彼女との結婚を決めてから、すぐに式場を探し始めた。
相変わらず遠距離恋愛だったし、
俺の実家と彼女の実家も遠距離だったから、
結婚式をどこで挙げるのか?
これが問題だった…。
俺は、順調に出世していた。
給料も、同じ世代と比べれば、トップレベルにもらっていた。
いわゆる順風満帆と言われるような人生を送っていた。
エリートコースを歩んでいたと言えるのかもしれない。
彼女は、シングルマザー。
そのときの俺は、仕事だけを見れば成功していたし、
結婚相手がシングルマザーだったから、
俺の両親や友人は、
この結婚に賛成してくれなかったのだろう…。
「わざわざ、そんな条件の女性を選ばなくても良いじゃないか。」
そう言われたこともあった…。
だから、俺は、
結婚式を俺の実家のある故郷でやると決めたんだ。
親父やおふくろに、ある種、敬意を表したつもりだった。
俺は、地元で一番の式場となる、
皇族の御用達にもなっているホテルを選んだ。
実は、会社関係者のことを考えると、
招待するには場所的に不便だったから
少し気が引けたんだけど、
全てにおいて、
俺の両親の気持ちを優先に考えさせてもらった。
もちろん彼女には、
俺の地元で式を挙げることを話し、
彼女も賛成してくれた。
挙式は、相手がシングルマザーということもあったので、
バージンロードのチャペル式じゃなく、神前式にした。
式で使う音楽は、彼女に全て任せた。
衣装合わせも、順調に進めた。
そうして、ホテルのスタッフと、
何度も打ち合わせを重ねていった。
そう、結婚式に向けては、まずまず問題なく進んだんだ。