Lius Reise
Catherine Louis
ある夜、月の光が窓から差し込みました。
私はお爺さんの夢を見ました。
表紙からも分かるようにこの本では簡単な漢字がその成り立ちと共に紹介されています。
それらの漢字を使った物語と言えるでしょう。
漢字や絵を切り取ってカードとして遊べる付録まで付いています。
私達には殆どお馴染みの漢字ですが、「folgen」の意味で使われている、人が二つ並んでいる漢字は面白いなあと思いました。
作者とは別で Feng Xiao Min という人の筆書きであまりはっきりしませんが、一見「以」という漢字の点が無い漢字に似ています。
また、「Endlich sah ich das Haus meines Grossvaters in der Ferne. 」の文中の「sehen」という意味で「看」という漢字が登場しているのが興味深いです。
また、「Landschaft」の意味で「郷」が出てきますが、この本では「郷」の真ん中のつくりの上に点がついています。
実は私、長年勘違いして日本語の「郷」という漢字に点をつけていました。
大学生ぐらいだったか、初めてそれを指摘してくれた人がいて、自分の字の間違いに気づくことができ良かったのと同時に恥ずかしい思いもしたのです。
原題はフランス語で、「Liu et l'oiseau」(リウと鳥)です。
訳者はCornelia Hausherrという方で、内容的にはドイツ語の「リウの旅」でも勿論間違いとは言えませんが、この本を最後まで読んでみると断然「リウと鳥」の方がいいです。
勿論好みの問題もあるでしょうが、百人ぐらいの人に読んでもらって、どっちの題名がいいかアンケートをとってみたいぐらいです。
私は原題を「安易に」(翻訳するときによほどの理由もなく)変更することには反対です。