「何してんの?」

いつもより声が低く怒りオーラをまとった晴がそこに立っていた。


「別になんでもいいだろ」

「ふっざくんなっ!」

晴は思いっきり拳を握りしめて夏生の顔を殴った。

「ぃってー!!ふざくんなよ!晴!」

「ふざけてんのはお前らだろ!」

「だからって殴るこたぁねーだろ!」

部屋中に夏生と晴の怒鳴り声が響く中、俺はどうしたらいいのか分からなくなった。

「だいたい零!お前もお前だ!俺に似てたら誰でもいーのかよ!」

違う…晴に嫌われる。違う。晴だから…晴だけなのに…

「ち…がう。」

「違わねーだろ!ならなんだ?!俺に飽きたのか?飽きたから夏生に乗り換えようってか?!」

「乗り換えてなんか!」

だめだ、目尻が熱い。頭がズキズキと痛む。どう言ったらいい。どう言ったら分かってくれる。

「ふざくんなよ」

ポツリと呟く声に反応する。晴にだけは嫌われたくない。

「俺帰るわ。殴られたとこ痛いし」

「おい!ナツ!」

「たく…何なんだよ…。…零?」

「…っく…っ…」

もう嫌だ。きっと呆れられた。もう要らないって言われたら…

「零…!?」

涙で前が見えなかったけどきっと晴はびっくりした顔をしているだろう。

「見るな…!」

こんな姿見て欲しくない。もっと嫌われる。呆れられる。捨てられる。

「零ごめん」

晴が手を伸ばしかけたのが分かった

「触るな!ごほっ、…こほっ」

気分が悪かったことを忘れ大声をあげたから喉を痛い。でもこんなのどうでもいい。

「ごめん、零。ごめん。忘れてた。お前具合悪かったんだよな。本当ごめん…」

晴は俺を抱きしめ何度もごめん。と繰り返してた

「これ、夏生が?」

「な…にが。」

晴はその後俺の首筋にキスをした

「上書き完了」

何のことだか分からなかったがただただ晴が俺を抱きしめてくれてるのがとてつもなく嬉しかった

「ん?そいやお前まだ熱いな。」

晴は俺の額に自分の額をくっつけて熱をはかった

「熱あるのに怒鳴ってごめん」

「俺のこと…嫌いになったか?呆れたか?」

「嫌いになんてならねーよ。」

その言葉が俺の心を軽くした。晴が愛おしい。とてつもなく愛おしい。

「キス…したい」

「俺も…」

晴は優しく微笑みゆっくりと口付けを交わす

「零…。もう少し寝ときな」

「ん。」

頭を撫でる手は暖かくて俺を優しく眠りにつかせる。

起きたらいろいろと謝らないと…。そして好きだと言いたい…。伝えたい。俺の想いを…。