事業を継続・発展させるために重要な『経営計画』は、策定して終わりではなく、その計画をスタートさせなければ意味がありません。経営計画を策定する重要性や見直しの必要性と、そのタイミングについて確認していきましょう

経営計画はビジョンを明確に示し経営戦略や目標を可視化すること

 人・モノ・金・情報といった経営資源には限りがあり、近年では経済情勢や外部環境の変化も著しいため、経営はいうまでもなく、一朝一夕で成功を収められるほど簡単なものではありません。
そこで重要なのが経営計画です。経営計画とは、経営理念を実現するために、目標やビジョンを明確にし、経営戦略や行動計画を具体的に示すことです。
経営計画のない企業経営は航海にたとえるなら、地図やコンパスを持たずに航行するようなもの。自社が今どこに向かっているのかわからずに働く従業員は、不安になるでしょう。
経営目標や戦略を策定することはもちろん大事ですが、それを可視化できなければ意味をなしません。経営計画を示すことで、社内の暗黙のルールだった目標や方向性が明確になり、事業計画もスムーズに運ぶようになります。そして、それが理念と
なって社内に根付きます。結果、社員側も自分の将来における人生設計が可能となり、安心して働けるようになるのです。
 経営計画がしっかり構築されている企業には、そうでない企業よりも優秀な人材が集まりやすい傾向があります。また、金融機関から融資を受ける場合、そもそも経営(事業)計画がないと審査に通りません。公的な補助金や助成金を申請する際も、綿密な経営計画を策定すると採択率が高まるといわれています。
経営計画の策定は、資金調達において有利に働き、取引先や従業員・求職者からの信用力強化の観点からも有用だといえるでしょう。

社内外環境の変化を早期に見極め,軌道修正することが大きなカギ

 

   策定した経営計画を完璧に遂行するのは事実上不可能です。不確実性の高い時代といわれるなかで、計画通りにいかないことのほうが多いのは当然でしょう。
また、経営計画策定後に非常に重要なのが、定期的に経営計画の進捗を確認することです。見直しのスパンは短期であればあるほど好ましいといえます。特に近年は感染症の流行や物価上昇・為替市況などの観点から、先々を見通すことがむずかしい情
勢です。しかし、むしろこのように事業環境(外部環境)が変化したタイミングこそ経営計画の見直しが必須です。そのなかで、計画が期限内に達成できそうもないと判断されたのであれば、迅速に軌道修正を行いましょう。逆に計画が早期に達成する見込みとなった場合も同様です。
 

   会社経営を成功に導くために重要なツールである経営計画は、策定して終わりではありません。環境の変化に対応しつつ、成長し続けていくためにも、経営計画を策定したあとは、定期的に見直しながら運用していきましょう