無事、俺の両親に、
シングルマザーの彼女と結婚するって挨拶が済んだから、
今度は、彼女の実家へ挨拶しに行くことになった。
ところが、前日に急な接待が入ってしまい、
明け方まで飲むハメになってしまった……。
翌朝、俺は、一睡もしないで電車に乗り込んだ。
乗り換えの駅で、手土産を買った。
これで、準備万端だ。
電車の中では、
あいさつの言葉を考えながら、
睡魔と闘っていた。
乗り過ごすことなく、彼女の待つ駅に到着したけど、
もはや眠気の限界に達していた…。
仮眠を取る時間はなかったから、
そのまま彼女の実家へ向かった。
ついに、彼女の両親へ、
結婚のあいさつをする時がきた。
彼女の両親とは、何度か会ったことがあったけど、
さすがに少し緊張してきた。
この日が来るまで、本当にいろいろあった…。
彼女の父親や母親とは、何度かもめたことがあった…。
印象的なことを一つだけ挙げると、
「娘と付き合うなら、一言あるべきだ。」
と彼女の両親に言われたことがあった…。
俺は、カチンときた。
俺からすれば、
バツイチで子連れの娘の親ともなれば、
そんな高飛車なことは言えないはずだと思っていた。
そんなことが何度もあった上での、
結婚のあいさつだったから、
「娘さんをください。」
とか
「結婚させて下さい。」
このセリフだけは、
どうしても言いたくなかった…。
そして、彼女の実家に着いた。
彼女の実家は・・・。
ふだんから片付いていないと感じさせるほどに、
とてもじゃないが、きれいとは言えない状態だった……。
猫などを飼っていることは聞いていたけど、
かなり臭った……。
ちなみに、俺は猫アレルギーだ。
事前に彼女は両親へ話していたらしく、
猫は隔離したようだった。
猫アレルギーの人ならわかると思うけど、
猫がいた部屋は、それだけで症状が出る…。
さっそく目がかゆくなり始めた……。
奥の部屋に通され、手土産を渡した。
俺は、彼女の両親に向かって話し始めた。
「娘さんと結婚します。今日は、その報告に来ました。」
彼女の父親は、
「よろしく頼むよ。」
と言った。
その後、雑談程度の会話をしたけど、
俺が寝ていないことを彼女が言ってくれて、
長々と居ることにはならずに帰ることができた。
気になったこといえば、
彼女の実家は、父親の威厳が感じられなかったこと。
完全に母親が管理している。
母親が支配している。
でも、婿養子になるわけじゃないから、
あまり深くは考えなかった…。
のちに、このことが大きな意味を持つことを、
そのときはまだ知る由もなかった……。
こうして、シングルマザーの彼女の
実家へのあいさつは無事に済んだ。