さて、急遽決まった旦那さんの出発の日となった。
が、この日は、私もベトナムからバンコクに荷物をもっていく日だ。
朝、もう一度旦那さんのオフィスによってサインする書類があった。
旦那さんが利用する航空会社の支社の方にご挨拶のメールはしておいた。
すると、オフィスに着くや否や、そのFさんから電話だ。
私を探しているそうだ。
「奥さん!!旦那さんのチケットは、まだ支払われていないので発券もすんでませんよ!!」
なぜ? そんなことがあるはずない?
座席まで教えてもらっている。
しかし、F氏は続ける。
「いいえ、確認してますから、発券されてません」
「確認してから折り返し電話します。」
その時点で私は、30分後にオフィスを出なくてはならない時間だった。
冷や汗どころではない。
音を立てて、血の気が下がって行くのがわかる。
バンコクのコーディネーターに連絡する、「知りません」
自国の医療搬送会社はまだ始まっていない。
旦那さんは電話にでない。
私は、パニック寸前だった。自国の義弟1に電話する。 向こうは朝3時だ。
そんな時間に電話をすれば、旦那さんになにかあったのだろうと驚くだろう。
ごめんなさい。その時はなりふり構っていられなかった。
「今は、何もできないから、とにかくバンコクへ飛んだほうがいい。それからでもなんとかなるはず」
オフィスの人も、気の毒そうに私をみているだけだ。
誰もこんな経験をしていないから、分からない。
再び、電話だ。
F氏だ。
「奥さん、すみません。 医療搬送会社によって支払いもすんで、発券もされてました・・・・・・・」
本当にヘナヘナと椅子に倒れこんだはじめての経験だった。
「ヘナヘナ」、ってこれだったんだ。
オフィスの皆さんをも「ヘナヘナ」にさせてしまった。
見送られ、一人、空港を目指した。