お色直しの再入場のときは、
初めの入場と違って、
スポットライトにも慣れたのか、
みんなの顔をちゃんと見て、
ひとりひとりに挨拶しながら、
各テーブルを回って、
キャンドルサービスをしていった。
予想どおり、なかなか着火しないように、
小細工をしてくれたヤツもいた。
そして、ケーキ入刀。
ケーキの種類は、
まっ白いデコレーションケーキじゃなくて、
黒いガトーショコラにした。
理由は、
もちろん妻がシングルマザーで再婚だから…。
じゃなくって、
俺がガトーショコラを好きだから
っていう単純なものだった。
あと、俺の地元じゃ、
ウェディングケーキにガトーショコラを使った例は、
まだ無いって話で、
俺たちが初めてってことだったから。
つまり、初めてってのに惹かれたわけだ。
余興は、本当にやかましく、とても楽しかった。
男の先輩が、
「あの鐘を鳴らすのはあなた」を歌ってくれて、
笑えたけど上手かった。
後輩や部下の演劇は、
くだらなかったけど、大爆笑だった。
新婦側の友人も定番の歌を合唱してた。
あっという間に、花束贈呈と新婦の手紙。
正直言って、あんまり覚えていない………。
本来、披露宴の一番盛り上がるところだけど、
ほとんど覚えていない…。
妻には悪いけど、覚えていない……。
そのときの俺は、
披露宴の最後に控えている挨拶のことで、
頭がいっぱいだった…。
人前でのプレゼンは、仕事で慣れてるんだけど、
さすがにかなり緊張していたのかも…。
もしかしたら、ろくに食べないで、
やたらと飲まされてたから、
少し酔っぱらっていたのかも…。
いや、やっぱり挨拶のことで、
頭がいっぱいだったんだ。