栗東市議会 令和6年第2回定例会個人質問 谷口律香議員 | さらのブログ

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谷口律香議員

 

おはようございます。令和6年1月1日に発生した能登半島地震はマグニチュード7.6最大深度7を観測し6万棟以上の住宅被害や電気水道通信などのインフラ被害により今もなお1万4,000人以上の方々が避難所や親戚の家、家内等で避難を余儀なくされています。地震発生時私は家族親族と共に震度6強を観測した七尾市の和倉温泉を訪れていました。旅館に到着し休憩しようとドリンクバーにて温かい飲み物を入れていた時に緊急地震速報がなりました。始めはドリンクサーバーが落ちないようにと押さえていましたが揺れが徐々に大きくなりカウンターの下に潜り込んだものの体を投げ出され注いでいた熱い飲み物が首にかかり私は火傷を負いました。離れていた家族のことが心配で駆け寄りたかったのですが揺れがとても長く立とうにも立てない程の今まで経験した事のない大きな揺れでその揺れに耐えることで精一杯でした。揺れが収まりとにかく外に避難しようと部屋を出ると館内の床は水浸しでどこからか煙も立ち込めていました。外に出ると駐車場は液状化で泥水が上がっており道路のいたるところに陥没や亀裂がありました。旅館の前は海でした。津波情報が入り土地勘が無い私たちは和倉に住む姉にどこに避難したらよいか電話で確認し車に乗り込みましたが渋滞になると動けなくなると判断し徒歩で高台を目指しました。有難いことに旅館の職員の方々が避難誘導と救急箱を持って怪我の確認をしてくださっていたおかげで火傷といつの間にかできていた指の怪我の応急処置をし高台に避難することが出来ました。周りを見渡すと温泉街ということもあり浴衣に草履、中には裸足で逃げる観光客もおられたようで旅館の方がスリッパを提供されていました。途中姉家族と合流することが出来近くの小学校に避難するためさらに歩きましたが、道中墓地の墓石がほぼ全て崩れ落ちているなど悲惨な状況を目の当たりにし、改めて大きな地震だったのだと分かりました。地震発生から1時間後避難所となっている小学校のグラウンドには多くの方が集まっていました。開場のアナウンスがあり私たちは教室に入りました。幸い電気は通っていたので教室のエアコンが使用可能で寒さをしのぐことが出来ましたが、小学校には1,400人ほどが集まっていたとのことで玄関やグラウンドに止めた車の中で過ごす方も大勢いらっしゃいました。一息つきトイレに行くと断水しており便器にはすでに汚物が溜まり溢れる寸前でした。この事態を解消しなければならないと思った時、昨年8月に大宝東学区で行なわれた栗東市防災訓練で教わったマンホールトイレを思い出しました。トイレ用のマンホールが有るのかを地元の方々に尋ねましたが皆さんご存じなく外も暗くてマンホールの有無を確認できる状況ではありませんでした。防災倉庫にも簡易トイレは無かったため有志の方と共に校庭に穴を掘りテントを設置、そしてビニールシートなどでパーテーションを作り仮設トイレを設置しました。ひと段落したところで家族の所に戻り私も休もうとしましたが度々起こる余震や静かに過ごされている中で教室のドアを開ける音が地震のように感じるなどゆっくり休めるものではありませんでした。翌朝トイレ排水用にプールの水をバケツリレーする予定でいましたが、下道の通行が可能ということが分かり私たち家族は朝8時頃に避難所を後にすることになりました。観光客など多くの方が避難所を出られましたが姉家族や地域の方を置いて自分たちが避難所を去ることはとても心苦しいものでした。このような事態は決して他人事ではありません。国の地震調査研究推進本部によると南海トラフにおいて今後30年以内にマグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率は70%~80%に達すると評価されており、本市においても震度5強~6弱と甚大な被害が起こることが予想されています。広域災害に伴う被害の発生直後は国や他府県からの支援が困難であることが予想される為本市での十分な備えと自助共助による地域防災力の向上を図ることは極めて重要な事であると言えます。今回の経験を本市と市民の皆さんの防災意識、防災対策の向上に役立てて頂きたく質問させて頂きます。

 

1、本市においても学校やコミュニティセンターなどが指定避難所となっていますが、葉山東学区など多いところでは8カ所、大宝東学区においては3カ所と地域によって差があります。指定避難所の耐震化率と各学区における避難所の収容可能人数を教えて下さい。

2、今回のように指定避難所となっている学校やコミュニティセンターなどの施設が休業日で鍵がかかっている場合、誰が開錠することになっていますか。

3、私が今回小学校に避難したとき開錠のアナウンスにより避難者が一斉に学校にはいりましたが、体育館に入るか教室に入るのかは各自の判断でした。後々女性が指令室に来られ授乳室はどこですか?と尋ねられましたがすでにどの教室も人が入りスペースを確保するのが大変でした。一度入られた場所を開けてもらうことは難しく開錠と共にレイアウトが決まっていれば避難所運営がスムーズでストレス軽減も図れたのではないかと思われました。各指定避難所において授乳室や障がい者等支援が必要な方々を受け入れる部屋の確保レイアウトは決められていますか。

4、今回避難所において仮設トイレの設置をし設置完了のアナウンスをかけると、大勢の方が列につき順番を待つ姿を見て災害時はトイレ環境をいち早く整えることが重要であると思いました。本市の指定避難所のトイレの洋式化率とマンホールトイレの設置可能場所はどれ程あるのでしょうか。また、凝固剤使用の非常用トイレの備蓄はあるのでしょうか。

5、避難所運営に必要なものを保管する防災倉庫は全ての指定避難所に設置されているのでしょうか。また、倉庫の中には具体的にどのようなものがあり何人分何日分の想定で備蓄されているのでしょうか。そして、これらのことを市民が知る機会はありますでしょうか。

6、例えば停電や断水が起こっても自宅の被害が無く、避難所では無く自宅避難を選ばれた方でも水や非常食、衛生品などの支援を受けることは可能なのでしょうか。

7、今回仮設トイレの為に使用したテントは一部破損により補強する必要があり安全性に欠けるものでした。備蓄している非常食の消費期限や物品の破損の有無など避難時に使用するものの点検は誰がいつどのように行っているのでしょうか。

8、私が今回避難した小学校には震災3日目にDMAT、5日目に仮設トイレ設置、7日目に民間の給水車の支援が入ったとのことでした。震災直後からPTAの方や消防団員、旅館職員など有志の方々が中心となって避難所運営をされていましたが、ご自身の家族や家の心配もあり3日目程から町内会の方で運営することになったようです。皆さんが被災者で日に日に疲労がたまるため、いかに分担しながら避難所運営していくかが重要であると思いました。これまでも各自治会等で避難訓練等が開催されていると思いますが、避難所運営例えば避難者を受け入れる体制を整えるまでの訓練、マンホールトイレの設置や部屋のレイアウト非常食の提供などの訓練をされている自治会や団体はあるのでしょうか。

9、今回のように広域災害に伴う被害の発生直後は国や他府県からの支援が困難でボランティアの受け入れにも時間がかかりました。被災地では支援物資は勿論避難所運営スタッフの派遣など早期の支援を求められていました。また、支援物資のニーズは日に日に変わるものであり被災者のニーズ把握と迅速な支援のためには事前に応援協定を結び具体的支援を要求できる体制を整えていくことも重要ではないかと思います。現在本市と災害時の応援協定を結んでいる団体等はあるのでしょうか。また、あれば具体的にどのような協定を交わしているのかを教えて下さい。以上御答弁宜しくお願い致します。

 

危機管理局長

災害時の避難所とその運営について震度6強と避難所生活を経験してのご質問にお答えいたします。

1、避難所の耐震化率と収容人数につきましては国の耐震判定指標に基づく市内指定避難所の耐震化率は100%となっております。学区別の避難所の収容人数は小学校区別に金勝1,100人、葉山900人、葉山東1,500人、治田900人、治田東1,500人、治田西900人、大宝1,100人、大宝東700人、大宝西800人となっております。

2、避難所の開錠を行うものにつきましては震度6弱以上の地震が発生した場合には災害対策本部の指示を待つことなく迅速に施設の開錠を行なうことといたしており、まず、災害対策支部として機能するコミュニティセンターにあっては学区ごとに災害対策支部員として指名されました市の職員が開錠いたします。次に小学校等の避難所となる各施設にあっては施設責任者又は災害対策支部員が開錠いたします。

3、目的別の部屋の設置等指定避難所における要配慮者に対応する施設内のレイアウトにつきましては非難される方のニーズに柔軟に対応が出来るよう設置想定はあるもののあらかじめ決定はいたしておりません。

4、一つ目の指定避難所のトイレの洋式化率とマンホールトイレにつきましては小便器を除く便器の総数が825、うち洋式が541となっており、洋式化率は65.6%となっています。次にマンホールトイレは各小学校の計9カ所に設置をしており一カ所あたり5基の設置が可能となっております。二つ目の凝固剤使用の非常用トイレ備蓄につきましては小学校区毎に携帯型トイレ100個、段ボールトイレ5個、仮設トイレ1基を配備しております。

5、防災倉庫の設置状況につきましては小学校区を単位とし、全ての学区に設置しています。倉庫内の備蓄等にあっては琵琶湖西岸断層帯地震による被害想定に基づき食料等を合計約12,000人分日数は1日分の想定で確保しています。その他必要が見込まれる資機材として毛布やトイレブルーシートの他発電機投光器チェーンソー救助セットなどを格納しております。これら内容は市の総合防災訓練や小学生を対象とした防災教室においてご覧いただいております。

6、ご自宅避難を選ばれた方への支援物資の提供につきましては指定避難所以外の場所での避難を選択された方に対しても取り扱いは避難所と同等ですが個別避難の実態を掌握することは困難も予測され市の指定する場所でお受け取り頂くこととなります。

7、備蓄物品の点検作業につきましては職員が台帳にて管理を行い現物を確認した上で期限が切れる前に入れ替えを行っております。また、機械装置等の資機材については定期的に作動状況を点検の上不良個所があれば都度修繕を行なっています。

8、避難所運営訓練等を実施している自治会や団体につきましては、避難所運営訓練については栗東市防災士会や自治会で取り組まれた実績があり、マンホールトイレについても学区地振協の活動の中での取組事例もございます。現在策定が進められている地区防災計画にあってはこれら訓練を地域の合意に基づいて計画に反映頂き繰り返し訓練を実施頂くことで地域の防災力が大きく向上するものと考えております。

9、本市の災害時応援協定の現状につきましては自治体間にあっては県内13市との協定の他福井県越前市、愛知県知立市と相互応援協定を結んでいます。また民間事業者との協定につきましては市内事業者を中心に食料や日用品生活用品などの物資調達やトラック輸送の分野また大型作業機械発電機などの機材の提供などを内容とし33社と協定を締結いたしております。

 

議員

震度6弱以上の地震の際は災害対策支部員や施設管理者が開錠することになっているとのことですが、このことについて地域の自主防災組織や自治会役員など避難所運営で中心的な役割をされると言われている方々には周知されているのでしょうか。

 

危機管理局長

ただいま答弁申し上げました開錠の手順でございますがこの手順につきましては地域防災計画にその手順が記載されております。この計画については各自治会へ配布していること、また市のHPからも内容を閲覧していただくことが可能でございますのでこの意味におけまして市民の方がこの手順について内容を確認できる環境は整えられているものと考えております。特に自治会役員や自主防災組織を担う市民の皆さんにありましてはこの計画をしっかりと意識して頂きましてまた内容についても認識をして頂けますように防災訓練等の機会を通じまして働きかけを行ってまいりたいと考えます。

 

議員

今回の地震は夕方の発生で避難所に集まった時は直ぐに日が落ち寒さも厳しく早く開錠して欲しいという皆さんが待ち構えていました。大きな災害となると災害対策支部員の方も被災されている可能性もあるため地域の方々にこのような仕組みがあることを周知することで避難所が開かない時には支部員の安否確認をしたり避難所の早期開錠のために地域住民が自主的に動くために出来ることでは無いかと思いますので是非機会をとらえて周知して頂きたいと思います。災害対策支部員は避難所運営の指揮をとれるような訓練はされているのでしょうか。

 

危機管理局長

災害対策支部員でございますけれども災害発災直後に起きましては当然避難所の開錠も含めまして対応する事になりますけれども。主に防災計画の中では健康福祉部それから子ども家庭局の職員が避難所運営を担うという役割を与えておりますのでこういった職員につきまして研修ですね、これを訓練として実施をしておるところでございます。

 

議員

では避難される方のニーズに柔軟に対応は出来るようにあらかじめ施設内のレイアウトは決定していないということでしたが、いつの段階で決定するのでしょうか。

 

危機管理局長

実際に避難所を開設いたしまして避難されてこられました方々の状況をみての判断になってこようかとは思います。

 

議員

災害対策支部員には避難所設置と運営に関する訓練をされているということですので、そのリーダーシップに期待するところであります。しかしながらその支部員が開設初期に必ず居合わせることができるとも限らず、地域住民も避難所運営が初めてであれば発災直後避難所に来た人に合わせて瞬時にレイアウトを決めることはとても難しいと思います。柔軟に対応できるように決めないのではなく様々な配慮が必要な方が来る想定であらかじめ決めておくことで受け入れるためにどんな配慮が必要かより具体的に備えられると思います。今回発災当日は1,400人ほどが小学校に集まりましたが翌日には観光客や安全が確認できた地元の方々は自宅に戻られたため300人ほどに減ったそうです。人数が減るタイミングで随時レイアウトを変更すれば良いかと思いますが、発災直後は多くの方が混乱状態で避難されてくるのでその場合のレイアウトは決めておいた方が良いと思います。

今回の経験で感じたことはエアコンが設置されている教室の方が空調管理が可能で少人数単位での避難が可能なため体育館よりも快適でプライバシーに配慮出来ると思ったのですが、小学校の避難所としては体育館が第一選択になるのでしょうか。災害の規模にもよると思いますが現在本市の小学校の体育館にはエアコンが設置されていませんので地域によってはとても過酷な状況におかれることになると思います。配慮が必要な方だけでも教室を使うことは出来ないのでしょうか。

 

危機管理局長

教室の使用につきまして基本的には小学校であれば体育館ということを想定していることは今御指摘の通りでございますけれども、必ずしも教室を使ってはならないということでもございませんので、そのあたりにつきましてはそれこそ柔軟に先ほど答弁申し上げました対応が求められるものと考えてございますが。ただその災害の規模ですとか避難生活、避難所での避難期間が長くなるのか短くなるのか小学校、学校の再開といった所もまた視野に入れることも必要かと思われますので、その辺りその災害の状況に応じてケースバイケースの対応になるところは出てくるのかなとは思いますが、一定事前の想定ということについてはすぐ動けるように想定しておくことは非常に大事であると考えております。

 

議員

学校の再開についても配慮しなければいけないというところも十分理解できます。体育館は広く一度に多くの方を受け入れることが可能ですがプライバシーに配慮する事が難しい空間です。体育館で使用できるテントやパーテーションは各小学校に備蓄されているのでしょうか。また数はどれほどありますか。

 

危機管理局長

体育館等で使用するパーテーションでございますけれども、所謂パーテーションとして現在備蓄しているものはございません。小型の室内用のテントというものについては一定の備蓄はございますけれども、各小学校に数としましては16張ずつという状況でございます。

 

議員

各小学校にテントが備蓄してあることですので、発災直後から配慮が必要な方に利用できるよう優先順位など決めておくなどプライバシーの保護が出来るようにしておくことは必要であると思います。次に断水時のトイレについてお伺いします。今回の避難所では女性用トイレは校舎近くに男性用トイレはグラウンドのバックネット裏に設置しましたが、夜は暗く足元もぬかるんでいるところもあり滑ったり段を踏み外しそうになることもあり歩くだけでも怪我をするリスクがありました。本市ではマンホールトイレが設置可能ということで一定の安心感はあるものの設置は屋外となるので夜間の使用を考えると照明が必要と思われます。マンホールトイレを設置した際の照明は準備されているのでしょうか。

 

危機管理局長

現状マンホールトイレの設置してあります場所にこの夜間のマンホールトイレの使用を想定した専用の照明といったものについては、そこまでの設置は出来ておりません。実際の被災時に向けましては停電等も考えられることから防災倉庫の方に備蓄をしております投光器とかでございますとかあるいは懐中電灯とかいったもののそれによって対応していくといったことが想定される状況になってございます。

 

議員

災害時は性的被害のリスクもありトイレは安全で行きやすい場所に設けると共に男女別にしたり照明を明るくするのと設置環境の十分な備えが必要であると思います。今回も停電ではありませんでしたが車のライトを借りたり焚火で明るくしたり地域の方の私物の懐中電灯をお借りしたりしましたので、本市の照明も備えが本当に充分であるのか一度見直していただきたいと思います。そのマンホールトイレも必ず使用できるとも限らず真夏や真冬雨天時など高齢者や障がい者にとっては移動も考えると屋外のトイレは負担が大きいかと思います。プールの水や雨水で汚物を流すことが可能であれば施設内のトイレを使用することが出来ると思いますが水汲みの負担もあります。また、汚物を流す際に水が飛び跳ねることを考えると洋式便器にビニール袋をかぶせて凝固剤を使用する携帯型トイレが一番使い勝手が良く衛生的にも良いのではないかと思いました。本市では携帯型トイレの備蓄が小学校区辺り100個ということですが、どの様な基準で100個としているのでしょうか。

 

危機管理局長

災害時のトイレといたしましては御指摘頂きましたように使えればまず避難所のトイレを使っていく。それから次にマンホールトイレというものの使用。この二つを主として計画上考えておりますので携帯型のトイレですとかダンボールトイレの話も先ほど答弁いたしましたがこういったものについてはこのマンホールトイレ等を補完するという想定で備蓄している数量ということになりますので100個という状況になっております。ただし能登半島地震におけますトイレ事情を確認する中で本当に適切な備蓄数量といったものはもう少し量が多い方が良いのではないかとかこういったところにつきましてはしっかりと検討を加えてまいりたいと思います。

 

議員

一般的排尿回数は1日5回~7回と言われていますので100個では15人分程度しか無いということになります。また備蓄も小学校倉庫にあるということであればコミュニティセンターなどの避難所ではすぐにトイレの設置が出来ないということになります。いち早いトイレ環境整備のためにも携帯型トイレは全ての指定避難所に備えておくべきだと思います。携帯型トイレは和式トイレには設置できず高齢者には和式トイレは利用困難でありますので、避難所となる施設のトイレの洋式化を進めて頂くと同時に携帯型トイレの備蓄数量を増やし災害時のトイレ問題に備えることが必要であると思いますのでご検討をお願いいたします。

今回の能登半島地震でもトイレ問題が顕在化していますが、洋式の水洗トイレが設置された移動型トイレ、トイレトレーラーが全国各地から派遣され注目を浴びています。トイレトレーラーは充電バッテリーと貯水タンクが搭載されているため断水下でもすぐに使い始めることが出来ます。4つの個室に洋式便座があり換気扇清掃用の排水溝なども整備され感染症対策用に紫外線照射による殺菌装置もついているそうです。また、外部電力との接続やソーラーパネルからの太陽光充電機能によって長く使い続けられるそうで被災した場合避難所で活用できることは勿論、大規模災害が発生した被災地域に派遣したり平常時はイベント等で活用することが出来るためふるさと納税型クラウドファウンディングを利用してトイレトレーラーを導入する自治体も増えています。滋賀県としても2台のトイレトレーラーを購入するため来年度予算に7,200万円を計上しているそうです。本市ではトイレトイレ―ラーを導入するお考えはありますでしょうか。

 

危機管理局長

トイレトレーラーの関係でございますが、ご指摘いただきました通り非常に明るく清潔で安心して用を足していただけることにつきましては非常に避難所にあれば最適な環境が整えられるんだろうなというふうに考えます。但し、トイレトレーラーもいろんなタイプのものがございますようですけれども、トレーラータイプで牽引するものになってまいりますと単独の栗東市だけですと全ての避難所における必要部数を確保するということですとか、やはりトイレトレーラーですから他に場所もとりますし牽引するための車も必要になってくるところもございますし、実際にトレーラーをけん引するための運転手につきましても牽引するための免許が必要になってきますということも考えられますので。メリットもあれば単独の市でそれを全て整備することについてはデメリットもあるのかなというのを考えるところが率直な考えでございますけれども。一方全国的な取組というというところに視点を移しますとそれぞれの自治体で一つ確保をしてネットワークを作って災害が起こった時にそれを互いに融通し合うとこういった制度も今取組としては立ち上がっておるといったところを情報を確認もできるわけでございますけれど。そういった状況で今確認しておりますと全国で約1,700程度の市町がございますけどもそういった融通し合うようなネットワーク環境で取組進めている町は19であると結果が示されておりますので、取り組みは正に始まったばかりであろうなと考えます。従いましてこういった取組の推移なんかもしっかりと注視しながらですね先ほど仰っていただいた携帯用備蓄トイレの適正な備蓄数も含めまして本市のあるべきトイレ環境の整備につきましてはしっかりこれからも検討を進めてまいりたいと考えます。

 

議員

トイレが無かったりトイレ環境が悪いとトイレに行く回数を減らすために水を飲まない、ご飯を食べないなどエコノミー症候群の発症や基礎疾患の悪化を招いたり、何より心身的負担は計り知れずせっかく助かった命が避難後に失われることがあります。病状悪化や災害関連死を防ぐためにもあらゆる方法でトイレの備えをして頂きたいと思います。続いて備蓄についてお伺いします。答弁の中で衛生用品が挙げられていませんでしたが、乳幼児や高齢者のおむつまた女性用の生理用のナプキンは備蓄はあるのでしょうか。

 

危機管理局長

生理用品につきましては現在13,950枚を備蓄しております。但しこのおむつの関係につきましては乳幼児用あるいは大人用共に現在備蓄はございません。今後におきましておむつの部分について備蓄を勧めてるように参ります。

 

議員。

着の身着のまま何も持たずに避難されてこられる方もおられると思いますので、おむつの備蓄は必須と思われます。是非ともよろしくお願いいたします。続いて食料についてお伺いいたします。備蓄している食料が12,000人の1日分ということで帰宅困難者や自宅避難の方々も受け取りが可能ということであればとても少ないように思いますが、協定を結んでいる自治体や民間業者からの食料などの支援はすぐ受けられるのでしょうか。

 

危機管理局長

協定を結んでいる自治体ということで先ほど申し上げましたように東西南北といいますか各方面からですね位置的には結んでいるわけですけれども。こういった状況等によりますが、いずれにしても高速道路を利用しますと片道1時間半程度と震災の影響を受けないエリアの方からですね比較的短時間で支援を受ける支援物資を頂戴する、こういったことについては一定可能であるのかなあと考えております。

 

議員

今回のように大きな地震であれば道路が通行できるとも限りませんし、行政としても十分備蓄できる数にも限りがあると思いますので市民それぞれの備蓄の啓発も同時に行って頂きたいと思います。水の備蓄について教えて下さい。今回のように断水になって給水車がすぐに来られない場合水の確保はどのようにするのでしょうか。

 

危機管理局長

水の関係でございます。まず飲料水の部分でございますけれども現在市内に100t級の飲料水兼用の貯水槽こういったもの3カ所ございます。ですから合計300tという形になりまして具体的に申し上げますとこの300tにつきましては50,000の方の2日分に相当する量と考えられます。また防災倉庫の中にもペットボトルで飲料水の備蓄がしてございますがこちらの防災倉庫の中の量を申し上げますと、500人分の1日分に相当する量こういったものを備蓄している状況でございます。それから飲料水以外の水というところにつきましては現在非常災害用井戸につきまして井戸ですね、井戸水の活用ということで市民の皆様方に登録の協力を呼び掛けていると言ったこともございますし、プールなどの水を活用するためにろ過装置といったものをそれぞれの防災倉庫に配備している。こういった状況になってございます。

 

議員

非常災害用井戸については今回私も初めて知りました。どんな備蓄が有るのか市としてどんな対策をされているのか日頃から知っておくことで個人や地域では何を備えないといけないのか。また避難所生活をイメージするのに役立つと思いますので様々な形で市民への周知をして頂きたいと思います。続いて防災訓練についてです。本市の総合防災訓練は年に1回1小学校区での開催であり全ての小学校区で開催するためには9年が必要です。回数が少ないのではないでしょうか。小学生を対象とした防災教室も開催しているとのことですが、子どもだけではなく避難所運営を中心に行う大人にも防災倉庫がどこにあって何が入っているか等知る機会や避難所運営を想定した訓練が必要であるとか考えますが如何お考えでしょうか。

 

危機管理局長

実は令和6年度におきまして総合防災訓練の訓練会場として予定しておりますのは大宝西小学校区になります。この大宝西小学校区を持ちまして市内の小学校区内を9年かけて一巡するという最後の年になってまいりますので令和7年度以降につきましては見直しをかけて行きたい。つまり例えば3小学校単位ですれば3年に1回にもなりますし丁度節目の時にもなりますしそういった検討を踏まえてまいります。また地区防災計画ということで各小学校区において地域の皆さんで主体となりまして計画を策定頂いておりますが、目的は計画策定では無くて手段でございましてやはり計画に沿って毎年訓練を地元の皆さんで行っていただいて不都合な点は改めて頂く、こう言った取組が非常に重要になりますので市といたしましてもこういった取組については積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

 

議員

避難所運営訓練を実施している自治体等もあるということでしたが、実地回数といたしましてはどれほどでしょうか。

 

危機管理局長

自治会におけます避難所運営訓練ですけれども、事例といたしましてはあまり頻繁では無いのかなというのが正直なところですかね。過去にまあ数回実施されたという内容を確認いたしまして答弁申し上げましたという状況になってございます。

 

議員

本当に今回の経験ですごくわかったんですけども。避難所運営はありとあらゆることに対応しなければならないため本当に想像力が必要であり様々な方を巻き込んで繰り返し実施することが大切であると思いました。避難所の出来事や避難者対応をゲーム感覚で模擬体験することができるゲーム、避難所運営ゲーム「ハグ」というものが有るそうです。これは静岡県危機管理局が企画開発した防災カードゲームで避難者の属性を考慮しながら部屋割りを考え炊き出しや仮設トイレの設置など生活空間の確保など対応などの出来事に対して自由に意見を述べかつ話し合いながらゲーム感覚で避難所の運営を学ぶことが出来るゲームだそうです。私のような経験は無いにこしたことはありませんが、避難所で起こりうることをなるべくリアルに体験することで何を備えないといけないのかが具体的に分かりますし、ゲームであれば子どもも大人も一緒になって出来地域住民のコミュニケーション機会となると同時に地域の防災意識の向上や対策行動に繋がることになるのではないかと思います。様々な訓練が形骸化することがないように市としても訓練方法の引き出しを多く持ち地域での訓練の提案やアドバイスを行って頂きたいと思います。今回少しでも避難所の環境を整えようと思い小学校にあるありとあらゆるものを使わせて頂きました。後々これだけの災害で緊急時だったから仕方が無かったという思いもありますが、子どもたちの大切な備品などを使って良かったのか学校が再開したときに困らないのか等と振り返ることがあります。緊急時でもこれだけは使ってはいけないというものはありませんか。

 

危機管理局長

なかなか物品を特定してこれは困りますよという申し上げるのは難しいのかなと思うんですけれども、考え方といたしましてはねやはり人命に関わるような非常時であればそんなことも言ってられませんので使えるものはすべて使って命を助けに行くというこういった対応が求められますが。そういった緊急性が無くてですね物品使用について選択可能な少し余裕があるような状況であればやはり学校を例に避難所として学校ですと子どもの成績とか個人情報に関わるものもあるかもしれませんし、あと先ほど申し上げました後の学校再開というところを念頭に置きますと、その影響を及ぼすのではないかなあといったところで判断されるところもあるかも分かりませんので、そういった判断基準と言いますかそういった意識を持っていただきましてまあ使う物品につきましては選別を頂きまして。そういいながらも必要なものにつきましてはやはり使っていくということが求められるのではないかなと思います。

 

議員

お聞きした無いようになるんですけれども阪神淡路大震災の際に到着校長先生の体験談の中で発災時すぐに暖をとるために子どもたちの記録までも燃やしてしまったということがあったそうです。生命の危機であれば仕方ないこともあると思いますけれどもどんな時でも子どもの財産を守るという視点があれば事前に対応も可能なのではないかと思います。それでは最後に市長に今回の質問に対し所見を伺いたいと思います。

 

市長

今回の所見ということでありますが、地震というものについてはいつ起こってくるかも分かりませんし私どもの町或いはこの滋賀県というのは以前から災害が少ないと言われておりましたがそういうようなことも言っておられない時代になっておりますので先ほど御質疑等にもありましたように災害をいかにリアルに想像してそれに備えるというようなことが大事な事と、あとはやはり行政で出来ることとやはり個人個人の皆様で普段から備えていくというその事に対して実直にそしてまた継続してですね市民の皆さんにお伝えをしていくという啓発をしていくということに尽きるのかなあという風に思っているところでございます。

 

議員

本当に行政で出来ること自分たちで備えないといけないこと、それぞれに対策をしていかないといけないと思います。引き続き災害に強いまちづくりを進めて頂くようお願いいたします。最後になりましたが能登半島地震でお亡くなりになった方々に心よりお悔やみを申し上げると共に被災された皆様方にお見舞いを申し上げます。そして被災地の1日も早い復旧復興をお祈りいたしまして私の質問を終わらせて頂きます。有難うございました。