妻がメモを残して家を出ていったのは、
この前日のことだった。
あまりにも目まぐるしい一日だった。
妻と妻の両親は、
一度も電話に出ることもなく、
留守電にメッセージを残したり、
メールを入れておいたけど、
なんの連絡もないままだった。
家を出て行ったまま、
その日は、子どもの面会に来なかった。
しかし、翌日には病院に来ていた。
妻とは、いろいろ話したけど、
全く話にならなかった。
「もう決めたから!」
あまりにも一方的で、
滑稽な話し方だった…。
入院中の子どもより、
あくまでも自分のことが最優先という妻…。
妻の実家で、夏休みを満喫している上の子どもを、
入院中の子どもより大事だという妻…。
俺は、妻の連れ子のことは、
本当に可愛がってきたつもりだし、
入院中の俺の実の子どもを、
ひいきする気なんか全くない。
でも入院中の今は、
最優先となるのは当たり前だ。
やっぱり、妻の言っていたことは、
全く理解できなかった。
妻の父親とは、
今日、初めて腹を割って話した。
父親なんだから、
ちゃんと妻の母親に言い聞かせ、
娘の妻にも立ち場をわきまえさせ、
きちんと父親としての威厳を、
妻と妻の母親に見せてもらい。
でも、あの男は、
情けない野郎だから、
おそらく妻の母親に、
完全にやり込められているだろう。
アテにはならないな…。
妻の母親は……。
あの女こそ、悪の枢軸だ。
どうにもならないだろう…。
病院での態度で、
あの女の本性が露呈された。
あの女は、全てのおいて、
自分が最優先じゃないと、
どうしても気が済まないんだろう。
妻は、その血を完全に継いでいる。
だから、妻の言動となっているんだ。
俺は、妻の母親が一番気に入らなかった。
そして、妻の母親とは、
一生相容れないだろうと感じていた。
冷静に考えれば、
もはや、妻とやり直すことは、
不可能に近いだろう…。
それでも生まれたばかりの子どもや
妻の連れ子である上の子どものためには、
やはり4人でやり直すことが、
絶対良いに決まってる。
俺は、その僅かな可能性に賭けたい。
前向きに考えようとすると、
妻の母親の顔が出てくる…。
やっぱ無理かも……。
こうして、妻が出て行った翌日は、
ゴチャゴチャのまま過ぎていった…。