もう限界! 平和と社会保障を立て直せ! 9.25いのちまもる総行動 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

2025年は、転換の年です。

今度こそ立憲野党による政権交代を実現し、悪政によって痛めつけられた医療・介護・社会保障を立て直し、防衛費倍増をやめさせて国民生活を豊かにするために税金を使わせ、平和憲法を活かした積極外交を行ない、核兵器禁止条約を批准し、安心して働き続けられる職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。

そして、戦争・紛争が一日も早く終結し、災害の被災者のための真の復興が行なわれ、世界中の人々が安心して暮らせるようになることを願います。

 

 

9月25日、「もう限界! 平和と社会保障を立て直せ! 9.25いのちまもる総行動」に参加しました。

以下、その概要をまとめます。

 

実行委員会のあいさつは、日本医労連の佐々木委員長が行ないました。

佐々木委員長は多数の参加へのお礼を述べ、国民の命、権利を守るために奮闘する皆さんに敬意を表すると述べました。今年の集会名には、「もう限界」という言葉が入っていますが、これは厳しい生活、長時間労働、軍事費が過去最高となる一方で医療・介護の事業所は倒産が相次いでいるといった状況を表していると指摘しました。そして、政治不信により、与党は衆参両院で過半数割れとなりましたが、アメリカ追随、医療費4兆円削減といった政治は変わらず、医療・介護は危機に瀕していると指摘しました。医療機関を赤字に追い込んだうえで、1床あたり400万円という補助金を使って1万1,000床の病床が削減されているそうです。コロナ禍の反省が生かされず、国民の命が軽視されていると指摘しました。自民党の顔がすげかわっても政治は変わらず、国民が声を上げ。国民第一の政治へ転換させるしかないと述べました。戦後80年となりましたが、戦争させない国づくりを行なうべきであり、政治転換のため、医療・介護・福祉を守れの声を上げようと呼びかけました。そして、パレードも含めて最後までにご協力をお願いしたいと述べました。

 

続いて、「ザ・ニュースペーパー」によるトークショーが行なわれました。

ライブでこそおもしろいトークショーを文章で紹介するのは野暮ですので、登場した政治家だけご紹介します。

今回は、アメリカのトランプ大統領とバイデン前大統領、維新の会の前代表の前原誠司氏、日本共産党の志位和夫委員長、小泉純一郎元首相が登場しました。

 

次に、集会に114通のメッセージが送られたことが紹介され、日本医師会会長のメッセージが代読されました。

メッセージは集会のホームページで読めるそうです。

 

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続いて、国会議員のあいさつが行なわれました。

立憲民主党からは、石垣のりこ参議院議員と藤原規眞衆議院議員が参加しました。

石垣議員は、日頃からの皆さんのお仕事と連帯に感謝すると述べました。そして、今年に入って35の医療機関が倒産し、6割が赤字となっており、皆さんが「もう限界」と言うような政治状況はあってはならないと述べました。石破さんが国連ではいい演説をしましたが、与党はやるべき役割を果たしているのか、私たちの命を守るために与党として仕事をしているのかと問いかけました。野党が連帯してたたかっていきたいと思うと表明しました。

藤原議員は、野党共闘に突き進んだのは平和と社会保障を守るためだと述べ、最強の福祉国家をつくっていきましょうと呼びかけました。

日本共産党からは、小池晃書記局長、白川容子参議院議員、仁比聡平参議院議員、田村貴昭衆議院議員が参加し、小池書記局長が代表してあいさつしました。

小池書記局長は、自民党総裁選をテレビで見てうんざりしているのではないかと述べました。子ども食堂で自分の誕生日ケーキを出させたり、奈良公園で外国人が鹿を蹴っているなどの根拠不明のことを言ったりしていると指摘しました。そして、自民党に任せていたらこの国の政治は変わらないことがはっきりしたと指摘しました。本当に政治を変えなければならないと述べました。コロナの時にケア労働者の大切さを実感しましたが、この物価高で大変な危機となっており、次の改定時期を待たずに診療報酬・介護報酬の引き上げが必要だと指摘しました。高齢者と現役世代を対立されることは間違っており、高齢者もみんな昔は若かったのであり、若い人もいずれは高齢者になると述べました。そして、社会保障は憲法25条に基づいて全ての人の生活を支えるためにあると述べました。平和でこそ社会保障の財源はつくれると述べました。マイナ保険証、高額療養費の負担増を許さず、国会で声を上げていくと述べました。

れいわ新選組からは大島九州男参議院議員が参加しました。大島議員は、れいわと言えば消費税廃止ですが、消費税は仕組みがよくないと述べました。年金生活者や子どもからも取り、大企業に還元していると指摘しました。下から上へ還流したら命は守れず、だから、変えていくのが政治の役割だと述べました。野党が一本にならないのでなかなか政治が変わらないが、力を合わせるためには皆さんの声が必要だと呼びかけました。皆さんと一緒に変えていくことを誓うと述べました。

 

国民民主党、れいわ新選組、社会民主党、沖縄の風からはメッセージが届いたとのことでした。

 

続いて、リレートークが行なわれました。

全国保険医団体連合会の宇佐美さんは、ガザとウクライナでは多くの子どもたちが命を落としており、東京大空襲では一夜で10万人が命を落としたと述べました。戦争で犠牲になるのは一般国民、特に女性と子どもだと指摘しました。日本は戦争で多大な犠牲をはらい、結局は敗戦しました。宇佐美さんは愛犬を軍隊へ取られたそうです。戦争には莫大なお金がかかり、国民は窮乏生活となると指摘しました。戦争反対の声をあげれば即逮捕でした。今、じわじわとものを言えない国が近づいてきていると指摘しました。マイナ保険証は国民を管理する道具であり、社会保障はどんどん削られると述べました。平和なくては社会保障はなく、一緒に頑張りましょうと呼びかけました。

東京健生会の看護師の若林さんは、訪問看護師をしており、看護師になって30年だと述べました。人のためになる仕事がしたいと思い、国家資格だから安定した仕事だろうと看護師を選んだそうです。しばらくは夢中で働いていましたが、結婚、育児を経験し、自分たちが過重労働をしているのに見合った賃金をもらっていないと気づいたと述べました。看護の仕事はいくらもあり、16時に緊急入院ですと言われた時の絶望感。それが私たちのメンタル不全につながると述べました。充分に話を聴けない中、若手はメンタル不調に陥っているそうです。やり甲斐を持てず、忙殺されるのが辛いと述べました。訪問看護師も募集しても看護師が来ないそうです。酷暑でダメージを受け、自転車事故で長期療養する看護師もいるそうです。豪雨、雷雨の日もあり、急ぎも事故につながると指摘しました。もっと仲間を増やすには処遇改善が必要であり、私たちの生活が確保できなければ患者さんの命も守れないと述べました。なぜ命を守っている医療者が軽視されるのかと問いかけました。退職を引き止められるだけの処遇改善をと呼びかけました。

山梨勤労者医療会の外所さんは、訪問介護の報酬引き下げに反対だと述べました。昨年7月、県内の訪問介護事業所にアンケート調査を行ない、50%超の回答があったそうです。そこで、プロジェクトチームを立ち上げ、上野千鶴子先生の講演を行なったそうです。今年の8月には2回目のアンケートを行ない、報酬引き下げ後、収入が5%以上減った事業所が7割以上あり、訪問介護事業をやめたところもあるという結果だったそうです。そして、「たとえ加算を増やしても基本報酬を減らしたら経営は成り立たない」、「在宅での介護を進めるなら訪問介護の報酬引き上げを」などの意見が寄せられたそうです。議会は保守派が多く、請願は否決されてしまいましたが、介護は高齢者の尊厳を守り、地域経済を守るものだと指摘しました。上野先生が、自分たちの仕事の社会的報酬は自分たちで立ち上がって引き上げなければならないと著書で書かれていることを紹介しました。

福祉保育労の日野さんは、1歳から5歳の子どもたち42人の保育を行なっており、保育士の配置は各クラス2名で丁寧に対応しているが、人件費は低く抑えられていると述べました。人が足りず、休みが取れず、生活が困難で安心して働けないと指摘しました。国の配置基準はまだまだ見合っておらず、災害時は1人の保育士が0歳児を3人抱えなければ避難できないと指摘しました。一人一人大切な命を預かっているが、私たちも人間であり、限界で辞めていく人が多いと述べました。政府は社会保障より軍事で、戦後80年で戦時中のことを取り上げられているが、平和について考えなければならないと述べました。沖縄平和ツアーに参加したそうです。日本政府には黙っていられず、今こそ訴えていきたいと述べました。

全労連副議長の石川さんは、マイナンバー制度反対連絡会として発言しました。7月のマイナ保険証の利用率は約31%で、政府の狙いは大外れだと指摘しました。しかし、保険証の期限が切れてきており、実はマイナ保険証も5年で期限切れになり、更新しないと使えなくなるそうです。政府はマイナ保険証のメリットばかり宣伝して、対応は後手後手に回っているそうです。後期高齢者には全員資格確認書を発行し、期限切れの保険証も3月まで使えることにしたそうです。「急いては事を仕損じる」と新聞の社説に書かれたそうです。そもそも取得が任意のマイナンバーカードに誰もが必要な保険証を紐づけるのが間違いであり、従来の保険証との併用を認めるしかないと指摘しました。保険証残しての署名を呼びかけると、わずか1時間で多くの署名が集まるそうです。集会の前に、厚労省とデジタル庁との交渉を行ないましたが、保険証の復活を求めるが円滑な移行を進めるとしか言わなかったそうです。質問には全く答えられなかったそうです。健康保険証はすぐれた仕組みであり、マイナ保険証はポンコツだと指摘しました。力を合わせて復活させましょうと呼びかけました。

 

パレードのコーラーを担当するため、アピールと閉会あいさつは聞きことができませんでした。

集会の参加者は約2,200人だったとのことでした。

パレードは東京駅までで、「このままじゃ医療従事者がいなくなるぞ」、「介護従事者がいなくなるぞ」、「医療現場はもう限界だぞ」、「介護現場はもう限界だぞ」、「福祉・保育現場ももう限界だぞ」など、今までにはなかったコールが行なわれました。

 

以上で報告を終わります。