「この世の果てまで」という邦題のポップス・スタンダードがある。1962年に女性カントリー歌手のスキータ・デイビスが歌って全米チャート2位の大ヒットになったドラマチックな曲だ。「この世の果て」とはものものしい表現だが、原題は「The End Of The World」歌詞は「この世の(空間ではなく時間の)終わり」という意味だ。
作詞は「トゥー・ヤング」のシルビア・ディー。原詞は専門Webに譲るとして、ナンチャッテ意訳を試みたらこうなった。
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この世の果てまで(The End Of The World)
太陽はなぜ輝き続けられるの?
海はなぜ岸辺に打ち寄せているの?
私はもう貴方に愛してもらえないから
この世は終わったというのに
鳥たちはなぜ啼き続けるの?
星たちはなぜ夜空で瞬けるの?
私が貴方の愛を失ったことで
この世は終わったというのに
朝、目が覚めるたび私は不思議でならない
何故、全てが今まで通りなのかと
私は分からない、本当に分からない
これからどうやって生きていけばよいのか
私の胸はなぜ鳴り続けるの?
私の眼はなぜ涙を流せるの?
貴方が別れを告げたとき
この世は終わったというのに
(Translated by Saigottimo)
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ハイハイ、恋人にフラれて「ああ、もうこの世の終わりだ~」という失恋の歌だねと思ってしまうが、実はそうではないらしい。作詞者のディーは父親を亡くした思いを綴ったという。父親が亡くなることで「もう愛してもらえない」し、父親からの「愛を失った」訳だし、父が亡くなるときに「別れを告げた」ということなのだろう。
作詞時点で40代だった彼女が如何に父親に愛され、また人生の指針を得てきたのかが分かる内容だ。数千曲あるというスタンダードの8~9割が恋愛に関する歌だというが、この曲は「バーモントの月(Moonlight In Vermont)」等と同様、男女の色恋とは関係ない数少ないスタンダードである事は余り知られていないだろう。
プロデューサーはカントリー界の大御所チェット・アトキンス(g)というから、まさにカントリーソングなのだが、デイビスはこの曲で白人女性歌手としては珍しくR&Bチャートでも5位を記録。彼女はグラミー賞も獲得している。でも私はポップス界のミス・ダイナマイト、ブレンダ・リー盤の方がオールディーズとして印象に残っている。
もとはカントリーでもスタンダードだから多数のカバーがあり、ブレンダ・リー盤の他にポップス界からカーペンターズ盤、ジャズ界からジュリー・ロンドン盤、J-POP界から竹内まりや盤、歌謡界から伊東ゆかり盤もご紹介したい。テンポは違えど、リズムはいずれもロカ・バラード(三連符×4拍)で、この時代の雰囲気タップリだ。
♪The End Of The World…2021年4月6日、S.K(rec.)Quartetとの合成録音によるバーチャルセッション♪
♪The End Of The World…マッキー(牧かおる)との合成録音によるバーチャルDuet♪
Saigottimo






