シングルマザーの彼女との結婚を決意した俺は、
次々と行動に出た。
「今度、俺の実家にあいさつに行こう。
結婚するぞ。」
俺は、彼女に突然、電話で言った。
当たり前だけど、彼女は、面喰ったようだった。
「まず、俺の実家に話してくる。
それから、お前と一緒に実家へあいさつに行く。
その後に、お前の実家へあいさつに行く。
それで良いか?」
「うれしいけど…、何でそんなに突然なの?」
「今度、子どもが小学校へ上がるからな。
前から考えていたんだ。それで良いな?」
「うん…。」
どう考えても、
ちゃんとしたプロポーズじゃなかった…。
次に、俺の親父に話した。
帰省した時に、初めて親父を飲みに誘った。
交際している女性がいること、
その女性に子どもがいること、
その彼女と結婚する気でいること、
俺は、どんどん親父に話した。
親父は、
「お前から酒を誘ってきたから、そんな気がしていた。
子どもがいることには驚いたけどな。
本音を言えば、もちろん、反対だ。
だけど、お前が決めたんなら、俺は何も言わん……。」
意外だった…。
猛烈に反対されるものと思っていた。
何となくだけど、喜ばれていないことは、伝わってきた…。
だけど、そのときの俺は、
親父に祝福されていないことよりも、
猛烈に反対されなかったことに安堵していた。
親父に話した次の日、おふくろにも話した。
おふくろは、無言だった………。
反対されていたことは、明らかだった…。
でも、俺は、親父から猛烈に反対されなかったことで、
一気に突き進んでいった……。
あのとき、シングルマザーの彼女との結婚を、
両親に止めてもらいたかった訳じゃない。
ただ、俺は、自分が決めた道を、
一方的に突き進んでしまっただけだ…。
後戻りのできない状況に、
自分からハマっていっただけだ…。
取り返しのつかないことになるとは、全く知らずに………。