妻の母親は、近づいてくるなり、


「むこうのお父さんが凄い勢いで来て、

 お父さんを下へ連れて行ったの!」


と、妻に話してきた。







下へ?



おそらく病院の1階にある喫茶店だろう。



親父が妻の父親を連れて出して、

話しているんだな。



親父、なかなかやるじゃないか!








俺と妻と妻の母親は、

子どもの病室を出てから、

ナースセンター近くの

廊下の真ん中にいた。






そこへ、妊婦の患者さんが現れた。







俺は、患者さんが通れるように、

廊下の端に寄った。






どういうつもりか、

妻と妻の母親は、

患者さんに道をあけようとしない。







俺は、妻と妻の母親に、


「こっちへ寄ってあげな。」


と、患者さんと逆側に退くよう言った。






ところが、妻の母親は、

俺の指示とは反対の患者さん側へ動いた。






なぜ?





俺は、妻の母親に、


「そこじゃ患者さんが通るのに、

 邪魔になるから、こっちへ。」


と、再び言ったけど、

妻の母親は、動かなかった……。







俺は、妻の母親に対して、

どうしようもない怒りがこみ上げてきて、

それを抑えることができなかった。



「なんて非常識なんだ!」







妻の母親は、逆ギレして、


「通れるでしょ!」








その妊婦の患者さんは、

結局、妻の母親を避けながら、

通り過ぎていった……。