朗読は“最も手軽な趣味”と言われる。勿論、奥は深いのだが、自分が気に入った文(詩や小説や絵本等)を声に出して読むだけなのでお金もかからずハードルは低い。毎月、朗読仲間とのネット朗読会に参加しており、先日読む番になったので昔買った絵本「地球がもし100cmの球だったら」を一部抜粋して読ませてもらった。
この本は我々に「知る(知識)と分かる(感覚)の違い」を教えてくれる。我々は“地球が自転しながら巨大な太陽という恒星の周りを公転している第3惑星である”ことは知っているが、その大きさや位置関係がどの程度なのか感覚的には分からない。そして我々の感覚的な想像と実像とはかなり違うことも気付かせてくれる。
この本は地球を直径1mに縮めることで(縮尺率1千万分の1)、月や太陽の大きさや位置関係を日常感覚で示してくれる。曰く太陽は水道橋駅前の東京ドーム大で地球は大森駅、木星は平塚駅、最も遠い冥王星は岡山県に位置する。これじゃあ図鑑ではとても正しい縮尺で記載できないという事情も納得できる。

さらに驚くのは地球が直径1mなら、空気の層は1ミリ㍍程度しかなく、1万㍍上空を飛ぶジェット機は地表から僅か1ミリ㍍未満の高さを飛んでいて、国際宇宙ステーションも地表から2~3センチ㍍ほどの高さを回っているとのことだ。宇宙から飛来する隕石が燃え尽きる程の空気の層が実はこんなに薄いなんて吃驚する。
本書には地球上の淡水量(僅か17cc、氷を除けば5cc)とその汚染問題、陸地面積(0,5畳)と砂漠化問題などエコロジストならずとも息をのむような現実が実際のデータと縮尺された日常感覚の両面から著されている。地球温暖化が世界的に問題となっている今、大袈裟に言えば“全人類必読の書”といえるかも知れない。
以降はこの本に書いていない事だが、宇宙ステーションがこんなに地球の近くを飛んでいるのに何故、宇宙ステーション内は無重力状態なのか?私は“空気が無い宇宙は無重力”と単純に思っていたが、よく考えれば空気の有無と重力は無関係だし、月はあんなに離れても地球の重力の影響で公転しているのだから。
この答えは意外にも中小企業診断士の某研究会で得られた。今年6月に発表した診断士の先生がたまたま宇宙マニアで教えて下さったのだが、宇宙ステーションは(地表とほぼ同等の重力がかかっているが)、高速で地球を周回しているために“遠心力と地球の重力が釣り合っている”ので無重力“状態”なのだそうだ。*1
宇宙ステーションの周回速度はジェット機(時速900キロ㍍)の30倍(時速2万7700キロ㍍)で、約1時間半で地球を1周(4万キロ㍍)する。そんなに速くなくてもいいと思うが、これより遅いと重力が勝って地上に落下、逆に早いと遠心力が勝って地球の軌道を離れてしまうから、このスピードで飛び続けるしかないらしいのだ。
宇宙には空気抵抗がないので、一旦その速度で大気圏外に出ればあとは推進力不要で同じ速度で飛び続ける。そもそも地球自体が時速1700キロ㍍(赤道付近)で自転しているが地上の空気も一緒に回っているので我々は気付かない。丁度時速280キロ㍍で走る新幹線車内の空気が静止しているようなものだ。
地球は上記の様な高速で自転し、さらに太陽の周りを時速10万キロ㍍で公転し、その太陽だって銀河系内をもっと高速で公転しているらしいから、我々がいくら地上でじっとしていても、宇宙の中で見れば猛烈なスピードで動き回っていることになるのだ。嗚呼、ゆく河の流れは絶えずして~諸行無常の響きあり、チーン。
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*1:正確には「重力と遠心力が釣り合っている」のではなく、「水平方向への推進による地上との乖離距離」が「重力による自然落下と同じ距離」になる速度で周回しているのだそうだ(下記参照)。
Saigottimo

