曙ブレーキアスベスト被害賠償訴訟 第10回口頭弁論 報告集会 | 労働組合ってなにするところ?

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2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

まず、最低生活基準を切り下げようとする動きに抵抗し、労働者のいのちと健康と働く権利を守り、東日本大震災の被災地の復旧・復興が住民の立場に立った形で1日も早く実現することを目指して、声を上げていくことを提起します。



7月4日、曙ブレーキアスベスト被害賠償訴訟の第10回口頭弁論を傍聴してきました。

口頭弁論終了後、進行協議を終えて弁護団が戻ってくるのを待って、報告集会が行なわれました。

まず、今回の証人尋問の評価ですが、弁護団としては問題はないとのことでした。反対尋問では陳述書とのずれを指摘されましたが、それは弁護士の聴き取りが甘かったということで証人の責任ではないとのことでした。マスクについても細かいやり取りがありましたが、ガーゼマスクを使っていればいいという訳ではなく、防じんマスクが使用されていなかったということが問題なのだと説明されました。また、反対尋問の時間が通常よりも短く、相手側はあまり質問することがないのではないかということでした。裁判官の質問は、尋問で聞かれなかったことを補足するもので、弁護団がフォローするとのことでした。

進行協議については、被告側が3月に病院のカルテの取り寄せを裁判所に調査嘱託しましたが、原告側が遅延行為と反論し、裁判所が却下するという経緯がありましたが、裁判長が交代し、新しい裁判長が調査嘱託に興味を持っているようだったということでした。しかし、今回はまだ確定しておらず、被告側が次にどのような書面を出してくるかによるとのことでした。既にじん肺管理区分が判定されているにも関わらず病院のカルテやレントゲンを取り寄せることは、あら探しで裁判を長引かせる行為だと原告側は主張しており、ここが踏ん張り所だと弁護団長は述べていました。その一方で、証人尋問は予定通り粛々と進めていくとのことでした。


参加者からの質問では、まず、S氏への被告側の質問について、個人の休職や有給休暇の取得など、本件とは全く関係なく、しかもプライバシーに関わることを質問するのは問題ではないかという問いに対して、弁護団からは、確かに下品な質問ではあるが、この程度のことしか質問することがないということを裁判所に示すため、あえて止めなかったという回答がありました。

マスクについて多く質問されたが重要なのかという質問に対しては、本当のことを言うと防じんマスクを付けていたかどうかが問題なのだが、被告側が詳しく聞いてきたのはそれくらいしか聞くことがないからだろうとのことでした。

集じん機のことをどこまで正確に説明できるか心配だという原告からの意見に対しては、スタンスは、会社がちゃんと安全体制を整えていれば病気にはならないというものであり、こちらが細かく正確に言う必要はなく、働く側が正確に把握していなければならないことではないので、尋問事項をつめていけば問題なく、あやふやなことは答えず、しっかり覚えていることはそのまま話せばよいとのことでした。そして、アスベストの危険性については会社が把握していなければならない立場にあり、安全対策がされていなかったことが問題だということでした。

また、曙での2交代勤務や1人で2~3台の機械を受け持つ大変さなど、実態を出した方がいいのではないかという意見もありました。


証言をした原告は、緊張して冷静になれなかった、40年前、60年前のことなのでなかなか思い出せない、後に証言する人の参考になればよいなどの感想が述べられました。


以上で報告を終わります。