きる。2人の意識が同時に飛び意識不明となったのだ。犯人はドイツ連邦共和国かそれとも他にいるのか真相が解らないままに大会は進んで行く。自称最強を名乗る2年B組の生徒達は、果たして優勝する事が出来るのか。シリーズ第一作品である『MARIONETTE-怜』の物語と同時期に起きたもう1つの物語。君は最強の兵士を知る事になる。




【登場人物①大和 幸一(やまと こういち)】

2年B組に所属する自称最強メンバーの一人。物語のヒロインである須澄  ありすとは中学時代からの同級生である。自身の名前である大和に誇りを持ち戦艦大和を愛する好青年。戦艦大和を彷彿させる鋼色の『マリオネット』を装着し敵陣に突っ込む特攻隊長的な役割を持つ。腕と身体を回転させて繰り出すバスタード・キャノンは抜群の威力を発揮し多くの強敵を屠って来た。大会時点での2学年でのランキングは3位であるが、熱意と正義感から来る精神力は他の生徒を圧倒しその実力は上位2名と遜色が無い。


【登場人物②須澄  ありす(すすみ ありす)】

2年B組の主力メンバーで、栗色のショートボブが似合う本作品のヒロインである。パステルブルーの『マリオネット』を操り俊敏な動きで相手を翻弄する。得意技は目にも止まらない速さで繰り出す3連撃(トリプルスマッシュ)で、被ダメージ率も少なく安定した強さを誇る。また、神楽との出会いにより封印された記憶が蘇り本来の自分を取り戻して行く終盤では桜坂 神楽にも匹敵する能力を発揮する。学年ランキングは2位。


【登場人物③北条 帝(ほうじょう みかど)】

2年生ながら大和学園の個人戦でベスト4に進出した実力者。個人戦で負けた桜坂 神楽を倒す為に研鑽を惜しまない努力家でもある。背が高くイケメンの好青年であるが、須澄  ありすに恋する一面もあり、大和とは良いライバル関係にある。2年B組の立ち位置は絶対的エースであり、高身長から繰り出す破壊神の槍(オーディンズ・ランス)の一撃は学園最強レベル。学年ランキングは1位で防衛軍の幹部からも注目されている。


【登場人物➃斎藤 睦月(さいとう むつき)】

2年B組に所属する天才的なオタク。自らの『マリオネット』を魔改造して作り上げた『破裂の人形』は機動兵士の戦闘での常識を打ち破るガードフレイム砲を標準装備しており、遠距離攻撃の連射を可能とした。


【登場人物⑤中森 灯夜(なかもり とうや)】

2年B組の影の実力者で、B組躍進の立役者でもある。産まれながらの虚弱体質で低視力、戦闘をすれば最弱の部類に入るが、灯夜の真の力はその洞察力にある。マリオネットによって強化された洞察力は未来予知をも可能とした。


【登場人物➅矢吹  夏樹(やぶき なつき)】

2年B組をまとめるムードメーカー。耐久型のマリオネットを操り堅実な戦いを得意とする。他の5人と比べ目立たないが学年ランキングは4位と実力は高い。


【登場人物⑦桜坂 神楽(さくらざか かぐら)】

第二部のもう一人のヒロインで物語の中心人物でもある。栗色の髪と深いブルー系統の装甲は須澄  ありすと似ているが、その性格は冷静沈着でクールな印象を受ける。他の生徒が使わない光学鞭(ウィップ)を使いこなし、3学年時の個人戦では圧倒的な強さで頂点に輝いた。同時代に現れた武蔵学園の生徒である七瀬 怜(ななせ れい)と同じ無人戦闘機(AI機)26機撃破は大和学園の最高記録であり、大和学園歴代最強との呼び声も高い。


【登場人物⑧不知火  詩音(しらぬい しおん)】

不知火流抜刀術の使い手で3年A組に所属する武術の達人。3年時の個人戦の決勝では神楽に唯一傷を負わせた実力者でもある。ゴールド・オブ・コンゴウ(黄金の金剛神)と名付けられた黄金のマリオネットから繰り出される様々な技はどれもが一級品で、相手は殺られた事すら感じる前に倒されていると言う。


【登場人物⑨榊原   望愛(さかきばら のあ)】

不知火と同じく不知火流抜刀術の使い手で同じ3年A組に所属する。マリオネットは不知火と同じゴールド・オブ・コンゴウ(黄金の金剛神)を装着するが若干仕様が違い不知火はモデル・阿形(アギョウ)、望愛はモデル・吽形(ウンギョウ)と呼ばれている。2人が同時に放つ必殺技『仁王神の気迫(ヴァジュラダラ)』を前に立っていられる兵士は居ない。


【登場人物⑩シャルロッテ・ファナシス】

ドイツ連邦共和国の軍人で『アリス』捜索の為に送り込まれたスパイ、コードネームは『キティ』。金髪の可愛らしい少女であるが、その実力は高校生レベルを遥かに越えている。ドイツ軍が密かに開発した『アリス細胞』によるクローン兵士(アリス細胞保持者)の一人で、拒絶反応を起こさずに成功した2人のうちの1人。


【登場人物⑪ヨハン・ボルチノ】

シャルロッテと同じくドイツ連邦共和国から送られたスパイ。シャルロッテがスピード型なのに対してヨハンは攻撃型の戦闘を得意とし、その腕力は他の追随を許さない。コードネームは『アリス』を破壊するもの『ジャバウォック』。『アリス細胞』のクローン兵士(アリス細胞保持者)。



第三部

MARIONETTE- 凛

西暦2057年、大和学園クラス対抗戦の決勝戦にて2年B組と桜坂 神楽(さくらざか かぐら)の死闘の果てに現れた2人の『アリス』。都市伝説とも言われていた金髪の少女『アリス』の出現に世界は衝撃を受ける。アメリカ合衆国が手を打ったのはその1ヶ月後、イギリス連邦とフランス共和国との連合軍を結成し同盟国である日本に宣戦布告をする。目的は『アリス』の捕獲であった。

対する日本国防衛軍は『アリス』の保護と同時に連合軍への反撃を試みる。中心となるのは防衛軍の最高戦力である5人の統括隊長達。戦闘の中で第四統括隊長の隼田  一平(はやた いっぺい)が戦死するも戦況は防衛軍が有利に進めていた。2人の『アリス』の捕獲を諦めたアメリカ軍のマーズ将軍は狙いをロシア軍の捕虜であるヨハン・ボルチノの捕獲へと切り替える。マーズ将軍は見事にヨハンを捕獲するも、そこに新たな敵が出現した。ロシア軍の精鋭部隊であるデストロイ部隊の登場である。彗星のアンドロメダの指揮下にあるデストロイ部隊の兵士の実力は凄まじく、防衛軍第三統括隊長である後藤   志久真(ごとう   しぐま)が戦死、アメリカ軍のマーズ将軍も戦死するなど日米ともに被害は拡大していった。その時、危機を察知した一人の少女が戦場へ向かう。彼女の名前は篠原  凛(しのはら りん)。漆黒の『マリオネット』を装着する盲目の少女である。

第一部と第二部は武蔵学園と大和学園を中心とする学園内での物語が中心であったが、第三部の主役は防衛軍の統括隊長達である。第一統括隊長の伊集院  翼(いじゅういん つばさ)、第二統括隊長の天道   慎(てんどう   しん)、第五統括隊長の夢 香織(ゆめ  かおり)、そして、第ゼロ統括隊長の篠原  凛(しのはら りん)。彼等は本物の戦場で戦い負ければ命を落とす宿命にある。世界でも最高峰の機動兵士達が揃った戦場を見届けるのは、アメリカのマリオネットマスター、シリウス将軍とデストロイ部隊の隊長アンドロメダ。二人は15年前に聖地エルサレムで『マリオネット』の秘密を知った仲間でもある。究極の生命体である『ソドム』まで登場し勝負の行方は全く分からなぬまま最終局面を迎えた時、篠原  凛は何を感じたのだろうか。マリオネットシリーズ第三部では世界最高峰の戦いを目撃する事になる。




【登場人物➀篠原 凛(しのはら りん)】

13歳にして身体の成長が止まり歩く事すらままならない盲目の少女は、『マリオネット』を装着した時だけは生きている実感があった。防衛軍のマリオネット適性検査の判定はAAA(トリプルエー)。これは第一統括隊長である伊集院 翼をも上回る歴代最高の数値であった。マリオネットと一体化した戦闘は凄まじく黒いマリオネットを装着する外観と激しい戦いぶりから付けられた異名は『漆黒の悪魔』。武蔵学園と大和学園で行われる学園対抗戦では当事の大和学園のエース夢 香織と文字通りの死闘を演じ生涯唯一の敗戦を喫する事となる。この日以来、凛はマリオネットを装着していない。


【登場人物②夢 香織(ゆめ かおり)】

防衛軍が誇る統括隊長に史上最速最年少で上り詰めた第五統括隊長。香織の特徴は極端なまでのスロースターターでシンクロ率が上昇しない欠点を持つ。しかし、低いシンクロ率でも大抵の敵を倒してしまうポテンシャルは防衛軍最高とも言われている。装着するマリオネットは薄い桃色のスピード型で低い攻撃力を雷の剣(サンダーソード)と呼ばれる専用の光学剣で補っている。高校3年時の学園対抗戦で篠原 凛を戦闘不能に追いやった事がトラウマとなり全力を出せないとの指摘もあり、香織の真の実力は誰にも分からない。


【登場人物③天道   慎(てんどう   しん)】

大和学園第一期生にして個人戦を2連覇した唯一の生徒。防衛軍に入ってからは第二統括隊長として数々の実績を上げている。その戦闘スタイルは攻撃型で天剣と呼ばれる専用の光学剣から繰り出される秘技は多彩にして絶大。第一統括隊長である伊集院 翼とは1度だけ対戦したが引き分けで終わる。天道は攻撃力、スピードとも防衛軍トップクラスのオールラウンダーであるが、装着しているマリオネットは耐久型である。つまり、攻撃力と速さに劣る耐久型のマリオネットを装着しているにも関わらず最高の数値を叩き出している所に天道の凄さがある。


【登場人物➃伊集院 翼(いじゅういん つばさ)】

第一統括隊長にして、現在の防衛軍の最高戦力。その名は全世界に轟いており、西側諸国ではアメリカのマリオネットマスター、シリウス将軍、フランスの皇帝と称されるポルフスと並び3大英傑に数えられる。天道がオールラウンダーの兵士であるのに対し伊集院は超攻撃型で、覇王剣と呼ばれる豪剣で有無を言わさずに敵を殲滅させるのが特徴である。早くから凛の素質を見抜き凛を防衛軍に加入させ第ゼロ統括隊長の地位を与えたのも伊集院であり、伊集院の全力をぶつけられる兵士は凛しか居ないと考えている。


【登場人物⑤後藤   志久真(ごとう   しぐま)】

防衛軍第三統括隊長であり、唯一無二の存在でもある。個人の戦闘能力は他の統括隊長に劣るものの、その特殊能力である霊体を操る能力は個人の戦闘力不足を補って余りある絶大な力を持つ。戦場が拡大し死者が増えるほど志久真の能力は発揮され【死神の部隊】と称される霊体の軍隊は数で勝るアメリカ軍の部隊をも圧倒する。世界広しと言えど志久真の能力を上回る特殊能力者はそうは居ない。


【登場人物➅隼田  一平(はやた いっぺい)】

防衛軍最速を誇るスピードスター。第四統括隊長として主に前線で活躍する兵士である。隼田の繰り出す『隼の剣』はあまりのスピードに目で追う事も出来ず、気付いた時には既に負けていると言われている。


【登場人物➆シリウス・ベルガー】

マリオネット先進国であるアメリカ合衆国の最高戦力であり7人しか存在しない将軍の一人。名付けられた異名は『マリオネット・マスター』。世界的な冒険家で武術家であるシュリング・カナムを師と仰ぎ、西側諸国で初めてマリオネットの存在を知った人物の一人でもある。その実力は世界でもトップレベルであり、世界で最も有名な機動兵士。アメリカ軍内部での発言力は高く、アメリカ陸軍歩兵部隊の実質的な実権を握っている。


【登場人物⑧桜坂 神楽(さくらざか かぐら)】

第二部の準主人公でありヒロイン。第三部では『オリジナルアリス』として世界中の国々から狙われる存在として描かれている。実際、横浜紛争の要因は二人の『アリス』であり、アメリカ合衆国は『アリス』を欲しがり、ロシア連邦共和国は『アリス』の殺害を目的としている。神楽は保護される対象でありながら自らアメリカ軍やロシア軍の機動兵士と戦い多くの戦果を上げ、日本国内でも最高クラスの実力を見せつけた。


【登場人物⑨ロッドマン】

米国の貧民街で生まれ育った黒人青年。その身体能力の高さに目を付けたシリウス将軍が自ら身元保証人となり保護する事で無理やり軍隊に入隊させた経歴を持つ。訓練期間1年、マリオネットを装着してから僅か1ヶ月の短期間で実践投入され日本国の最高戦力の一人、第四統括隊長の隼田 一平を倒す戦果を上げた。物語の終盤では篠原 凛や伊集院 翼と共にロシア軍兵士と戦う事となり、新人とは思えない活躍を見せる。


【登場人物⑩アンドロメダ】

ロシア軍が誇る精鋭部隊、デストロイ部隊のリーダーにして、シリウス将軍と共に同じ人物を師と仰ぐ武術家でもある。師匠であるシュリング・カナムを殺したイスラエル軍を恨んでおり、イスラエルに加担する西側欧米諸国をも敵と見做す。物語での戦闘シーンは無いが、シリウスとの会話の中から世界最高の機動兵士シリウス将軍と互角の実力を持つと思われる。ついた異名は彗星のアンドロメダ。


【登場人物⑪ナターシャ】

本名はナターシャ・エイブラハム・フォースワン。ロシア軍に育てられた特殊能力者。マリオネットと融合する能力を持ち更には未知のテクノロジーである霊体兵器『ソドム』との融合を果たす。自らの髪を光の糸として操り攻撃面、防御面の双方に於いて絶大な力を発揮した。デストロイ部隊の中でも異質な存在で、他のメンバーとの協調性は殆ど無いと思われる。


【登場人物⑫バビロン・ハイドロフ】

ロシア軍の精鋭部隊、デストロイ部隊のメンバーとして『アリス』殺害の任務で日本に来る。その実力は計り知れず、アメリカ軍のマーズ将軍、防衛軍第二統括隊長の天道を次々と撃破。シールド一体型のマリオネットを装着し、更には驚異的なスピードで相手を翻弄する。


【登場人物⑬マーズ】

アメリカ軍の最高戦力と言われる7人いる将軍の一人。横浜紛争に参戦した唯一の将軍でもある。先端が三日月型に改造された光学槍を武器に防衛軍の兵士を次々と倒し、ロシア軍の捕虜であるヨハン・ボルチノの捕獲に成功した。その後、ロシア軍のデストロイ部隊のバビロンと対峙し戦死。米軍にとっては大きな損失となった。


【登場人物⑭アーノルド・ハシュラム】

横浜紛争に参加したイギリス連邦軍の精鋭部隊の隊長。イギリスが誇る最新型のマリオネットを装着し、世界のトップ機動兵士と自分の実力の差を測る事を目的に参戦。アーノルドの願い通り世界最高峰の機動兵士である伊集院と対戦するも惨敗、その実力差を思い知る事になる。装着するマリオネットはモデル・イーグル。