令和6年度第5回栗東市議会定例会 伊吹裕議員 川辺私立認定子ども園の計画中止について | さらのブログ

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 川辺地域に計画されていた認定子ども園の計画が地域に居住する市民の反対運動が起こることによって事業者が撤退し中止となりました。そもそも認定子ども園は構造改革規制緩和の中で取り組まれてきており保育所と幼稚園の双方の特徴を発展させるという幼保一元化という考えから話が進みました。しかしながらよりよい統合を目指すものではなく今まで築きあげてきた公的な保育制度を崩してしまいかねない内容となっています。こうした動きの中で特に注視しなければならないのは私立の認可保育所です。普通の認可保育所とは仕組みが変わり都道府県が認可をします。私立認可保育所を市町から切り離してしまう、と様々な団体や専門家からも懸念の声が上がっています。一つは利用者は保育施設と直接契約になるという点、入所の申し込みは市町に行い市町が入所選考をしますが私立認定こども園の場合入所を希望する認定私立子ども園に保護者が直接申し込みその認定子ども園が選考します。二つ目は施設ごとに保育料を決め保護者は私立認定子ども園に保育料を支払います。つまり保護者が何らかの事情で保育料を滞納した場合は入所児童の退所に繋がってしまい、親の事情に関わらず保育を受けられる子どもの権利を侵害することにも繋がります。保育の実施責任を負っているのは市町。ところが私立認定子ども園であるにもかかわらず選考保育料の決定という公的制度の根幹において市町が関われなくなります。これは都道府県が市町にかわるのではなく自治体行政が関与することが出来なくなると考えるべきではないでしょうか。このことは法律で定められた選考保育料以外の分野にも影響します。例えば市町は児童福祉法に基づいて保育計画を作成します。また次世代法に基づいて行動計画を立案しますが私立認定子ども園で行う選考は市町の権限が及ばず隣接する他市町の子どもが大量に入所するようなことが起こり得ます。保育計画や行動計画は認可保育所の選考を市町が行なうからこそ実効性が保てます。市の権限が及ばない施設が増えると計画そのものが機能しなくなるのではないでしょうか。その事も踏まえて以下質問をします。

 市長の所信表明でも示されていましたが、今後は私立認定子ども園を増設する形で待機児童の解消を目指すとされています。先ほど述べたように様々な制度的な矛盾や欠陥が指摘されていますがどのような対策解決策を持っているのかをお示しください。川辺での子ども園の計画では地域に居住する市民より反対の声が上がりました。本来なら子ども園の必要性と意義を丁寧に説明し住民合意を図ることがまず必要なのではないかと思います。しかし当該予定地に隣接する住宅に対し建築着工の挨拶を2カ月前に連絡しにいくなど周知合意形成の失敗が反発を招いたのではないでしょうか。市として事業者に対してどのような指導、アドバイスを行ったのかをお伺いします。今回の出来事の反省点と今後同様の事業を計画する際の注意点、どのような教訓を得たのか当局の見解を求めます。

 

子ども家庭局長

 1,私立子ども園増設による制度矛盾欠陥への対策につきまして保育園籍における利用調整は公立私立を問わず市が利用調整を行っております。また、幼稚園籍は園が直接選考を行いますが認定子ども園を公募する際に当該幼稚園を通園居住区域にする児童を優先的に選考することを条件に付しております。保育料につきましては利用者の所得に応じた負担額になっており、利用する施設によって負担額が変わるものではありません。また、保育料の滞納があった場合にはすぐに退所に繋がるものではなく悪質な滞納が継続した場合に契約の解除が可能であり契約の解除する場合にあっても事前に利用者から市に通知するなどの措置が必要になってまいります。2,川辺私立認定子ども園の計画中止に関する事業者への指導等につきましては事業予定者決定後、市と事業者において地元住民等への説明の早期実施や送迎用駐車場の配置や送迎ルート等の周辺環境への配慮等につきまして協議を行い丁寧な地元説明を促すなどの指導を行ってまいりました。3,計画中止による反省点及び教訓につきまして今回の事業が中止に繋がった背景には地元住民等への説明が遅くなり地元住民には当初から建設ありきの事業として映りそれが不信感につながったことや治田小学校区内でも他の候補地がある中で川辺地域に決定した経緯の説明が不十分であったことなどが考えられます。今後事業を進める上においては余裕を持った事業スケジュールを計画していくことや事業予定者選定の際に地元住民等への理解の状況や交通安全など含む周辺環境などの配慮兼運営後に想定できる諸課題などの対策を求めていくことが考えられます。また運営事業者向けの公募を行う事とあわせて市民向けにも周知していくことも必要だと考えております。

 

議員

 2,住民の合意の部分なんですけれども丁寧な説明をするように指導をと答弁を頂きました。それでも地域住民は建設着工の2か月前だと事業者から挨拶をうけてそこで初めて計画があるという事を知ったという風におっしゃってました。その後住民が求めるまで説明会の開催がされず日程も示されなかったのが反発の発端になっていると当事者の方も話をされていました。事業者に対しては周辺への告知を着工の一ヵ月までにすれば良いと認識していたと事業者の方は地域住民の方に話をされてるとそういう風な話も聞いております。市と事業者の認識のずれが大きかった。このことがそもそもの原因になっているのではないかと考えています。特に迷惑施設とも捉えられがちな保育施設。こうしたものの建設というものには慎重な対応と丁寧な説明さらには合意形成というものが本来なら欠かせないんだという風に思うんですけれども本当に指導が十分であったのか検証が必要ですがこの点について認識はどの様にもっておられますか。

 

子ども家庭局長

 指導が十分だったのかの検証につきましては事業者は事業計画について地元住民等の理解を得た後に工事説明を行う等手順を踏んで地域周知をはかる必要があるということは認識されておりまして。あくまでも地元住民等の理解が得られてから工事着手するという考えであったという事については事業者の方から確認をしているところでございます。事業を進める上に起きまして当然地元住民等の理解は必要不可欠でありまして早い段階から事業者に対して地元住民等の理解が得られるように再三にわたり指導を行ってきたところでございますが、事業者は2月ごろから事業説明を開始しても期間には影響を与えないだろうという考えであったということを聞いております。地元住民等には誤解を招くような行動があったっていうことについても事業者とは話をしているところでございます。今後は事業中止に繋がった点も踏まえまして事業を進めてまいりたいと考えてございます。

 

議員

 当該の事業所というのが今まで保育施設というのをやってこなかった、学童をやっておられたということはきいていますがそのように聞いております。こういう保育施設を作るにあたってのノウハウ経験実績というものが不足をしている状態の中でこういう事業を展開しなければならなかったという点においてはやっぱり市のサポートっていうのが不十分だったのかなという風にも思います。ですので、今後こういう事業がある場合にはよりいっそう丁寧な対応というのをしてもらいたいなという風に思います。そもそも保育事業というものが必要であるというは間違いがない。待機児童というものも解消しなくてはいけない市の責務がありますのでここを拙速にやってしまいますとどうしてもひずみが出てくる、反発を受ける。そういう風なこともおこると思いますのここはくれぐれも慎重にやっていただきたいなという風に考えております。それからですね、この一連の話をきいているなかで栗東市内で他に出来ている子ども園であったり保育施設でも当初住民と交わしていた約束が履行されていない。特に交通の安全の部分とかで守られていない、こういう話もちらほら聞いています。おそらく全体ではなく一部の方がそういう風におっしゃられているのかなと思いますがやっぱりきっちりとした合意形成住民の納得というのが出来ていかないとこういう施設地域と共同して連携してやっていかないと安全の部分でも大きな障害になっていくという風に考えますので今後もより一層慎重な丁寧な対応をして頂けますようにお願いをしたいと思います。重ねて言いますと栗東市住民に対して説明しなくてはならない事業というのは他にも多々あるということはみなさんもご存じだと思いますので。聞きますと他の事業でも説明が無いんやけどという話もよく聞きます。ですのでこの説明責任という事をしっかりと果たしていただきますようにお願いを申し上げます。