妻が出て行ってから、
初めての出勤だったけど、
やはり、会社に着いても、
全く仕事が手につかない…。
そうこうしているうちに、
子どものお見舞いに行く時間だ。
俺は、仕事を途中で止めて、
子どものお見舞いに向かった。
当たり前のように、
この日も妻はいなかった…。
病院の受付に記帳もないし、
面会ノートにも何も書いていなかった。
看護師に聞いても、
妻は来ていないとのことだった…。
面会時間いっぱい待っていたけど、
やはり妻は来なかった…。
俺は、そのまま仕事に戻った…。
でも、仕事を頑張る気分なんかには、
なかなか、なれなかった…。
子どもの病気のこと……。
妻が出て行ったこと……。
頭の中には、仕事じゃなくって、
そんなことで、いっぱいだった…。
職場の連中には、
子どもの病気のことだけは、
伝えてあったから、
「お子さん、どうですか?」
って心配して声をかけてくれた。
でも、妻のことは黙っていた。
わざわざ俺から、
妻が出て行ったことを、
みんなに言う必要はない。
しかも、離婚宣言された訳だから、
しばらく黙っておくことにした。
でも、周りから見たら、
いつもと様子が違うことに、
何となく気づかれていただろうな…。
だから、職場の連中は、
(子どもの具合が思わしくないのかも?)
って思っていたかもしれない。
みんなに心配をかけながらも、
休んでいた間の仕事を、
何とか片づけていった。
夕方、仕事を終わらせ、
俺は、帰りがけに病院へ寄った。