いのち・生活・安全まもる10.17国民集会 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

まず、東日本大震災の被災地の復旧・復興が、被災者の意志を尊重した形で、1日も早く実現することを祈念致します。



本日は、有給休暇を取って「いのち・生活・安全まもる10.17国民集会」に参加してきました。

これは、毎年この時期に行なわれている、医療や介護に関わる団体でつくる実行委員会が主催する集会です。医師・看護師不足、介護職員不足、地域医療の崩壊などを解決していくことを訴えることに加え、そのときどきの重要ないのちとくらしに関わる課題を取り上げています。今年は震災復興、原発ゼロ、沖縄問題などが取り上げられました。


私は電車に乗り遅れてしまって、文化行事の途中から参加しました。文化行事は声楽家の新垣勉さんの歌でした。

文化行事の後は、国会議員からのあいさつでした。

最初は民主党の山崎麻耶議員。看護師出身の議員とのことで、毎年この集会に参加してくださっているのですが、今年は「与党内野党」を強調されるなど、この分野での民主党への逆風を感じていらっしゃるのではないかという印象でした。ですが、看護の雇用と質の向上プロジェクトが進行中で、全国に相談員が配置され、今年は看護職以外の医療労働者全体を対象とすることを視野に入れているということも発言されていました。

二人目は民主党の橋本勉議員でした。消費税増税に反対して離党勧告を受けている方で、復興予算の流用と同様、消費税増税分も大型公共事業に流用される危険を指摘し、原発にも反対だと発言されていました。

三人目は日本共産党の高橋ちづ子議員でした。高橋議員は昨日、二本松市を訪問して市長らと原発ゼロ提言について懇談したそうで、避難生活が続く中で医療費の減免制度が打ち切られてしまうことに対して反対を表明しました。そして、2兆円の復興予算が流用されていることに触れ、国民に負担ばかりを押し付けてきた談合政治にNOと言おうと呼びかけました。

また、多くの賛同のメッセージが寄せられている中から、日本歯科医師会からのメッセージが紹介されました。


続いて、全国からの参加者の発言が行なわれました。

名古屋市立病院の看護師からは、20年前から増員運動を行ない、夜勤を3人体制にすることを勝ち取ったが、実態は厳しく、欠員のために月9日以上の夜勤が行なわれ、なかなか休めない現状が訴えられました。また、私立病院の統廃合が進められており、これまでに5病院から3病院に減らされ、来年度は2病院に減らされようとしていることから、自治体病院としての使命が発揮できないということが指摘されました。

福祉保育労の中央執行委員からは、介護現場は福祉の市場化が最初に始まった分野であり、特に人員不足が深刻で、低賃金のために人員が集まらずに過重労働になり、体を壊した人が辞めてさらに過重労働になるという悪循環が起こっていることが訴えられました。時間外労働が多く、メンタルヘルス不全も多発しているそうです。しかも、低賃金は夫婦2人で介護職で働いていると子育ても満足にできない水準です。1人1万5000円相当の介護職員処遇改善交付金は、介護報酬に組み入れられることになり、利用者負担増につながってしまいました。憲法25条に基づく介護を実現することが呼びかけられました。

岩手県医労連からは、3つの自治体病院が津波で破壊され、未だに再建されておらず、1日も早い再建のために運動していることが報告されました。高田病院は41床の仮設病院として全国からの医師の応援を受けて運営されており、地域住民から喜ばれているそうです。しかし、院長が3月で定年の予定で、今後どうなるかが不安だということでした。大槌、山田の自治体病院は仮設診療所として運営されているそうです。大槌町役場がプレハブから仮設庁舎に移った際には、住民からそれよりも早く病院を再建してほしいという声が上がったそうです。住民の仮設住宅からの早期の住宅再建、雇用、生業の再建も課題です。被災者本位の復興を実現することが呼びかけられました。

宮城県医労連からは、被災地の現状が報告されました。ガレキの処理はまだまだ終わらず、農業、漁業者は津波ですべてを失って仮設住まいを続けています。被災者には来年3月まで医療費免除が行なわれますが、その後は自治体が行なえば国から補助金を出すという形となり、治療中の方が免除がなくなれば生活できなくなると心配しているそうです。公的医療機関再建の補助金は病床の1割削減が条件とされ、民間医療機関への補助金はわずかです。予算配分が間違っているのではないか、増税は復興の妨げになるということが訴えられました。

福島県医療生協連からは、福島では16万人が現在も避難しており、いつ戻れるのか、家族と一緒に暮らせるのかと、不安な日々を過ごしていることが訴えられました。父親が仕事のために残り、母子のみが避難した場合は東電の賠償の対象外になっているという問題もあります。福島県に残った住民は、低線量被ばく、進まない除染、子どもの健康への影響などへの不安を抱えています。18歳未満の子どもの健康調査で、甲状腺がんの発症が1名確認されたという結果も出ています。原発事故ですべてが失われ、長期間の健康被害もたらされることから、再稼働は許されないということが訴えられました。また、署名運動を全国で広げることや、被災者の選択を尊重して支援することが求められました。

沖縄医療生協労組からは、米軍基地の75%が集中し、辺野古の基地建設の計画、米兵の犯罪、墜落事故などが起こってきたうえに、危険な訓練が昼夜なく行なわれ、住民に騒音被害や不安をもたらされていることが訴えられました。オスプレイの配備は、さらに重低音の騒音被害をもたらし、中国や韓国との関係改善にも水を差すものだということが指摘されました。


続いて、厚生労働省に向けてのシュプレヒコールが行なわれ、集会アピールが採択され、集会は終了しました。参加者は4000人超だったということでした。


続いて行なわれたパレードでは、今年も宣伝カーでのコール先導をやらせていただきました。今回は千葉県の看護師さんとご一緒で、私以上にパワフルなコールをやってくださいました。シュプレヒコールでは、医療・介護・社会保障に加えて、住民本意の震災復興、原発ゼロ、TPP参加反対、オスプレイ配備反対などを訴えました。


以上で報告を終わります。