妻と妻の両親は、
病室の受付に向かって歩いてきた。
そして、俺たちに気づくと、
3人揃って物凄く酷い形相に変わり、
俺たちに背を向けながら、
記帳していた。
さすが親子というか、
さすが家族というか、
3人とも呆れるほどに、
同じような醜い形相だった。
俺は、妻と話さなきゃならない。
俺が、妻に近づくと、
妻の父親が、
「なんだ!!」
と、強くきつい口調で、
しかも、冷たく突き放すような
何とも変な言い方をしてきた。
俺は、妻の父親を相手にすることなく、
妻の方へ行こうとすると、
今度は、妻の母親が、
俺を妻に近づけないように
間に入ってブロックしてきた…。
呆れた俺は、おふくろに確認した。
「あの態度、見た?」
おふくろからも、ちゃんと見えていたようだ。
俺は、親父を呼ぶように、
おふくろに頼んだ。
親父とおふくろで、
妻の両親の応対をさせようと、
考えたからだ。
俺は、再び妻と妻の両親に近づき、
「子どもの状態を話します。」
と、伝えた。
ところが、妻の母親は、
「先に行っちゃいなさい。」
と、妻を病室へ促してきた。
俺が、子どもの病状を説明する
と言っているのに、
妻と妻の両親は、
全く聞く耳を持たなかった。
しかも、妻と妻の両親は、
前日、お見舞いに来ていないのに、
この態度だ!
やはり、俺には、
妻と妻の両親のことを、
全く理解することができない…。
妻が病室へ向かったため、
すぐに俺も後を追った。
病室に入る前のロッカー室で、
俺たちの前の見舞客が帰るまで、
待機している間に、
妻は、子どもの状態を聞いこなかったから、
俺から、妻に子どもの状態を説明した。
でも、普通なら、子どもが心配なら、
自分から聞いてくると思うけど…。
子どもの病状以外にも、
話をする時間があったから、
俺は、妻に聞きたいことや
言いたいことを伝え始めた…。