最近はニュースのスポーツコーナーでも「まずはメジャーリーグから・・・」と大谷翔平のホームランを報じるし、NHKのMLB中継を見る人も増えただろう。そこで気になるのが画面表記だ。選手の名前をカタカナに訳すのはともかく、その日の打撃成績などは現地表記のまま楽しみたいものである。


しかし問題は野球用語における和製英語の氾濫だ。例えば前の打席が四球なら表記は「BB」。これは「四球はフォア・ボール(Four Ball)ではなくBase on Balls (つまりBB)」だからだが殆どの日本人は理解できないだろう。また「死球はデッド・ボール(Dead Ball)ではなくHit by Pitch」だ。


英語がダメで工学部に行った私が言うのもなんだが、これは一種の専門用語なので、英語の達人でも野球のプロでもダメで“野球英語“を知らなければ分からない。そして英語や野球の本は山ほどあるのに“野球英語の本“は、私が知る限り半世紀も前の1975年に発行された「野球英語教室」しか無い


   【この本は既に廃刊で改訂版も無い模様】
フォア・ボールもデッド・ボールも四球や死球の英訳であり和製英語だ。他にもツーベースヒットやスリーベースヒット、ランニングホームランなども和製英語であり本場では通じない(*1)。そして日本で(ほぼ唯一)和製英語と認識されている「ナイター」は、逆に和製英語ではないとの事である。


同書の「ナイター (NIGHTER)」の項にはこう書かれている。「(前略)プレス・クラブで米人記者がいい始め、読売新聞社会部記者が記事に使って普及するようになった(後略)」。つまりスポーツ記者の略語なのでアメリカでは知らない人も多く日本の方が普及度が高いらしいが、和製英語ではない

この本の著者は元セ・リーグ企画部長の故・八木一郎氏で、彼は“パンチョ”こと元パ・リーグ広報部長の故・伊東一雄氏と並ぶ大リーグ通だった。彼等のように野球にも英語にも明るい人にしか著せない本だが、彼等が両リーグの広報担当時代にもっと本場の野球英語を普及させて欲しかったと思う。


そしてこの和製英語問題は野球に限った事ではないようだ。現在、日常的によく使われている「ベビー・カー」や「キャリー・バッグ」「インバウンド(訪日外国人の意で)」なども和製英語で英語圏の人々には全く通じないらしい(*2)。誰が作るのか知らないが、和製英語の問題は何とかならないものか?
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*1:本件については下記ブログご参照。
英語とジャズと野球の共通点は | Saigottimoのブログ
・スリーベース・ヒット⇒triple、ランニング・ホームラン⇒inside the park homerun
*2:ベビー・カー⇒stroller、キャリー・バッグ⇒roller bag, trolley case、インバウンド(訪日外国人の意で)⇒foreign tourist, visitor

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