【逃走①】


「うぉおぉぉ!!」


バシュ!


「そこまで!勝者!クラウド・バウアー!」


わっ!


「やったぜ兄ちゃん!次は決勝だ!」


──────騎士──────


『騎士』、それは、剣が支配するこの世界において圧倒的な勝者の称号である。騎士の素質のある遺伝子をもって産まれて来ることが出来る人間は、千人に1人と言われている。一般人と比べて、遥かに運動神経に優れる騎士は、戦闘において絶大な力を発揮する。


夏の風物詩とも言えるアルンヘイルの『生誕祭』では、毎年多くの騎士が集まって来る。その目的は『騎士』が一対一で戦う武闘大会にあった。年齢別に行われる大会で、得に人気が高いのは高校生同士によるジュニア大会である。正式な騎士団に所属している騎士の参加は認められておらず、将来有望な騎士の卵を発掘する為の大会。そんな位置づけだ。今年の優秀候補は、地元アルンヘイルの騎士学校に通う、高校三年生の生徒。クラウド・バウアーであった。


「マリー!マリー!」


大きな声をあげて、マリーの部屋に駆け込んだのは、同学年の幼馴染である、カール・バウアーである。


「ちょっと!勝手に部屋に入らないでよ!」


「なんだ、元気そうじゃないか。」


生誕祭の初日に、倒れたマリーは、祭りには一度も顔を出していない。幼馴染のカールとしてはマリーと一緒に祭りを見るのを楽しみにしていたのだが、具合が悪いなら仕方がないと諦めていた。


「身体はもう大丈夫なのか?心配したんだぞ?」


「う〜ん。とくに怪我をしたわけでも、病気になったわけでもないから。ちょっと体調を崩しただけ。もう大丈夫よ。」


マリーは笑顔でそう答える。二人は家が近い事もあって、幼い頃からよく遊んでいた。カールの5つ歳上のクラウドは、マリーにとっても兄のような存在である。そのクラウドが、生誕祭の武闘大会で決勝まで進んだのだから、それは物凄いことである。


「クラウド兄さん凄いね。カールとは大違い。」


「てめぇ!」


マリーとカールが通う学校は、アルンヘイル魔導学園の中等部である。残念ながら二人には騎士の才能が全く無かった。それでも魔導士としての素質が認められ、魔導学園に入学出来たのだから、それはそれで素晴らしいことではある。


「明日の決勝戦、マリーも来るよな?」


「もちろん!」


「よっしゃあ!明日また来るからな!約束だぞ!」



アルンヘイル総督府

元はアルンヘイルの王が住まう宮殿に招待されたのは、マゼラン帝国第三騎士団の団長、グラウドマンである。


「お久しぶりです、国王閣下…………、いや、今は総統であったな。」


「敬称など何でも良い。それより、お主のようなエリート騎士が、このような田舎に来るなど、何があったのじゃ?」


大陸最強として名高いマゼラン帝国騎士団にあって、第三騎士団は序列で言えば4番目に高い騎士団である。全部で二十を越えるマゼラン帝国騎士団の中ではエリート中のエリートであり、10年前の大陸統一戦争が終わってからは、上位の騎士団が帝都を離れることは稀であった。


「総統閣下、パラスアテネの四天王のことはご存知でしょうか?」


「パラスアテネ…………?」


「10年前の戦争で、滅んだはずのパラスアテネ神聖国ではあるが、その中に将来を有望視された4人の子供達がいたのだ。」


「子供………じゃと?」


「当時の年齢で言えば9歳〜16歳、その実力は魔導大国と呼ばれたパラスアテネ神聖国の中でも群を抜いていたと言われている。戦争の後に、その4人の子供達が姿をくらました。」


「…………パラスアテネの話は聞いておる。教皇の遺体も見つかっていない。噂では数千人の兵士を連れて、どこかで隠れていると言う話じゃな。」


大陸を統一したマゼラン帝国にあって、パラスアテネ神聖国の残党など頭痛の種でしかない。戦争が終わってからも、パラスアテネ神聖国の残党を探し続けたが、一向に見つからないのだ。そして、ようやく1つの情報が耳に入った。


「パラスアテネの四天王、4人の子供達の1人が、ここアルンヘイルに潜入しているらしい。」


「なんと!」


「その為に我々、帝国第三騎士団が派遣されたと言う事だ。」


「たった1人の子供の為に第三騎士団が?にわかには信じられんの………。」


「まぁ、半分は観光に来た。なにせ今は、大陸で最も伝統のある『生誕祭』の時期だからな。部下達も大いに楽しんでいるだろう。」


紅星(あかぼし)が光輝く1週間の間、『生誕祭』は続けられる。この街の名の由来である『アルンヘイル』とは、悪魔の住まう場所。


(悪魔か……………。)


もしも、本当に悪魔が存在するなら、是非とも会ってみたいものだ。夜空に輝く紅星を見上げながら、フリューゲルはそんな事を考えていた。


マゼラン帝国第三騎士団のエース、フリューゲル・ワーグナーは、大陸統一戦争の英雄である。倒した騎士と魔導士の兵士は数知れず。ついた異名は『ブラッディ・ソード』。フリューゲルが持つ騎士剣は常に敵兵の血で染まっている。


もう10年も昔の話だ───


フリューゲルは血に飢えていた。戦乱の中で活躍した騎士は、平和になってからも争いを好む。死と隣り合わせでなければ、生きている感じがしない。フリューゲルは今年で35歳となる。騎士として活躍出来るのも、あと数年だろう。


(サラ・イースター………………。)


パラスアテネの四天王の1人にして、2つの魔法属性を操る天才魔導士。一般論として、一対一の戦闘であれば、騎士は魔導士よりも強いと言われている。騎士のスピードをもってすれば、魔導士が呪文を唱える間に接近戦に持ち込めるからだ。


しかし、サラ・イースターは騎士との戦闘に滅法強い。当時、9才でありながら、マゼラン帝国の騎士を13人殺したとの記録が残っている。


(9才で13人の騎士を…………。)


記録が本当であれば、末恐ろしい才能だ。終戦から10年が経過し、生きているなら19才になる。魔導士としての実力は当時とは比べものにならないだろう。


それでこそ、俺の敵に相応しいと、フリューゲルは騎士剣を握りしめた。




【逃走②】


帝国歴147年


夜空に紅星(あかぼし)が輝く1週間の間で行われる『生誕祭』は、いよいよ最終日を迎えていた。アルンヘイルの街中の中心部にある広場には、大勢の市民と観光客が集まり、祭りは最高潮に盛り上がっている。彼らの目当ては、武闘大会の決勝戦であり、その中にはマリーとカールの姿があった。


「クラウド兄ちゃん!がんばれ!」


「兄さん、すこい人気ね…………。」


対戦相手が、隣町の騎士と言うこともあり、声援の多くは地元を代表するクラウドに向けられている。


「クラウド・バウアーか。見たところ、それほど強そうには見えないが。」


「!」


(……………帝国騎士!?)


マリーとカールのすぐ後ろには、真っ黒いマントを羽織る二人の騎士が立っている。マント中央に刺繍された黄金の十字架はマゼラン帝国騎士団の証である。


(なんで、こんなところに帝国騎士団が…………。)


「おい!クラウド兄ちゃんは最強だぞ!」


「!」


(カール!帝国騎士になんて口を聞いてるのよ!)


マリーは慌ててカールの頭を押さえつける。


「いてて、マリー!何をいきなり!」


「前を向いてなさいよ!試合が始まるわよ!」


マリー・ステイシアは、どちらかと言うと読書が好きなおとなしめの女の子だが、幼馴染のカールといる時は別である。


わっ!


武闘大会の決勝戦が始まった。


クラウド・バウアーは、正攻法な戦闘スタイルの騎士である。良く言えば基本に忠実、悪く言えば変化に弱い。対する隣町の騎士ザックは、力に秀でたタイプに見える。木剣で戦う武闘大会では技よりも力が物を言う。


(しかし、二人とも、とくに目を見張るほどでは無い。)


サラ・イースターは、遠くから試合を観戦していた。いや、正確に言えば、試合を観戦しているマリー・ステイシアを監視していた。


おそらく、一冊の魔導書『悪魔禁書』と契約を結べる魔導士は1人だけだ。今から『悪魔禁書』をマリーから奪い持ち帰っても役には立たない。かと言って、マリーを殺すのも危険が伴う。悪魔と契約をした魔導士を殺せば、悪魔が暴走する可能性がある。


(下手をすれば、…………世界が滅びる。)


どれも、これも推測にすぎないがリスクを抑えるに越したことはない。


ガキィーン!


ブワッ!


ズバッ!


「決まった!」


「クラウドの勝ちだ!」


ザックの攻撃を木剣で受け止めたクラウドが、そのまま剣を胴体へ叩き込む。真剣であれば、ザックの身体が真っ二つになってもおかしくない。それほど見事な一撃であった。


「勝者!クラウド・バウアー!優勝です!」


わっ!


「やったねカール!クラウド兄さんが勝ったわ!」


「マリー!当たり前だ!クラウド兄ちゃんは大陸一の騎士だ!帝国騎士なんざ目じゃないぜ!」


カールが自慢気に、真後ろにいる帝国騎士の顔を見上げた。


「ふ…………。坊主。あの程度の実力ではマゼラン帝国騎士団の入団テストに合格することも難しいだろう。」


「なんだと!」


「世界は広い。強い騎士など5万といると言うことだ。」


「うるせぇ!ファイア!」


ブワッ!


「!」「!」


「カール!馬鹿っ!」


マリーが慌てて抑えるが間に合わない。カール・バウアーが放った炎の魔法が至近距離から帝国騎士に直撃した。


「ぐぉ!貴様!魔導士か!」


ざわ!ざわざわ!


シャキィーン!!


スラリと抜かれた騎士剣がカールへと向けられる。


「うっ…………。」


「マゼラン帝国法、刑法第38条の3。魔導士は無闇に人間に対して攻撃魔法を使ってはならない。同じく第44条の1、帝国騎士に対する魔法攻撃は重罪に値する。」


「うう…………。」


「マゼラン帝国の上位騎士には、緊急時の裁判権が付与されている。判決を言い渡そう。お前は極刑に値する。」


「極刑!?そんな…………。」


「ちょっと待ってください!!」


「マリー………。」


「威力を抑えた初歩的な魔法です!殺意がなかったのは明らかです!極刑はひどすぎます!」


「少女よ、犯罪者を庇えば貴様も同罪と見なすぞ。」


「!」


帝国騎士に逆らってはならない。そんな事は子供でも知っている。アルンヘイルを始めとする多くの国々が、マゼラン帝国の大陸統一戦争に協力し、自らマゼラン帝国に編入されたのには理由がある。


マゼラン帝国は、この大陸の絶対的な強者──


その強さの源は、騎士団の強さにある。『剣聖』と言われたファンベルク、魔導大国パラスアテネ神聖国、幾多の兵士達がマゼラン帝国の騎士団によって滅ぼされた。もとは友好国であるアルンヘイルですら、マゼラン帝国の騎士にとっては、雑多な弱小国の1つにすぎない。


このままでは、カール・バウアーは殺される。


魔導士の卵である非力なマリーでは、カールを救うことは出来ない。それどころか、このアルンヘイルにおいて、マゼラン帝国騎士団に逆らえる人間がどれほどいるだろうか。


ドクン


ドクン


鼓動が高鳴る。


絶体絶命の窮地にて、カールを救えるものは誰もいない。


と、その時、声が聞こえた。


『力が欲しいか。』


「!」



【逃走③】


禍々しいオーラと共に聞えて来たのは、得体のしれない『悪魔』の声だ。マリーはそう確信する。


『力が欲しいか。ならば我が名前を口にするだけで良い。』


我が名は──


──『バルゼブブ』


────マリーよ。力を貸そう。


禍々しいオーラが、武闘大会の会場全体を包み込んだ。


「!」「!」「!」


「少女よ!貴様も魔導士か!」


「何という魔力……。気をつけろサウザー。この少女!只者では無いぞ!」


ここまでの魔力を発することの出来る魔導士は大陸中を探してもなかなかいない。帝国騎士が警戒するのは当然である。しかし、この魔力はマリーが発したものではない。


(信じられんな…………。)


サラ・イースターは驚きを隠せなかった。一流の魔導士ですら発せられないような魔力を、たかが魔導具である『魔導書』から発せられている現実。しかも千年も昔に作られた魔導書である。


それにしても、まずい事になったと、サラ・イースターは眉を細めた。


この広場には数千人もの観客が集まっている。ここで悪魔が召喚されたなら、大惨事になるのは間違いない。そして、なによりも、悪魔の存在をマゼラン帝国に知られるのはまずい。


(マリーが悪魔を召喚する前に殺されたらどうなる?)


これは、全く予想がつかない。古代の魔導書と召喚士の関係は未知数であり、悪魔が暴走する事も考えられる。


いや…………、仮に何も起こらなかったとしても、ようやく見つけた『悪魔の力』を失う事になる。マゼラン帝国と戦う為の大きな戦力を失う訳にはいかない。


パラスアテネ神聖国にとって、最も良い結果とは、『悪魔の力』を手に入れたマリーを味方に引き入れる事だ。この際、誘拐でも何でも構わない。拐ってしまえば、あとは仲間の魔導士が何とかするだろう。


つまり、結論は1つ。


マリー・ステイシアを救い出す。そして、それが出来るのは、サラ・イースターしかいない。


(…………はぁ。面倒な事になったものだ。)


ドクン


ドクン


禍々しいオーラが会場全体を包み込み、帝国騎士の額から汗が流れ出す。


「この魔力………。あまりにも危険すぎる。」


「殺るか………、ケビン。」


サウザーとケビンの二人の騎士が、狙いをマリーに定めた。たかが14才の少女であるマリーが、帝国騎士に勝てるはずも無い。


ドクン


ドクン


もはや、マリーには『悪魔』を召喚する以外に助かる道はない。


「バル………ゼ………。」


マリーが、そう口を開いた時に


「マリー!」


マリーを呼ぶ声が聞こえた。


「!」


「身体はもう大丈夫なのかい?」


「イース!?」


蒼い髪の青年がすっとマリーの手を握る。


「こっちだ!逃げるぞ!」


「え!?」


「任せろ!悪いようにはしない!」


ざわざわ!


「誰だ貴様!!」


「待て!動くな!!」


二人の帝国騎士が追い掛けようとした時、しゅるると、シャボンのような泡が騎士の顔面に付着した。


「ぐぉ!何だこれは!」


「魔法!?目眩ましの魔法か!」


騎士を相手に、まともに追いかけっ子をするほど、サラは馬鹿ではない。いくら天才魔導士でも足の速さでは騎士には勝てない。もっとも、前が見えない状態では、マゼラン帝国の騎士も為すすべが無いだろう。


「マリー!走るぞ!魔法の効力は5分だ!その間に逃げ切るぞ!」


「は……はい!!カールも逃げて!!」


とりあえず悪魔の召喚を防ぐことには成功したと、サラは胸をなでおろす。しかし、問題はここからだ。あの騎士はマゼラン帝国第三騎士団の騎士であり、アルンヘイルに滞在している騎士はかなりの人数に上る。


(逃げ切れるか…………。)


天才魔導士と言われるサラであっても、帝国の一個騎士団を敵に回すのは分が悪い。このまま、パラスアテネ神聖国の残党が身を隠す孤島まで、マリーを連れて行くのが最良の選択である。


「マリー、もうすぐ山岳地帯だ。走れるな?」


「はぁ、はぁ……。大丈夫!」


一方のマリーの心境は複雑であった。最悪の状況は脱したものの、マゼラン帝国の騎士を敵に回したのは間違いない。この世界に於いて、それは自殺行為と言える。


「でも…………。」


カールだけではない。下手をしたらパパやママにまで危害が及ぶかもしれない。


「パパとママが…………。カールも………。」


「……………。」


なるほど、マリーが心配するのは無理もない。しかし、それは考えすぎだろう。


「アルンヘイルはマゼラン帝国とは古くからの盟友関係にある。帝国騎士とは言え、無関係の両親にまで手を出すことはない。」


「…………うん。」


「カール君は心配だが、それより今は君が逃げる方が先決だよ。」


「イースさん、ごめんなさい。」


一度ならず、二度までも助けられた。イースはマリーにとって命の恩人と言えよう。


「マリー、行こう。ここにいては危険だ。まずはアルンヘイルから脱出する。南にあるモーリスの街まで行けばご両親とも連絡を取れるはずだ。」


「………はい。ありがとうございます。」



アルンヘイル中心部にある宮殿の一室。


マゼラン帝国第三騎士団の団長グラウドマンに、知らせが届くのに時間は掛からなかった。


「団長!報告があります!」


武闘大会が行われていた大広場に、正体不明の魔導士が現れた。その魔導士は広場にいた少女を連れて逃走中との報告である。


「イスターシャ!イスターシャはいるか!」


「はい。こちらに………。」


グラウドマンに呼ばれたのは1人の長髪が美しい女性である。彼女はマゼラン帝国第三騎士団の騎士ではなく、マゼラン帝国第一魔導士団に所属している一流の魔導士だ。


「アルンヘイルの大広場から強大な魔力が感知されました。あれほどの魔力を持つ魔導士など、ここアルンヘイルには存在しない。おそらく……、サラ・イースターで間違いないかと。」


「ついに現れたか。イスターシャ、奴の行方はわかるか?」


「はい。サラと少女は、アルンヘイル郊外にある山岳地帯へと移動中です。方角からして、おそらく大陸南部へと逃げ込むと予想されます。」


「山岳地帯………。さすがだイスターシャ。やはり人探しは魔導士に頼るしかない。すぐに出撃する。案内を頼んだぞ、イスターシャ。」


ザッ


ザッ


ザッ


マゼラン帝国第三騎士団、総勢50名からなる兵士達が、宮殿を後にする。騎士団がここに来た目的はパラスアテネ神聖国の四天王の1人、サラ・イースターの捕獲である。サラを捕獲して、なんとしてもパラスアテネ軍の隠れ家を突き止める必要がある。


「それにしても………サラの目的は何だ?」


「フリューゲル副団長………。」


「こんな田舎街に観光に来た訳でもあるまい。我々に見つかる危険を侵してまで、アルンヘイルに来たのには理由があるはずだ。」


「はぁ………。それはそうですね。」


「サラが連れて逃げた少女。その女は何者だ?」


「何でも広場で、我々騎士団の団員と揉めてたらしいですね。それをサラが助けたみたいです。一般人の少女でしょう。」


「一般人の少女………。まぁ、捕まえれば分かる事か。」


大陸統一戦争が終結してから10年。マゼラン帝国の上位にある騎士団が、団員全員で出兵するのは実に久し振りの事である。この任務、失敗する訳には行かない。


「そろそろです。戦闘の準備を………。」


イスターシャの言葉を聞いて、騎士達は騎士剣を握りしめた。


戦闘が


始まる