6・2オール埼玉総行動 埼玉から流れを変えよう! | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

2019年は、正念場の年です。

憲法9条を中心とする憲法改悪を断念させ、沖縄の辺野古新基地建設をストップさせ、「自己責任論」を背景に進行し続ける社会保障切り下げに歯止めをかけ、特定秘密保護法・戦争法・共謀罪法などの悪法の廃止を求め、「働き方改革」一括法に含まれている毒を制し、よい部分を生かし、労働者をはじめとする99%の人たちのいのちと健康と働く権利を守るために行動し、憲法が活きる社会となることを目指し、声を上げ続けることを提起します。

 

 

6月2日、北浦和公園にて「6・2オール埼玉総行動」が行なわれ、1万2000人が参加しました。以下、その概要をまとめます。

 

オープニングは、トランペットの演奏と埼玉うたごえ協議会の方々の合唱でした。

トランペットのファンファーレで、集会が開会されました。

実行委員や各地域連絡会の代表の紹介の後、小出実行委員長が主催者あいさつを行ないました。

小出さんは、第8回のオール埼玉総行動に集まってくださった皆さんにお礼を述べました。安倍自民党は、いよいよ9条に自衛隊を明記しようとしており、7月の参院選のメイン公約にするそうです。安倍首相は、「国民の8割が支持している自衛隊を憲法に書くだけ」、「何も変わらない」と言っていますが、全くの嘘であり、日本国憲法の恒久平和主義、9条2項の戦争放棄、「国の交戦権はこれを認めない」が死文化し、ないと同じになってしまうと指摘しました。自衛隊は無制限に集団的自衛権の行使が可能になり、アメリカについて戦争する国になってしまうと指摘しました。そして、実は自衛隊員の命を守っているのは憲法9条なのだと述べました。断じて改憲を許してはならず、平和を守るのは皆さんだと述べました。その方法の1つは3000万署名であり、もう1つは選挙に勝つことであり、国民の力による、国民が支援する野党共闘をつくるしかないと指摘しました。国民の本気度、情熱にかかっていると述べました。今、この時に、政党は四の五の言うな、一点で共闘して頑張れと言いたいと述べました。30の1人区に続いて、共闘の候補を掲げるのに全力をあげるべきであり、正念場の年だと指摘しました。埼玉では野党共闘が進み、地域連絡会が15選挙区全てで出来ており、みんなが協力して安倍改憲阻止を頑張ろうと述べました。オール埼玉総行動は、戦争をさせない、9条守れがアイデンティティだと述べました。

 

続いて、後援団体からのあいさつが行なわれました。

埼玉弁護士会の吉澤俊一会長は、自衛隊明記案決議をあげたと述べました。9条改憲案に「必要な自衛の措置を妨げず」とあるのは、必要最低限という縛りもなく、無制限、無限定で、フルスペックの集団的自衛権を行使することができるということだそうです。地球の裏側までアメリカを戦争しに行くことになると指摘しました。そのアメリカは、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争をやってきた、極めて戦争好きの国であり、小型核兵器まで開発していると指摘しました。そして、被爆者にどう弁明するのかと問いかけました。マスコミは分断され、フェイクニュースもあり、危険性が十分に知らされていないと述べました。弁護士の中にさえ、自衛隊は合憲だから、憲法に明記するのが当然だと言う人もいるそうです。皆さんの力でお伝え願いたいと述べました。

連合埼玉の佐藤道明事務局長は、働く皆さんの応援団だと述べました。そして、後援団体として敬意を表明したいと述べました。こうして見ると密集度が高いと述べました。実行委員長より1人区の話があり、皆さんはわかっているからこそここへ集まったと述べました。参院選は、32の1人区を一本化し、その32人がみんな通れば大きく世の中は変わると指摘しました。埼玉県は定数が3から4となり、野党が3議席を取ることが野党連携であり、立憲民主党、国民民主党、日本共産党の3者がしっかりと切磋琢磨し、議席を取っていくことが大事だと述べました。候補者だけ、政党だけでは勝てず、皆さんが選挙に行くのが大事であるが、埼玉県は投票率がワースト1位であり、しっかりと投票率を上げ、友達にも投票へ行ってもらおうと呼びかけました。

埼労連の宍戸出事務局長は、安倍政権を倒し、戦争する国を許さないために参院選に勝利する決意を固め合おうと述べました。埼玉県は3対1で勝利して全国を引っ張り、オール埼玉の経験を広げていくと述べました。どうせ与党が強いと思っている人もいるが、しかし、最大多数は投票に行かない人たちだと指摘しました。その人たちが投票へ行く状況をつくることが大事であり、3000万署名で対話を広げることが大きな力になると述べました。投票に行っても変わらないという思いが強いが、私たちは諦めていないこと伝え、その人たちが投票に行った時に劇的に変わると述べました。対話を進め、勝利する決意を固め、ともに頑張りましょうと呼びかけました。

 

続いて、ゲストスピーカーとして、国際ジャーナリストの伊藤千尋さんがスピーチしました。

伊藤さんは、2年前もここに参加したと述べました。その際、日本の未来は明るいと述べ、それを本当に明るくするのが参院選だと指摘しました。参議院選挙は、2000年には与党5対野党4であり、その次は与党5対野党2になり、前回は与党5対野党3に盛り返したそうです。次は、与党5対野党5、あるいは5対6と上がって行くしかないと述べました。そのために野党共闘しかないと指摘しました。東北では、野党共闘した5県が勝利したと述べました。そして先日、30の1人区で野党統一候補が立てられたと述べました。

憲法9条をつくったのは日本人だと述べました。総理大臣の幣原喜重郎がマッカーサーに提案したのだと、アメリカの公文書に書いてあるそうです。幣原は、原爆がある今、まずどこかの国が軍隊をなくしますと言うしかないと述べたそうです。世界は一つの世界へ向かうしかなく、日本は今その役割を果たすしかないと述べたそうです。しかし、今自分がそう提案してもつぶされてしまうだろうから、あなたが提案したことにしてほしいとマッカーサーに頼んだそうです。日本国憲法は日本から生まれたものであり、民主主義を実現しようという国民の願いから生まれたものだと述べました。そして、今、日本が誇れるものが他にあるだろうかと問いかけました。経済大国というが、しかし、奨学金を返す国は日本だけだと指摘しました。男女平等も下の方だと指摘しました。唯一誇れるのが日本国憲法であり、その憲法を広めることが世界史的役割だと述べました。

そのためには、私たち自身が元気になることが必要だと述べました。沖縄の辺野古を行った際、県庁前からバスに乗り、2人の学生と一緒になったそうです。北海道から来た学生は、オスプレイは日本の問題だと思い、だからアルバイトして沖縄へ来たと言っていたそうです。ゲート前ではおじいさんが「ゲゲゲの鬼太郎」の替え歌を歌い、みんなをにこやかにさせたそうです。おじいさんは”カイジ”と言われていると名乗り、警備の人たちに”徘徊ジジイ”と言われたので、それを縮めて”カイジ”としたと述べたそうです。陽気であるのが沖縄の原点であり、陽気に、日本を元気にしていこうという方向へ向かおうと述べました。もっといい日本、もっといい世界を未来へ渡すために、「守る」のではなく「つくる」という運動だと述べました。

ウルグアイに行った際、「世界で最も貧しい大統領」として知られるムヒカ大統領に会おうとしましたが、風邪をひいていて会えず、代わりに奥さんが会ってくれたそうです。奥さんは副大統領ですが、大統領の奥さんだから副大統領になった訳ではなく、裕福な家に生まれましたが世の不公平に気付いてゲリラとなり、13年間投獄された後、政治運動をして副大統領にまでなった人物なのだそうです。その方に「闘いに勝つ方法は何ですか」と尋ねたところ、「一つあります。闘いを止めないことです。闘いを止めなければいつか勝ちます」と答えたそうです。13年間闘い続けた人が言うことには説得力があると述べました。

未来は私たちが明るくするしかないと述べました。2年前、15%の人が立ち上がれば世界が変わると述べたそうです。30年前、ベルリンの壁をなくしたのは、平和的なデモだったそうです。当初、デモは弾圧されましたが、デモが7万人になった時、当局は暴力をやめ、12万人になった時、当局は交通整理をするようになったそうです。12万人は市民の1割ちょっとですが、それだけの人が集まると市民みんながやっているように見えたからだそうです。

私たちが15%のはじめの1%になれば、世界を変えることができる、頑張りましょうと呼びかけました。

 

ここで、カンパの訴えを本田宏医師が行ないました。本田さんは、今回はカンパで200万円を集めるのが目標であり、1万人なら1人200円だと述べました。川柳で「血税で ナイスパットに はっけよい」というものがあり、向こうは税金で宣伝することができますが、ならば私たちは暑くても寒くてもカンパしかないと述べました。そして、今回は特別に3回までカンパしてくれていいので、できれば300万円を集めましょうと呼びかけました。

 

続いて、政党からのあいさつが行なわれました。

立憲民主党の枝野幸男代表は、日本の平和と国民生活を守るためにたくさんの皆さんが集まっていることに敬意を表すると述べました。年号が変わっても国民生活は変わらないが、しかし、年号が変わってほぼ半年で政権が倒れているそうです。平成の30年間、日本は直接戦争をせず、これは引き継いでいかなければならないことだが、しかし、安保法制によって危機になっていると指摘しました。平和を守るために、この暴挙をひっくり返そうと呼びかけました。平成が始まった頃はバブルであり、貧困は外国のことだと言われていたが、この間、貧困と格差が日本の中で深刻な問題になったと述べ、これは変えるべきことだと指摘しました。先輩たちが築いてきた豊かさは残っているが、貧困にあえぐ人がいるのは政治が間違っているからだと指摘しました。政治を本来の道へ戻すべきであり、そのチャンスがこの夏だと述べました。32の1人区はほぼ一騎打ちとなり、野党第一党として候補を決めていたところも含めて一本化したと述べました。そして、取りまとめをした人たちにお礼を言いたいと述べました。一本化はスタートラインであり、政治がおかしい、変えなければならないと思っている人の力を総結集すべきだと述べました。埼玉は過半数の議席を取っていかなければならず、民主主義の国で政治を決めるのは有権者の皆さんであり、一人一人が豊かさを実感できる、平和を守り抜ける国にしようと呼びかけました。

国民民主党の大島敦衆議院議員は、安保法制が審議されていた時、伊勢崎先生とお話しし、アフガニスタンの武装解除ができたのは「信頼感があったからだ」ということを聴いたと述べました。9条を持ち、海外で武力行使をしなかった結果だということでした。もう一つは立憲主義であり、国は誰のものかというと、国民一人一人が国のオーナーであり、国は情報を全て開示すべきだと述べました。しかし、それが揺らいでおり、行政府が強くなっていると指摘しました。首相の解散権を縛るべきであり、ドイツはワイマール憲法の反省から解散権を縛り、イギリスは解散権を首相から議会へ移し、3分の2の賛成が必要としたと述べました。立法府がきちんと国民の意思を通すことが必要だと述べました。

日本共産党の塩川鉄也衆議院議員は、トランプ大統領が訪日し、あまりにもおかしい接待が行なわれたと述べました。国民のくらしを守るルールをないがしろにし、F35の購入を約束するという、こういう政治を続けさせる訳にはいかないと指摘しました。市民連合と力を合わせ、5野党・会派で一本化を行なったと述べました。埼玉県は与党を少数に追い込むために前進すべきだと指摘しました。5野党・会派は共通政策へサインし、それにはオール埼玉の運動の原点である、安保法制の廃止、立憲主義の回復などが入ったと述べました。3年前にはなかった政策の一致であると指摘しました。埼玉では1万人集会を成功させ、15の地域連絡会がつくられており、こういう力を参院選で発揮し、総選挙で安倍政権を打倒するために頑張りましょうと呼びかけました。

社民党の福島瑞穂参議院議員は、会場いっぱいの皆さんに連帯のあいさつを贈りたいと述べました。このオール埼玉で憲法改悪の野望を打ち砕こうと呼びかけました。2014年の国会での質問で、「憲法は権力を縛るものだとわかっているか」と質問すると、安倍総理は「それは王政時代のものだ」と答えたそうです。憲法をわかっていない総理にそれを体験させるべきだと述べました。今国会で、野党は安保関連法廃止法案を提出し、改憲発議をさせないために力を合わせていると述べました。国民投票法改悪については、憲法審査会で枝野氏が発言し、CM規制が投票の14日前までないことなど、欠陥法案を認めてはならないと主張したそうです。参院選で、安倍総理は改憲を2020年までに行なうということを公約に入れるとしているそうです。2017年の国会質問で、改憲で憲法に書き込まれる自衛隊には「集団的自衛権が入りますね」と尋ねたところ、「はい、そうです」という答弁だったそうです。国土防衛でも、災害救助でもなく、世界で戦争するための発議を止めるため、参院で3分の1を取らなければならず、できれば過半数を取りたいと述べました。そうなれば、安倍総理は退陣となると指摘しました。もう安倍政権はこりごりであり、国民生活を顧みない、何処の国の総理かと問いかけました。安倍政権は国民のことを全く見ておらず、退陣させ、改憲を根本的に止めさせたいと述べました。安倍政権退陣のために参院選で、みんなの未来を取り戻しましょうと呼びかけました。みんなの力で参院選に勝利し、政治を変えていきましょうと呼びかけました。

 

ここで、参加者は1万2000人となったと発表されました。

続いて集会アピールが提案され、採択されました。

そして、「戦争させない」、「9条壊すな」、「立憲主義を取り戻そう」とコールが行なわれました。

閉会あいさつは、野田静枝副実行委員長が行ないました。野田さんは、ここへ来られない人たちも同じ気持ちだと述べました。そして、私たちを守ってくれた埼玉県警のみなさんありがとうと述べました。お友達と妻だけが大好きな三代目は退陣をと述べました。この国では何かあれば自己責任と言われるが、この場に来られない人、気持ちがあっても動けない人もおり、そんな人たちのことを考えるやさしさを持とうと述べました。そして、埼玉から日本を変えましょうと呼びかけました。

 

集会終了後、浦和駅と南与野駅へ向けてパレードを行ないました。

私たちは南与野駅コースに参加し、「戦争させない 憲法壊すな」、「戦争する国 絶対反対」、「立憲主義を取り戻そう」とコールしながら行進しました。

 

以上で報告を終わります。