GWに、伊豆七島のひとつ、「御蔵島」という島に行ってきました。
伊豆七島は、大島、新島、八丈島、利島、三宅島、神津島、御蔵島の7つ島のことを指します。
中でも今回訪れた「御蔵島(みくらしま)」は伊豆七島の中でもっとも人口も面積も小さく、マイナーな島。
人口は300人弱。
主な産業は林業、漁業、農業など。
以前は観光客がめったに訪れない島だったらしいけど、最近になって「イルカと泳げる海と巨樹の島」としてイルカ愛好家の間で徐々に人気が出てきている島です。
もともとは、伊豆大島で温泉でも入って自然を満喫したいな~、と
思っていた私なので、そこまでイルカに興味はなかったんだけど
なりゆき上、職場の先輩に便乗する形で今回この島を訪れた。
出発は2日夜の竹芝港から。
以前に東京湾納涼船に乗ったあの港。
御蔵島までは片道およそ8時間ほどの旅なので、夜に港を出て早朝に島に着く。
先週まで仕事の関係でバタバタしてたので船の乗船券も前日に予約するというぎりぎりスケジュールだったけど運よく指定席チケットをとれて、無事に東京を出発。
だけど、船の中で会社の先輩・二瓶さんから衝撃事実を聞く。
もともとは、「仲間と一緒にコテージを借りてるから一緒に泊まれば」という話だったのが実はコテージじゃなく民宿に泊まることになってたみたいで、4人定員の部屋なので私が泊まるスペースがない、と。
なので、
「イワタさんの分はコテージを予約したから」
「えっ??コテージに私1人ですか?」
「大丈夫だから。問題ないから。」
って事で、私1人だけ別泊が決定。
や、もともと1人旅しようとおもってたんだから1人でも
いいんだけどコテージに1人でって大丈夫??ご飯はどうすればいいの??
何度も二瓶さんに「大丈夫かな?なんか不安になってきた、、ほんと大丈夫ですか??」
と船上で確認するも
「だ~いじょうぶだから。まったく問題ないから!」
と。。。
二瓶さんって大体いつもこんな感じ。
まあ、くよくよしてても仕方ないので(もう船乗っちゃったし。)
船上で2人でビールをを飲みながら御蔵島を目指す。
(他の人たちは前日にすでに島入りしてたので)
リクライニングシートで爆睡していたらあっという間に朝になって御蔵島が近づいてきた。
この日は海が荒れるようなこともなくほぼ予定とおりの朝6時に
御蔵島港到着。
港っていうか、、、ただ海にコンクリートでできた細い桟橋が50メートルほど突き出ただけの小さな小さな船着場。
あとから聞いた話では、少し海が荒れただけでも船が到着できず引き返しちゃうような島らしく、今回私が1発目の旅行で無事到着できたのは相当ラッキーとのこと。
そうなのか、、、でもあの桟橋を見ればさもありなん、と納得。
島の周囲はほぼ断崖絶壁でビーチと呼べるようなものはどこにもない。
遠くから見てると「本当にこの島に人が住んでいるの?」と首を傾げたくなるような、人が住むには厳しい条件の島。
桟橋に降り立つと、各宿のスタッフが車で出迎えに来てくれていた。
二瓶さんたちが泊まるのは「しげを工房(別館)」という民宿で島で最も大きな民宿なので大きなワゴンカーが迎えに来てくれていたけど、私はコテージなので迎えなどはなし。
しかもチェックインは8時過ぎてからとのこと。
えっ??
今6時なんだけど、、、あと2時間どうしたらいいの??
コテージの周り何もないし、、、
一人取り残されて途方にくれていたら、親切なしげを工房の三代目しんごさんがわざわざ「チェックインまで、しげを工房で休んでいてもいいよ」と車で迎えに来てくれた。
車中ついつい、しんごさんに
「一緒に泊まれるからって誘われたのに1人コテージだってついさっき聞いてビックリですよ!ありえないよ!」と愚痴ってしまう。
「それは無いね~、かわいそうだね。」と同情してくれる優しいしんごさん。
2日目は本館のほうの相部屋が空いているそうで、そこに泊まれるように手配もしてくれた。
しげを工房に着くと、すでに朝のイルカウォッチングに向かう人たちが玄関の外で、ウェットスーツを着たりとせわしなく準備をしていた。
玄関横のベンチで何をするでもなくボーっとすわっていたら宿のお姉さんがやってきて
「これに記入お願いします」と渡されたのは「イルカウォッチングの申込書」
え??これ?今から私も行くんですか??
「土屋さまのお連れ様ですよね?同じ船で空きがありましたので」
土屋さんっていうのは今回この旅行のリーダーというか主催者の方で二瓶さんのお友達。
回らない頭でとりあえず記入を済ませると、ウェットスーツとシュノーケリングのセットを渡された。
これ着るんですか??
「8時10分までにご準備お願いします」
ウェットスーツ着たことなくてお姉さんにどうやって着るんですか??水着の上からでいいんですか??とかしつこく聞きながら何とか準備完了。
二瓶さんのお友達とも挨拶を済ませて、あれよという間にイルカウォッチングに出発。
さっきの桟橋の隣に泊めてある、しげを工房の小さな船でイルカの出現する場所まで島ぞいにぐるっと回る。
「泳ぎに自信の無い方は?」と聞かれ真っ先に手を上げる私。
だってもう何年まともに泳いでないだろう。。
シュノーケリングだってやった事ないし、おまけにこのウェットスーツが苦しくてたまらない!
海は割と穏やかだけど、小さな船だからすっごく揺れる。
酔いそう、、、
でも船に乗ってるのはクルージングみたいで楽しかった。
遠くからだとあんなにちっぽけに見えた島も船で回ってみると割と大きいことがわかった。
途中滝が流れているポイントがあったり、しんご船長が岩と岩の間をアドベンチャーぽくすれすれに潜り抜けてくれたりと感激。
なかなかイルカは現れず、島の反対側まで回ってようやく群れを発見、船長が「そろそろ準備をしてください」と乗員に声をかける。
めっちゃ緊張してきた。。
だけど、しだいにイルカの群れが見えてきてコーフン!
ほんとにいる!
「では両側から降りて、船の前方に泳いでいってください」
みんな慣れた様子で船から海に飛び込んでいく。
私もフィンをつけた足をおそるおそる海につけて、チャポンと
海に降りる。
そこから必死で前に泳いでいくも、うまくシュノーケリングが使えない。
しかもやっぱ泳げない!!って事でパニックになりかけていると、しんごさんが船で近くまで戻ってきてくれて救命用の浮き輪を投げてくれた。
必死でつかまり何とか船に引き上げてもらう。
みんなはスイスイとイルカの方に泳いでいってるけど、、、信じられない!私には無理!
「無理しないで。
なるべく船上からイルカ見えるとこに船動かすから」と
優しい言葉をもらい、イルカと泳ぐのは断念することに。
代わりに船上からイルカウォッチング。
しんごさんはまだ若いにも関わらす、イルカの群れを見つけたりイルカの動きを見極めるのがすごく上手で、船の上からでも十分イルカを眺めることができて満足。
後から土屋さんの撮影したイルカの動画も見せてもらって感激。
イルカかわいいなあ。
人懐こいなあ。
水族館でしか見たことなかったけど野生のイルカもこんなに人懐こいんだあ。。
人間が泳いでいると、興味深そうに寄ってきて周りをクルクル泳いだり追い抜かしたり戻って来たりして遊ぶそうです。
伊豆七島の中でもイルカがいるのはこの島だけだそうで、不思議に思って
「どうしてこの島だけにイルカがいるんですか」と聞いてみたら
「どうしてだろうなあ、イルカに聞いてみないとわからないね!」
ガイドブックを見てみたら、「黒潮がぶつかるこの島の海流はととても栄養が豊かで、、」と書いてあったけど、本当にイルカたちはこの島が居心地よくて大好きだから離れないんだろうなって思った。
宿に戻って少し休憩して、午後からはトレッキングに出かけた。
この島は海だけでなく山も手付かずの自然が残っていてすごく素敵。
この日みんなで向かったのは、「エビネ公園」というこの島を代表する花である「エビネラン」の咲く自然保護公園。
宿から片道2時間ほどのトレッキング。
道すがらにいろんな島の自然に触れながら、いい汗をかきながらの登山。
ようやく辿りついたエビネ公園は、残念ながらもうほとんど花が
終わりかけてたんだけど、公園の管理をしている島んちゅの「カナコさん」
(推定65歳くらい?)が、「コーヒーでも飲んでけ~」と管理人室でコーヒーをご馳走してくれた。
この島の人たちは皆こんなふうに親切であったかい人ばかりです。
エビネ公園を後にして、その先にある「黒崎高尾」の展望台に向かった。
木の柵とデッキがあるだけの小さな展望台だったけど、ここからの眺めは
圧巻。
すぐ真下が崖で目の前に一気に海が開けてて、180度に見渡せる。
八丈島や三宅島もここから見えた。
しばらく皆でボ~っとなる。
いつまでも見てたくなるような景色。
私も海沿いの町で育ったから、海自体はそんなに珍しくもないんだけど
島から眺める海って本当にどこまでも広くって、御蔵の海は色が透き通った青色で
特別な感じ。
この景色だけで、東京で溜め込んできた様々なストレスや疲れが
ぶっとんだ気がした。
誘ってくれた二瓶さんに感謝!
コテージ1人宿泊はさすがに切なかったけど、、ね。。
まあこれも貴重な経験だということで。
2日目、皆はまた朝からイルカウォッチングに出かけたけど、
私はどうしても「巨樹の森」が見に行きたくて一人パスする。
御蔵島はイルカだけでなく、「巨樹」の森でも有名な島。
観光案内所で詳しい行き方を聞いて、「タンテイロの森」へ向かった。
森への入り口は、宿から歩いて20分ほどの橋の中ほどにあった。
タンテイロの森 入り口こちら、という看板を頼りに、小さな階段を上っていく。
きちんと舗装された階段ではなく木を並べてあるだけの階段で、
途中階段が途切れていたり、森全体がすごく静かでうっそうとしてて迫力が
あって。
ドキドキしながらおっかなビックリ進んでいくと、恐らく最終
地点と思われる場所に先客がいた。
同じく東京から観光に来たという3人組。
「ここがそうですか?」と聞くと
「たぶんそうだと思う」
見上げると、年季の入った立派なスダジイの木が2本、こちらを見下ろしていた。
思ったより小さかったな。
もう少し先までいくともっと幹周が大きなものもあるらしいんだけど
そこに行くにはガイドさんが必要とのこと。残念、、、
しばらく森林浴して、3人組にくっついて山を下りる。
午後からは、前日からお願いしてあったガイドさんの案内で
山の上のほうにある「御代ヶ池」を見に行く。
ガイドさんと言っても、普通の島のおっちゃん。
手が空いてる人が自家用車に乗って来てくれるって感じ。
自家用車で、途中色々と観光スポットに寄ってもらいながら御代ヶ池の入り口まで向かう。
そこから御代ヶ池までの道のりは緩急激しくてなかなかのアドベンチャーだった。
雨が降ったら沢になる、という苔むした石と石の合間を杖をつきつき進んでいく。
たくさんある種類の植物をおっちゃんが1つ1つ説明してくれる。
御代ヶ池は、森の中に突然姿を現した。
なんでこんなに山の高いところに池があるのか、、、
不思議。
池のほとりにあるベンチで皆で休憩していると、次のお客さんが
ガイドに連れられてやってきた。
ガイドのおっちゃん同士はもちろん知り合いで(たぶん島には知り合いじゃない
人はいない。)
2人でかわるがわる島で起きた色んな話をしてくれた。
W大の学生がかつて勝手に山に入ってロッククライミングして、滝つぼに落っこちた話とか。
島の人総出で捜索に出て、結局3日後に無事発見されヘリで救出されたそう。
他にも勝手にガイドさんなしで山に入ってキャンプして遭難するようなケースも多いそうで。
この島の人たちは、自分勝手な観光客がくるたびにその尻ぬぐいをさせられてきたんだな、、、なのに未だに観光客にこんなに優しい。
今回のガイドのおっちゃんも、まだ時間あるから特別に、って御代ヶ池を出てからも、昔の集落があった南郷の里に車を向かわせてくれた。
昔はちゃんと舗装された道がなく、けもの道のような道なき道を重い荷物を背負って行き来していたんだとか。
そのせいか、島のお年寄りたちは皆ほんとに元気!
この島の人たちの素晴らしいところはやっぱり自然を大切にしているってことだろう。
今のエコブームとか、そんなものが叫ばれる遥か前から、自分たちの生きてく術として大事な資源を島から枯らさない努力を当たり前のように続けてきたんだ。
そして、全員が支えあって生きてる。
まるで島全体が1つの家族みたいに。
3日目の朝はあいにくの雨だった。
東京に帰る日。
何もすることがなくて、宿にある本を読んだり、同部屋の女の子に
イルカの写真を見せてもらったりしながら過ごした。
ああ、またあの日常に戻っていくのか。。
忙しくて刺激的でストレスフルな毎日に。。
でも、たとえ東京に戻ってまたつらいこととか嫌なことがあっても、この島の人たちは今日もきっと、優しく強く変わらない毎日を営んでいる。
だから、またヘコんだらあの島に行って元気をもらえばいいや!といつでも思える。
そんな場所が見つけられて良かった!
GWの旅日記はこれにておしまい。長くてすみません!
まだ仕事エンジン全然かかんないけど、今日からまた頑張ります。